片頭痛(偏頭痛)
そもそも片頭痛とは
ズキンズキンと脈打つような痛みが起こる片頭痛は、頭の中で血管が拡がり、拍動に合わせて周囲の神経に刺激が伝わることにより起こると言われています。
頭の血管の周りの神経である三叉神経が刺激されて起こるとされます。
片頭痛は一般的に頭の片側に痛みがありますが、両側に痛む場合もあります。
数時間から数日間続くことがあり、吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏症などの症状を伴うことが多いです
片頭痛は、3つのステップを踏んで起こります。
【第1段階】
なんらかの「きっかけ」により、血管の周りの神経である三叉神経が刺激される。
【第2段階】
三叉神経の末端（終末）から痛み物質が、血管に放出される。
【第3段階】
痛み物質により、血管の拡張と、炎症が起こり、片頭痛となる。
片頭痛の原因は完全には解明されていませんが、
寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども、「片頭痛」の誘因とされています。
ストレスがある時は血管が収縮しているため、片頭痛は起こりませんが、ストレスから解放されると血管が拡張し片頭痛が起こります。
週末になると片頭痛が起こると言われるのはこういう理由からです。
片頭痛は急激な血管拡張によりますので、片頭痛は突然に起こります。
血管が拡張しますので、その周りの神経を引っ張ることにより起こりますので、痛みが激しく、日常生活に耐えられない痛みが生じたりします。
何かのきっかけで起こりますので、緊張型頭痛のように、毎日続くということはありません。
月に数回ということが多いようです。
きっかけがパターン化する状態になりますと、目の前が暗くなったり、逆に急に明るくなったりという前兆が生じたります。
片頭痛を放っておくことにより、緊張型頭痛と片頭痛を合わせた頭痛になりえます。
多くは、緊張型頭痛に片頭痛が組み合わさる形ですが、片頭痛に緊張型頭痛が組み合わさることもあります。
混合型頭痛等と呼ばれたりします。
片頭痛にはよく効く薬があるのですが、この状態になりますと症状は複雑になり、頭痛の薬が効かないということが起こります。
片頭痛を放置するとダメな理由
片頭痛を放置すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
【頭痛の頻度や強さの悪化】
片頭痛は痛みを放置することで、脳が痛みを感じやすくなった結果、頭痛の頻度が高くなると考えられています。
また、痛みが強くなると、頭痛薬の効果が低下することもあります。5
【薬物乱用頭痛につながる】
片頭痛の痛みを和らげるために、市販の頭痛薬や処方された薬を頻繁に服用すると、薬物乱用頭痛という別の頭痛が新たに起きてしまうことがあります。
薬物乱用頭痛は、薬をやめると改善することが多いですが、薬をやめるときには医師の指示に従う必要があります。
【生活の質の低下】
片頭痛は、日常生活や仕事に支障をきたすほどの痛みや不快感を引き起こします。
片頭痛の発作が起こると、集中力や判断力が低下したり、気分が落ち込んだり、不安や恐怖を感じたりすることもあります。
片頭痛は、患者さんの生活の質を大きく低下させる病気です。
【他の病気を見逃す可能性】
片頭痛は、脳の検査をしても異常が見つからないことが多いですが、頭痛の原因には他にも脳腫瘍や脳出血などの重篤な病気があります。
片頭痛と思って放置していると、他の病気を見逃してしまう危険性があります。
片頭痛とは違う特徴の頭痛が起こった場合や、頭痛以外の症状が出た場合は、早めに医師に相談する必要があります。
以上のように、
頭痛の原因を把握するためにも病院への受診も大事になります。
また、
西洋医学(病院)と並行して、東洋医学(鍼灸)も痛み緩和や自律神経の乱れに効果的ですので活用してみてください。
片頭痛と鍼灸
片頭痛は『不通則痛（通じざればすなわち痛む）』という現象とみます。
本来は全身をキレイに循環しているはずの「気・血・水」のいずれかの流れが滞ったために痛みとなっていると考えます。
気の滞り
気の巡りを司どっている内臓である「肝(かん)」の異常が気の滞りを生みます。
肝は自律神経系と関係が深い臓腑です。
『肝うつ型頭痛』です。
ストレスや自律神経の乱れが続くと、肝の気の巡りが滞り機能が低下します。
普段からイライラしたり、怒りっぽい、悩みを抱えやすい方に起こりやすい頭痛のタイプです。
この肝のエネルギー不足で機能が不安定となると、気が乱れて気が上にのぼる状態になります(肝陽上亢)。
頭痛のほかに、のぼせ、耳鳴り、めまい、ふらつき、などの症状が表れます。
肝は月経とも関係が深いので、
月経前や月経中、排卵期に片頭痛が起こる場合もあります。
血の滞り
『瘀血(おけつ)型頭痛』です。
普段から肩こり、腰痛、生理痛などの痛みが出やすい方やシミやくすみが多い方に、このタイプは多い傾向があります。
ただし瘀血にも、
