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生理の不快な症状に対する鍼灸の効果
生理の不快な症状に対する鍼灸の効果
生理前から生理中の不快な症状を「月経随伴症状」と呼びます。
具体的には、腹痛・腰痛をはじめ、乳房がはる、眠くなる、イライラする、倦怠感、肌あれ、下痢、便秘などさまざまな症状があります。
元々婦人科疾患がある人の方が症状が強く出やすい傾向があります。
このような生理にまつわる不快な症状に、鍼灸が効果を出すかを調べた研究がありますので紹介します。
『月経随伴症状に対する鍼灸治療の効果』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/63/4/63_252/_article/-char/ja
【要約】… 全文を読む
膠原病への鍼灸の効果
膠原病への鍼灸の効果
膠原病は、現在、西洋医学でもとても難しい病気です。
やはり東洋医学(鍼灸)でもそれは変わりません。
ただ、病院での治療を受けていて、他にもっとできることはないかと考えた時に鍼灸は選択肢になり得ます。
病院(西洋医学)とは全く違ったアプローチですので、試す価値があると考えます。
「鍼灸が膠原病に影響を与えられるのか」を調べた論文がありますので紹介します。
『血管病変に対する鍼灸治療の臨床的効果』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/53/1/53_1_43/_article/-char/ja… 全文を読む
頭痛薬が効かない緊張型頭痛に対する鍼灸の効果
鎮痛剤が効かない緊張型頭痛に対する鍼灸の効果
緊張型頭痛とは、頭の両側が締めつけられるような頭痛が数十分~数日間ダラダラと続くタイプの頭痛です。
片頭痛のように、前兆や悪心・嘔吐などはなく、動いてもひどくはなりません。
緊張型頭痛のなかでも、「反復発作性緊張型頭痛」とは平均して1ヵ月に1回(始まると数十分~数日間続く)の頻度で起こる頭痛で、「慢性緊張型頭痛」は平均して1ヵ月に15日以上(年間180日以上)の頻度で起こる頭痛です。
それぞれのタイプの緊張型頭痛に鍼灸がどう効果を出すかを調べた研究がありますので紹介します。
『薬剤で期待すべき効果の得られなかった緊張型頭痛に対する鍼治療の臨床的効果』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/33/3/33_480/_article/-char/ja
【要約】… 全文を読む
PMS(月経前症候群)のイライラに鍼が効くという研究
PMS(月経前症候群)のイライラに鍼が効くという研究
生理周期で排卵後から月経までの期間に起こる不快な症状を、PMS(月経前症候群)と呼びます。
体の痛みやだるさといった身体的症状のほか、情緒不安定になる、イライラする、落ち込むといったメンタル面での悩みなどです。
生理前(高温期)のホルモンのせい(イライラなどは心のバランスを整えるセロトニンが減少するせい)と考えられていますが、はっきりとは分かっていません。
家事・子育て・仕事と日々の疲労やストレスを感じやすい30代の女性に多いです。
疲れとストレス…。
心身を整えるために「自分をいたわる(生活習慣に気を配る)」のも大切ですね。
今回はそんなPMSで悩む(とくにイライラ)人に、鍼灸が役立てるという研究を紹介します。… 全文を読む
鍼はプラセボか?
鍼はプラセボか?
『鍼はプラセボか?』
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22390147/
【要約】
鍼治療の適応として最もよく知られる肩こりに対し、鍼治療は本当に効果があるのかを証明するために、治療者と患者に治療の真偽を知らせずに治療する「ダブルブラインド法(二重盲検法)」を用いた無作為化プラセボ対照臨床研究を実施した。
その結果、治療しない場合よりも、鍼治療を施した方が肩こり感は改善したが、鍼が刺さっても刺さらなくても一定の肩こり改善効果が認められた。
また肩こりの部位に鍼を刺して治療した場合にのみ、皮下血流に変化が認められた。
これらのことは、「鍼治療を受ける」ことによって肩こり感は和らぎ、特に鍼を刺す治療であれば血流改善の効果も期待できることを示唆する。… 全文を読む
運動と緑内障
眼圧の低下には運動が良い
生活習慣が目の病気に影響を及ぼすなどと考えてこられなかった中、様々な切り口で研究が進んでいます。
今回は運動と眼圧の関係についての話です。
2017年、「運動習慣が眼圧に与える影響」と題した九州大学の研究チームの発表。
40歳以上の1871人を対象に、1週間当たりの運動回数・運動時間と、5年間の眼圧変化との関連を調べたものです。
結果「運動の回数の増加、運動習慣の延長にともない、眼圧は有意に低下」した。
