がん
癌と鍼灸について
2000年以上前に中国で発祥した東洋医学(鍼灸・漢方薬など)は日本でも1500年ほどの間、正規の医療でした。
明治以降は西洋医学にその座を譲りましたが消滅することなく、民間で頼りにされることで今まで存続してきました。
現在では、
海外(欧米)でその効果が確認されて広がり、日本でも西洋医学の副作用対策や弱点を補う役割として、鍼灸は注目を集めています。
癌治療もそのひとつです。
西洋医学の治療に伴う副作用対策として、漢方薬などは日本の病院でも広く使われるようになっています。
実際に漢方薬を服用している癌患者さんでは「漢方薬の効果は西洋薬と比べて劣らない」という報告もあります。
鍼灸も同じく効果的ですが、鍼灸師による直接の「手当て」が必要なため、病院での取り扱いは漢方薬に比べると少ないです。
最初にお伝えしておくことは、
「鍼灸でガンが治る！」と言えればよいのですが、鍼灸はガンそのものを治す治療ではありません。
癌は全身病であり慢性病であり、西洋医学と東洋医学そしてセルフケアなど総合的なアプローチが重要になります。
鍼灸の目的
『がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】（2012年）』に鍼灸治療の目的は、
・癌の痛みや息切れなどの身体症状の軽減
・心理的・精神的苦痛の軽減
・生活の質（QOL）全般の改善
・化学療法の副作用(吐気や嘔吐の軽減)
・手術後の腸閉塞の予防
・乳がん治療の副作用である顔面紅潮・のぼせの治療
…と書かれています。
『がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】（2012年）』
（がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究班）
https://shikoku-cc.hosp.go.jp/cam/dl/pdf/cam_guide(3rd)20120220_forWeb.pdf
当院だけの主観で述べているわけでなく、厚労省のがん研究助成金を受けた論文での発表です。
癌の痛み・抗がん剤の副作用・QOL改善など、「癌そのもの」を治すわけではないとしても、「患者さん」にアプローチして改善・緩和を促す作用が鍼灸にはあります。
鍼灸の使い方
手術・放射線治療・抗がん剤治療での体の負担や副作用、緩和医療など、癌治療のさまざまな場面で鍼灸が可能です。
ただ、癌の標準治療を受ける患者さんに付き添って病院内で鍼灸ができればよいのですがなかなか現実的ではありません。
ですので、以下のような場合に鍼灸がお役に立てると考えます。
・癌による痛み・ダルさ・不快感による生活の質(QOL)の低下に対し効果が期待できます。
癌になると、体のツラさや不自由さを抱え、心には不安や怖れが常にある日々になります。
このような日々を少しでも快適に変化させる方法として鍼灸があります。
・標準治療のために腸の動きが悪化することはよくあります。
腸管の動きが悪くなることで痛みや腹部の張りが出ることがあります。
これに対し腸管運動改善の効果があります。
・緩和医療のモルヒネ副作用であるひどい便秘の改善が期待できます。
・抗がん剤治療に伴う副作用対策。倦怠感・吐き気・しびれ・食欲不振の改善。
・女性の場合は、治療のために人工的に閉経したのと同じ状態になる場合があります。
西洋医学の対処療法であるホルモン剤は癌に対する悪影響から使えないことも多いです。
更年期障害にも有効な鍼灸は、このような症状にも薬を使わないアプローチとして有効です。
・癌患者さんの不安やストレスの緩和。
治療や副作用に対する不安、再発への不安など、常に不安と隣り合わせの状態が続くのが癌の患者さんの心です。
そのため、うつ症状や不眠症が現れる場合も多いのです。
・患者さんの様々な症状に寄り添って、直接「手当て」が可能。
1対1で行われる鍼灸は、患者さんの心身に寄り添った時間になることが一番のメリットです。
以上のようなことに対して、鍼灸を試してみてほしいです。
体の状態もさまざまあり、その人なりの体質に合わせてツボを選択し、全身より施術していきます。
鍼灸は、心身が整ったカラダを作ることが目的です。
体質改善こそが一番の根本かつ近道と考えます。
癌の鍼灸のよくある質問
Q: 癌の治療に鍼灸は効果がありますか？
A: 鍼灸のみで癌を治すことは難しいですが、体質改善や症状の緩和に寄与できます。
Q: 鍼灸は癌の転移を防ぐことができますか？
A: 鍼灸単独で癌の進行を抑えたり転移を防げるとは言えません。
西洋医学や健康的な生活習慣・バランスの取れた食事・適度な運動などと併せて鍼灸を行うことで、再発予防できる体づくりを可能にします。
Q: 病院の癌治療と鍼灸治療を同時に受けても大丈夫ですか？
A: 病院の治療と鍼灸を同時に受ける場合は病院の主治医との相談を重視してください。
鍼灸治療は副作用の軽減や症状の緩和に役立ちますが、西洋医学的な治療計画や医師の指示を大事にしてください。
Q: 癌による痛みや不快感を鍼灸で和らげることはできますか？
A: 効果は個人によって異なりますが、鍼灸には癌による痛み緩和や不快感軽減に役だてます。
Q: 鍼灸治療は抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減することができますか？
A: 鍼灸は、抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減する効果があると報告されています。
ただし個人差があり効果の程度は患者さんによって異なります。
Q: 鍼灸治療は痛みや不快感を伴うことがありますか？
A: 鍼灸施術は一般的に痛みや不快感がありません。
鍼は細い針を使用しますが、通常はほとんど痛みを感じず、お灸は心地よい温かさを感じることができます。
Q: 鍼灸治療の効果を実感するまでにはどのくらいの時間がかかりますか？
A: 鍼灸の効果を実感するまでには個人差があります。数回の施術を受けることで症状の改善を感じることが多いです。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の施術者の安全性はどうですか？
A: 当院の施術者は鍼灸師です。鍼灸師は国家資格の東洋医学やツボ療法の専門家です。
Q: 鍼灸は保険が適用されますか？
A: 当院の鍼灸施術は保険適用はされず、自費となります。
初回お試し部分鍼灸(2200円)、全身鍼灸(7700円)です。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 癌の症状以外も同時に治療できますか？
A: はい、他の症状や不調も同時に治療できます。
肩こり・疲労・食欲不振・頭痛・ストレス・冷えなど、複数の不調に同時並行して治療します。
