痛みに鍼灸はすぐ効くか?の研究

痛みに鍼灸はすぐ効くか?の研究

痛みと鍼灸|千葉県|鎌ヶ谷・船橋・松戸

鍼治療は、世界的に見れば「痛みの治療」に使用されることが多いです。
もちろん日本でも同様なのですが、日本では整形外科疾患(頭痛・膝痛・腰痛など)に偏って使用されている向きがあります。

今までの世界中の研究では、「慢性疼痛の治療」に鍼治療が有効であるという重要なエビデンスはあります。
現在までに80以上の系統的レビューが、痛みの軽減における鍼治療および関連療法の役割を評価するために実施されています。
しかし、これらの体系的なレビューの結果は、全て同じ結果にはなっていません。
たとえば、大多数のレビューでは、腰痛と変形性膝関節症の痛み軽減の鍼治療には肯定的な結果を報告しています。
また2つの最近の体系的レビューでは、がんに関連する痛みの軽減における鍼治療の有効性に肯定的な結果を報告しました。
また別の研究では、鍼治療は術後疼痛の軽減に有用であると示唆しています。
しかし、神経因性疼痛や線維筋痛などの他の疼痛状態における疼痛の治療としての鍼治療の有効性は決して確定的ではありません。
このように、研究結果もまだまだ安定的なものではないのが実情です。

今回は「痛みに鍼灸は即効性があるかどうか?」という内容をご紹介します。

『疼痛に対する鍼治療の即効性』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5676441/

【概要】
今日まで、鍼治療の即時鎮痛効果の体系的な分析はない。
したがって、入手可能なエビデンスを要約し、エビデンスの質を評価し、将来の研究および治療のための提案を提供するために、様々な疾患に関連する疼痛に対する鍼治療の即効性を評価するため分析を行った。
初回の鍼治療から30分以内の疼痛緩和の程度を調べ、鍼治療と他の状態とを比較して評価した。
具体的には「真の鍼治療」と、「ニセ鍼治療」「鎮痛剤注射」とを比較した。
鍼治療での重篤な有害事象は報告されていない。
鍼治療は、ニセ鍼治療および鎮痛剤注射と比較して、より大きな即時鎮痛効果と関連していた。
さらに厳しい設計と方法論を持つ研究で、より多くの疾患関連疼痛に対する鍼治療の即時鎮痛効果が評価されるだろう。

当院の考察

痛みと鍼灸

1回だけの鍼治療で痛みは改善できる、という内容でした。
この研究も「痛みには鍼灸が強い」というひとつの証しになっていますね。

1回受けた時に「効くかどうか?」(「直後効果」というやつ)ですね。
たしかに日々の治療でも、1回でも受ければ実際に痛みやコリなどは軽くなりますので、その実感と一致します。

ただし、直後効果あるイコール症状が治る、ということではありません。
やはり慢性的な症状の場合は、継続的な治療が必要です。

また、痛みの改善にしろ、変化は一直線に起こるわけでもありません。
直線的な変化とは「1回・2回・3回と治療するたびに右肩上がりに改善していく」ことですが、「初回に急激に改善した後、停滞するケース」や「初期の改善は緩やかだが後半にグングンよくなるケース」や「そもそもゆっくりゆっくりしか改善しないケース」など様々です。

その辺のことも考え、「ある一定期間・定期的な頻度」で施術を受けることをおススメします。
※たとえば「週1回の施術を3ヶ月」などです。

当院では、その人に相応しい頻度や期間を初回の施術時にお伝えして、ご同意いただけるようでしたら継続的な来院をおススメしています。

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