ギックリ腰と妊娠発覚が同時に起こった

昨日からぎっくり腰で今日妊娠発覚した鍼灸症例

ぎっくり腰と妊娠初期

患者さま

30代 女性

初来院

2019年8月30日

お悩みの症状

・左腰からお尻にかけてが痛い

初来院までの経過

7年前にもぎっくり腰になったことがある。
昨夜、買い物をしていて荷物を持った際にギクッとなった。
1日経った現在、昨日より悪化している。
動くときがつらい、2日後には仕事に行きたいので鍼灸で何とかしたいと来院。

ちなみに今日、妊娠検査薬で確認したら陽性反応が出ていた。
自然妊娠。

治療方針

腰痛の症状は、仰向けで寝ているのがラクな姿勢で、姿勢を変えたり動いたりする際に痛みが出る。
よくあるぎっくり腰のケースなのだが、まさに妊娠がわかったところ、というのがレアなケースである。
妊娠初期の鍼灸を不安に感じる人もいるので「妊娠初期でも鍼灸施術は可能であること」「ただし強い刺激の施術は好ましくないので弱めで行うこと」「最終的に、ご自分の不安が強いようなら鍼灸は受けない方がよいこと」をお伝えし、施術を希望されたため鍼灸を行うこととする。
基本は「腰の局所」をメインで「軽めの施術」をすることにする。
冷えと疲れが強いとのことで、妊娠のことがなくとも軽めの刺激で行うのがよさそうだ。

治療と経過

1回目。
「腰痛の局所」に浅く置鍼したのちに点灸。
施術後に、「10」あった痛みが「6」になったとのこと。
2回目(翌日)。
一晩たち「4」にまで軽減。
妊娠に関しては昨日、産婦人科に行き病院でも妊娠判定を得る。
「左後渓」「左委中」に軽く響かす鍼。「背部の兪穴」に浅く置鍼。「腰の局所」には運動鍼を加える。
施術後、ベッドサイドで動いてみてもらうと、かなりラクになっている、とのこと。
明日から仕事に行けそう、とのことだったので、これで治療は終了とする。

まとめ

ぎっくり腰など急性の腰痛は、早いペースで治療をすると早期に改善していくことが多い。
しかもこの方は慢性腰痛などもなさそうだったので、気血の巡りさえ確保できれば治りが早い。
ただし、妊娠がわかったばかりだったので、患者さんに不安がないよう施術を進めるのに(通常のぎっくり腰治療以上に)心を砕いた。
結果的に、2回の鍼灸でほぼ完治したので良かった。
院を出る際に「安心してマタニティライフを送ってほしいし、何かあれば鍼灸でもお役に立てます」とお伝えした。
今のところ連絡がないので、元気にやっていらっしゃるのだろと想像している。