気滞血瘀型（ストレスなどによる気滞が原因で血の巡りが悪くなり頭痛を引き起こしますケース）と、気血虚血瘀型（脾胃機能が弱く飲食物から気血が作れず不足したせいで血流が悪くなり頭痛を起こすケース）があります。
気滞血瘀型では、刺すような痛みやズキンズキンと拍動性の痛みが強く出ます。
気血虚血瘀型では、慢性疲労、食欲不振、上腹部の冷え、唾液やよだれが多く出るなどが起こりやすいです。
水の滞り
『痰湿型頭痛』です。
体に余分な水分が滞り痛みが生じます。
胃腸の働きが弱いことが多いです。
体が重だるい、頭が重痛い、耳が詰まる感じ、むくみ、めまい、食欲不振なども起こしやすいです。
台風や曇りの日など天気や気圧の影響で片頭痛が起こるという方もここに属します。
頭の痛む場所から異常がある経絡が分かる
カラダには気血の巡るルートがあり、それを「経絡(けいらく)」と言います。
どの経絡(ルート)に異常が起きているかで頭痛の場所も変わります。
具体的には、、
・首から後頭部が痛むのは「太陽膀胱経」。天柱・後谿・申脈などのツボを使います。
・こめかみから側頭部は「少陽胆経」。太陽・風池・外関・足臨泣などのツボを使います。
・ひたいから眉の辺りは「陽明胃経」。印堂・合谷・内庭などのツボを使います。
・頭頂部は「厥陰肝経」。百会・太衝などのツボを使います。
頭痛の場所に属する経絡にあるツボは、頭痛を改善するのに有効なツボになります。
以上のように、
鍼灸治療では、タイプ別に使うツボを分けて、それぞれに効果的なツボを選びます。
使うツボの場所は全身にあります。
頭に効くからと言ってお腹だけではなく、腕・足・背中などにもとても有効なツボがそろっています。
片頭痛と鍼灸鍼灸のよくある質問と回答
Q: 片頭痛って本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療は片頭痛の改善に効果があります。
鍼やお灸を用いて、自律神経の乱れを緩和し血流を整え、頭痛や不快感を軽減します。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
症状が改善されたら、徐々に間隔を開けていきます。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が片頭痛にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、頭の不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 片頭痛以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、肩こり、腰痛、不眠、婦人科疾患、冷え、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 料金はどのくらいですか？
A: 初回はお試し部分鍼灸ですと2200円。2回目以降は全身鍼灸になり7700円です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸の治療は妊娠中でも受けられますか？
A: はい。鍼灸治療は妊娠中でも受けられます。
妊娠中はホルモンのバランスや血液の量が変化するため、頭痛が出やすくなります。
鍼灸はこれらの症状を緩和するだけでなく、母体の健康にも良い影響を与えます。
ただし妊娠中に鍼灸を受ける場合は、必ず妊娠の有無や週数をお伝えください。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
片頭痛への鍼灸の論文・研究
海外の研究でも片頭痛の鍼灸施術の有効性は確かめられています。
●片頭痛に対する2009年の研究報告では、『有効性が確立された予防薬物療法との比較では優れた効果があり、有害事象はより少ない』とされています。
（『片頭痛予防のための鍼治療』Acupuncture for migraine prophylaxis.Cochrane Database of Syst Rev, 2009,issue1）
●2011年の研究では『鍼治療と予防薬の比較で、鍼治療群の方が（投薬群より）4週間後・16週間後の頭痛日数の減少が見られ、急性期薬物の使用も少なかった』と報告されています。
（『片頭痛予防のための鍼治療の有効性』Efficacy of acupuncyure for migraine prophylaxis : A single-blinded,double-dummy,randomized controlled trail. Pain,2011）
●英国国立医療技術評価機構（NICE）のガイドラインでは『トピラマートやプロプラノロールで予防効果が得られない場合、週2回～週1回のペースの鍼治療を10回受けること』を勧めています。
当鍼灸院でも、あなたの片頭痛を少しでも良くするために最大限の施術をさせていただきます。
