放射線治療の副作用(食道炎)の鍼灸症例

放射線治療の副作用(食道炎)

その他症例5:放射線の副作用(食道炎)

患者さま

60代 男性

初来院

2017年11月24日

お悩みの症状

肺がんの放射線・抗がん剤の副作用(食道炎)

初来院までの経過

4ヶ月前(2017年7月)に人間ドッグで発見され、その後の検査で「肺がん」と診断。
リンパ節転移あり、遠隔転移なし。
放射線治療と抗がん剤治療をすることを提案される。
1ヶ月半前から治療開始。
放射線治療により食道炎となり、食べると痛むことがつらい。
あと2回抗がん剤治療があり、その間の体調を整えるために鍼灸を希望され来院。
肺がんそのものの痛みや不快感はない。
元々中途覚醒型の不眠があり眠剤を服用してたり、十二指腸潰瘍の既往歴があったりと、ストレスが体に出やすいタイプである。
今回、がんの発症で不安も増し入院もして環境も変わったことから、抗不安薬や安定剤も服用している。
抗がん剤や放射線治療によるダメ―ジなどからも疲れ感が強い。
手足の冷えも強い。

治療方針

食道炎が一番の悩みとのことだったので、基本は胃腸の巡りをよくする配穴をする。
ただし、その本質は「気血の虚」(疲れとストレス)であるので、脾・肝・腎の虚を補うようにする。

治療と経過

1回目。
「不容(+お灸)」「期門(+お灸)」「内関」「足三里」「中封」に鍼。足にホットパック。「肺兪」「隔兪」「肝兪」「脾兪」「腎兪」に鍼+温灸。
2~5回目(2週間に1回ペース)。
食道炎のつらさは2回の治療で改善。
「疲れ」と「冷え」が主要な訴えになる。
「不容(+お灸)」「期門(+お灸)」「中カン(温灸)」「合谷」「足三里」「復溜」に鍼。足にホットパック。「肺兪」「隔兪」「肝兪」「脾兪」「腎兪」に鍼+温灸。
鍼灸を5回終了時点で、肺がんの腫瘍は22mmから8㎜に縮小しているので、1ヶ月に1回の経過観察になる。
抗がん剤治療も終了したため、鍼灸もいったん終了とする。

同時に治療した症状

・不眠
・疲れ
・ストレス

まとめ

「食道炎」は放射線治療の後遺症なので、時間共に改善していくとは考えていたが、鍼灸を行うことでスムーズに改善したようである。
残っている元々ある「疲れ」と「冷え」と「不眠」は、まさに鍼灸でケアできる主要症状だと考える。
ただし短期間の施術での改善を期待するより、継続的な施術で効果を出す。
そのため、今後も継続的に鍼灸を使っていただければよいのだが、これは患者さんの選択なので抗がん剤治療終了にあわせて鍼灸も終了になった。
ぜひ、日常生活で、リラックスして心身に無理のない生活を心がけていただきたい。

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