広島大学からの発表でも、「被験者が有酸素運動を3カ月続けると、眼圧が下がった。その下がり方は運動の強度に比例していた。ただし、運動をやめると3週間ほどで眼圧はもとのレベルに戻った」という内容が発表されています。
運動は、毎日一日13,000歩ほどのウォーキングがおススメらしいです。… 全文を読む
カロリー制限は正常眼圧緑内障に有効
『カロリー制限は正常眼圧緑内障における神経変性を改善』
カロリー制限が正常眼圧緑内障に良い効果をもたらす可能性がある研究について書きます。
『カロリー制限は正常眼圧緑内障モデルマウスにおける神経変性を改善する』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27669894
【要旨】
正常眼圧緑内障マウスを、一日おきの絶食をさせることによって網膜の神経細胞のダメージが抑制できるかを検討した。
その結果、一日おきの絶食をしたマウスでは、神経細胞死が減り、視機能が保たれることが分かった。
カロリー制限は、生活習慣病対策だけでなく、緑内障進行の抑制にも有用である。… 全文を読む
カッピング(吸い玉)療法とは
カッピング(吸い玉)は東洋医学のひとつの療法として、我々鍼灸師が鍼やお灸と併用する形で使っています。
ですので、基本的には健康増進や病気治療に使われます。
アスリートがメンテナンスに鍼灸と併用してカッピングをするのも見かけます。
また現在では治療目的ではなく、カッピングというとダイエットや美容として女性に人気があります。
日本だけでなく、中国や台湾などでも行われて流行っています。
そんなカッピングについてをご紹介します。
カッピング(吸い玉)について
カッピング(吸い玉)療法とは、透明のカップをツボ(=使用するのは背中やお腹のツボが多い)に吸着させ、カップの中を真空状態にし、血流促進をはかる施術方法です。… 全文を読む
自律神経失調症のツボ
自律神経失調症状と言われる体調不良は、一日の中で波のように起こることも珍しくありません。
ふいに起こる「めまい」や急に起こってはすぐにおさまる「ホットフラッシュ」のようにです。
病院や治療院にいる時に起こるとは限りませんので、自分でできる対処方法を知っておくと良いと思います。
症状が軽いうちなら、それだけで治ってしまうこともあります。
当院に通院の方であれば、その人の状態に相応しいツボをご紹介しています。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、とくに原因が思い当たらないのに様々な症状が現れ、病院では特に異常がないと言われてしまうような症状群のことです。
【自律神経失調症の具体例】… 全文を読む
未病と鍼灸
東洋医学と東洋哲学
東洋医学は、古代中国で発生した中国伝統医学(漢方、鍼灸、按摩、養生法、薬膳など)を指します。
「鍼灸」は東洋医学の大きな柱です。
東洋医学は「東洋思想」に裏打ちされています。
この哲学の大きな特徴は、『自然界のすべてのものはお互いが関係し影響しあっている。また自然界を形作っているものは皆その内部の仕組みに自然界と同じ仕組みを有している。つまり、人間も自然の一部分であり、人体の内部の仕組みも自然界の仕組みと同一である』という考えです。
一方、西洋医学では細胞の組織や器官などはそれぞれ独立しているという考えから、臓器別にそれぞれ独立した専門科があります。
それに対して東洋医学では、細胞や器官などは異なった機能を持ちながらも、全体としてつながり合っている一つの総合体としてみます。
東西どちらが正しいかではなく、東洋哲学=東洋医学的なカラダの見方にも優れた点が少なくありません。… 全文を読む
機能性月経困難症と鍼灸
月経困難症とは
生理痛がひどくて起きていられず、学校や仕事に行けないなど日常生活に支障をきたすほどのつらさの場合を「月経困難症」といいます。
おもな症状は、生理中の下腹部痛、腰痛、背中の痛み、頭痛、吐き気などです。
便秘や下痢、寒気や発熱、貧血を伴うことや、憂うつなど様々な症状を感じる場合もあります。
生理痛に関して、痛みや不快感がある人は7~8割にものぼると言われています。
そのなかには子宮筋腫や子宮内膜症などの病気があって起こる「器質性月経困難症」と、はっきりした原因のない「機能性月経困難症」とに分けられます。
前者は30代以降の女性に多く、後者は年齢の若い女性に多いという特徴があります。
「月経困難症」には、「器質性」のようにつらさを引き起こす別の病気が原因の場合もあるので、生理痛などの症状がある人はまずは婦人科の病院に相談することをおすすめします。… 全文を読む
鍼灸と自律神経失調
自律神経の乱れが原因で起きる体調不良は、病院ではなかなかはっきりした原因が見つからず、治療もハッキリしないことが余計なストレスになります。
そのストレスが原因でより症状が悪化する場合もあります。
症状が軽いうちは我慢できてしまうかもしれませんが、時間とともに積み重なってしまうケースも少なからずあります。
無理はせずに早めの対処をお勧めします。
ぜひ治療法の一つとして鍼灸をお試しになってみてはいかがでしょうか?
