40代後半、最後の体外受精(採卵)に挑戦したが難しかったケース

40代不妊(最後の採卵に挑戦)

47歳不妊IVF

患者さま

40代後半 女性

初来院

2019年3月6日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

30代のころより健康診断で「子宮筋腫がある」と言われていた。
7年前から妊活開始。
まずは自分たちでタイミングをとるも妊娠せず、6年前に開腹手術にて子宮筋腫をとる。
その後、病院にかかり不妊治療開始(年齢のこともあり顕微授精を勧められる)。
その後、数回の体外受精を行った。
3年前に一度妊娠。
しかし心拍まで確認できたものの流産。
それ以降、妊活は中断。

2ヵ月前から再開を決意し、病院を新たにする。
採卵に臨むも、卵ができずリセットになる。
そろそろ生理が来る予定なので、その周期の採卵に向けてできることはしたいと当院に来院。
今回で最後のチャレンジと決めている。

婦人科系以外では「首肩こり」「背中の痛み(動くと電撃のような痛み)」「仕事のストレスが強い」がある。

治療方針

生理周期が始まりそうな時期の初来院で「次の採卵まで」という条件付きだったため、卵を育てるチカラ(腎のチカラ)を高めることと今ある不調感を極力減らし肉体面のコンディション作りをすることにした(ストレスも強いのでリラックスも意識した)。
腎虚+瘀血(血虚のため)と判断し、脾・肝・腎の気血を補いめぐらせることとする。

治療と経過

1回目。
「肓兪」に浅く鍼したのち、下腹部も加えて点灸。「合谷」「三陰交」「太渓」「太衝」に置鍼。肩こりの局所に単刺。「風池」「心兪」「隔兪」「肝兪」「腎兪」「次髎」に鍼+円皮鍼。
2回目~4回目(1週間に2回ペース)。
2回目の来院時(生理周期3日目)、背中に電撃が走るような痛みがだいぶ軽くなったとのこと。
基本的には1回目に準じた施術内容。
ただし棒灸を「関元」に追加。「三陰交」は鍼でなく台座灸に変更。
その時その時の体調により若干の配穴を変えながら、首肩などのコリの部分にパルス鍼も併用。
4回目の施術終了後(生理周期13日目)に、そろそろ採卵という段階で施術は終了。

2ヵ月後。
背中のコリがつらい、と再度来院。
「採卵はやはり出来なかった(卵が育たたなかった)」とのご報告。
今回で「妊活は終了する」とのこと。
この回は、気血を巡らせるように背中のコリに響くような施術する。

同時に治療した症状

・ストレス
・首肩コリ
・背中の痛み
・腰痛

まとめ

妊活という意味では成果にならなかったケースである。
正直口惜しさがあり、記録を掲載することとした。
うまくいくケースばかりでなく、うまくいかないケースもある。
今回のケースは、時間が足りなかった、というのが言い訳にはなる。
47歳という年齢に加え、前回卵が育っていなかったので、体調を整えるのも時間(と回数)を必要としただろう。
もちろん、いたずらに時間をかければいいわけではないが、3ヶ月程度の時間と10~15回の治療が欲しかった。
その間には自宅でのお灸などセルフケアにも取り組んでいただき、腎の虚をどこまで補えるかをみたかった。
これはもちろん、治療家側の視点での話だし、それで必ず成果が出るとは予見できるものではない。
我々は、患者さんから与えられた時間や回数でいかに成果を出すかを常に追求していかなければならない。
(もちろん、こちらからも提案はさせていただくが…。)