左背中から腕の痛みと手指のしびれ(頚椎症)の鍼灸症例

頚椎ヘルニアで左背中から腕が痛み手がしびれる

頚椎症の鍼灸

患者さま

50代 男性

初来院

2019年8月10日

お悩みの症状

左背中から腕が痛み、手指がしびれる

初来院までの経過

初めて症状が出たのは3年前。
ゴルフの右打ちを左打ちに替えてから症状が出た。
しかしその時の痛みは、今回を「10」とすれば「2」程度だったので放置していた。
1ヶ月前にゴルフをきっかけに痛みやしびれが悪化。
1週間たっても改善しないので整形外科の病院を受診する。
病院ではMRIをとり、「ストレートネックと頚椎ヘルニアがあるが程度は軽い」「だから治療としては、鎮痛薬とストレッチをすればよい」と言われた。
その後も痛み止めを飲んでも痛みは変わらないため、鍼灸で改善できないかと来院。

また別件で現在、白血病の分子標的薬の治療中。
19年前より治療を継続しており日常生活には支障なし。
白血病とは関係ないが、慢性腰痛も持っている。

治療方針

首が痛くて箸も持てない(力が入らない)とおっしゃる。
とにかく首肩~腕~指のつらさを改善したい、と。
気血を鍼灸で刺激することで首周辺の滞りを疎通させることに重点を当てることにする。
同時に、白血病の治療中ということもあり心身的に疲労感も持っているので、腎や肝の働きを補うような施術も併せて行うことにする。

治療と経過

1回目。
初回は局所にのみ施術。
頚椎からくる症状だったので、痛みやしびれが関連する局所(=「夾脊穴」)に、響かせて置鍼したのちに点灸。
2回目(4日後)。
1ヶ月間ずっと「10」だった痛みが1回目の施術で「2~3」に改善。
とくに痛みの改善が大きく、しびれはまだ残る。
今回は全身的に施術する。
「合谷」「外関」「陽陵泉」「太衝」「太渓」に置鍼。「肩から背中のコリ部分」に単刺。「膈兪」「肝兪」「大腸兪」に置鍼。
「頚椎の挟脊穴」辺りに点灸。

2回の施術をしだいぶ改善したため終了とする。

同時に治療した症状

・腰痛
・疲れ

まとめ

1ヶ月間つらかった頚椎症だったが、2回の施術で完治となる。
痛み止め薬などが効かない痛みやしびれに、鍼灸というのは著しい効果を発揮することがある典型的なケースであった。
最初は4~5回の施術を想定していたので、予想より早期に改善した。
白血病という大きな病気を抱えているので、これを機に鍼灸も併用してもらえたら…と思ったが、西洋薬で安定しているのでとりあえず様子を見ます、とのことだった。
もちろん、それでもかまわない。何かの折に鍼灸を思い出してくれたらそれで嬉しい。