なぜ鍼灸がおススメになるのか、そんな話を書きます。
現代医学と自律神経失調
自律神経の乱れによる体調不良は、病院の検査などでは異常を認めることができないことが少なくありません。… 全文を読む
自律神経とは?
「自律神経失調症で鍼灸にかかりたいのですが…」などの希望でみえる方も少なからずいらっしゃいます。
たしかに、鍼灸の働きは自律神経系を整えるのが基本中の基本だと考えますので、自律神経系のお悩みでの鍼灸はまさにうってつけです。
今回は、ではそもそも自律神経とはどのようなもので、それが乱れるとどうなってしまうのかについて書いてみます。
自律神経とは何?
内臓の働きを調整している神経
自律神経は、身体の中にある神経の一種類です。
おもに消化吸収・発汗・呼吸など、意志とは別に勝手に自動で調整してくれる神経を「自律神経」と言います。
ちなみに人間の体には自律神経の他に「体性神経」という神経のネットワークが存在します。… 全文を読む
鍼灸師の流派の実際
鍼灸師の流派の実際
少々古いですが『第5回鍼灸業態アンケート(医道の日本誌、2011年)』から。
これによると、治療方法として「東洋・西洋医学を折衷している派」が最多で43.3%います。
半数弱ですね。
「西洋医学派」は19.3%・「経絡治療派」は17.8%・「中医学派」は3.1%…などとなります。
自分が中医学を学んでいることもあり、「中医学を標榜している人が少ないな~」というのが第一印象。
ただこれは、「中医学」という名称が出てこないで中医理論が「標準的な東洋医学観」になっているのが原因かもと感じました(あくまで勝手な解釈ですが…)。
大きな数字に戻ると折衷派が最多というのは、実際の治療においてたとえば、基本的には経絡治療的な施術をしつつ、時々に応じて西洋医学的視点で施術したりもする…などの「ごちゃまぜ治療」をしている人が多いということでしょう。… 全文を読む
鍼を刺すとなぜ痛みが和らぐのか?
鍼治療の局所鎮痛の仕組み
鍼治療に鎮痛効果があることは長く言われてきました。
「EBM(証拠に基づく医療)」が重要と言われるなかで、鍼の局所の鎮痛が現代医学的にどのような仕組みで効果を発揮するのかは分かっていませんでした。
もちろん、仕組みは定かではない状況でも、世界中で鍼治療は行われていますので、我々鍼灸師は「経験的に効果が認められていることがイコール実践の根拠」としてきました。
私のような一介の鍼灸師にとっては「日々の実践で効果があることが大事」ですので、それ以上のうんちくはなくてもよいのですが、最近の知見で局所の鎮痛がなぜ起こるのかは分かってきているので、紹介します。
鍼の局所鎮痛に関する論文
『鍼刺激による局所鎮痛にアデノシンA1受容体が関与している… 全文を読む
鍼のシリコン加工
ディスポ鍼とシリコン肉芽腫
私が鍼灸学校に通っていた頃(15~20年ほど前)多くの鍼灸院での使用鍼は、「滅菌しての再利用する鍼」を「使い捨て鍼(ディスポ鍼)」が駆逐目前という時代でした。
「鍼で肝炎やエイズにはなりませんよ、だって使い捨てだから」というポスターを張っているところも少なくありませんでした。
そのような時代を経て、今では感染に対する恐れはあまり聞きません。
それくらいディスポ鍼の使用が当たり前になってきたからでしょう。
そのディスポ鍼は、各社様々な特徴をうたう商品があります。
そのなかでも今回はシリコン加工について。
シリコンコーティング鍼のメリット・デメリット
… 全文を読む鍼灸のお勉強とその先
鍼灸のお勉強とその先
1週間ほど前に鍼灸師の国家試験があり、SNSでは「落ちた~(;_;)/~~~」「大丈夫だった(^^♪」などが飛び交っておりました。
試験も難しくなっているようで、受験した方たちはまずはお疲れさまでした。
発表までは気が気ではないでしょうが、良い意味で頭をクールダウンさせてほしいです(笑)
鍼灸学校はちょうど車の教習所のようなもので、国家試験は必要な試験であり、これに受かることはある程度の知識を有している証になりますが、最終的には単なるスタートにすぎません。
資格を取ってからが本番。
勉強はインプットですので、アウトプットがないと活きません。
アウトプットとは実際の施術です。… 全文を読む