30年近く続く頭痛の鍼灸症例

30年近く続く頭痛

頭痛症例

患者さま

40代 女性

初来院

2015年11月4日

お悩みの症状

30年近く前から続く頭痛

初来院までの経過

基本的にはいつでも頭痛がある。
場所は後頭部だが時々側頭部にも出る。
中学生くらいから始まり、10年くらい前からひどくなっている。
病院では「慢性片頭痛と緊張型の混合型頭痛」と診断され鎮痛薬が出ている。
頭痛はストレスがあるとひどくなりやすい。
痛いときは薬を飲むが効く時と効かない時があり、そういう時は横になっている。
目がしょぼしょぼ乾くような感じで痛む。
生理周期は40日くらいと少し長めで、最近生理時に出血がダラダラ続く事が気になっている。

治療方針

「血の不足(血虚)」と不足からくる「血流の悪さ」が頭痛の原因し、まずは血量を増やす様な滋養が重要と見立てる。
同時に「冷えのぼせ」のような自律神経系の働きの悪さもあるので、気の巡りをよくする必要もある。
刺激に敏感なタイプで、鍼灸ともにソフトな刺激を心がける。

治療と経過

1回目。
「合谷」「外関」「陽陵泉」「太衝」「丘墟」「心兪」「肝兪」「脾兪」「天柱」「風池」「肩コリの局所穴」に浅く軽めの鍼。
2回目(1週間後)。
頭痛や目の乾きに変化は見られないとのことだったが、生理時のダラダラする出血は今回は良い。
「中カン」「関元」のお灸。足にホットパックで保温。それ以外の鍼は同様。
3回目(1週間後)。
頭痛と目の乾きはともに少し改善。基本的には同様の治療を継続。
4~10回目(10日に1回ペース)。
頭痛も波はあるものの改善傾向で薬の量が減る。
片頭痛的な痛みが改善し、緊張型的な痛みが残っている感じとのこと。
11回目~20回目(2週間に1回ペース)
頭痛のない時間が増え、痛み自体も減ったようだ、とのこと。
一旦これで治療を終了とする。

まとめ

30年近くの頭痛とのことで、なかなか劇的に改善はしない。
頭痛を主眼に、その時その時の身体の状態に合わせ、毎回治療は少しずつ変えて対応した。
同時に、患者さん自身が体の特徴(冷えていないと思っていたが実は冷えはあることを知る、など)により生活習慣も少しずつ変化し、それも併せて頭痛の改善につながっていった。
最後の頃は、自分で首肩のストレッチなどもするようになり、少しずつセルフケアだけで頭痛管理ができるようになって行ったのが印象的であった。