【症例】鎮痛薬が効かない頭痛と適応障害|40代男性の鍼灸治療経過

【鎌ケ谷市】適応障害と薬が効かない頭痛が改善した40代男性の鍼灸症例

頭痛と適応障害の鍼灸症例
※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。


「頭痛が続いて仕事に集中できない」「鎮痛薬を飲んでも改善しない」

このような慢性的な頭痛に悩み、病院で治療を受けていても十分な改善が得られず、困っている方は少なくありません。

頭痛の背景には、眼精疲労や首・肩の緊張だけでなく、長期間のストレスや睡眠不足、自律神経の乱れなど、さまざまな要因が重なっていることがあります。

今回ご紹介するのは、10年以上続く眼精疲労と、適応障害による体調不良を抱え、鎮痛薬でも改善しない頭痛に悩んでいた40代男性の症例です

当院では、症状だけを見るのではなく、生活習慣やストレスの状況、体質なども含めて丁寧に評価し、東洋医学の視点から施術方針を組み立てました。

この記事では、初診時の状態、東洋医学的な考察、施術内容、そして実際の経過について詳しくご紹介します。同じようなお悩みを抱える方の参考になれば幸いです。

患者さまの情報と経緯

年齢性別・お住まい:
40代 男性・鎌ケ谷市在住

主訴:
頭痛、眼精疲労、適応障害

既往歴:
10年前から目の疲れ、5年前から適応障害(電車に乗車時のめまい、気分の悪さ)、頭痛

現病歴:
眼精疲労からくる頭痛がひどく、時には仕事に行けないほど。
週1~2回の頭痛、月1回程度の激しい痛みの波。
鎮痛薬も無効。
精神科で抗うつ薬、睡眠薬を服用中。

その他の症状:
全身倦怠感、不眠、首肩こり

この患者さまは、10年前から目の疲れを感じ始め、徐々に悪化。
5年前には電車に乗る際にめまいや気分が悪くなるようになり、適応障害と診断されました。

その頃から頭痛も出現し、日常生活に大きな支障をきたしていました。
とくに頭痛は鎮痛薬が効かず、月に一度は激しい痛みに襲われ、仕事を休まざるを得ない状況でした。

心身ともに疲弊し、藁にもすがる思いで当鍼灸院にいらっしゃいました。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、心身の不調は「気・血・水」のバランスの乱れによって引き起こされると考えます。

この患者さまの場合、長年の眼精疲労は「肝」の機能低下と捉えられます。
「肝」は血を貯蔵し、目と密接な関係があるため、肝の機能が低下すると目の疲れや視力低下、頭痛などを引き起こしやすくなります。

また、適応障害は「心」の機能と関連が深く、精神的なストレスによって気の流れが滞る「気滞」の状態を引き起こします。

さらに、不眠や倦怠感は「気虚」の状態、つまりエネルギー不足を示しています。
これらの状態を総合的に判断し、「心肝気滞」と「気虚」が根本的な原因であると考察しました。

治療方針

上記の東洋医学的考察に基づき、治療方針は「疏肝理気(そかんりき)」と「益気健脾(えっきけんぴ)」を柱としました。

「疏肝理気」は、肝の気を巡らせ、気の滞りを解消することで、精神的な安定と頭痛の緩和を図ります。

「益気健脾」は、脾胃の機能を高めて気を補い、全身の倦怠感や不眠の改善を目指します。

具体的な治療としては、気の巡りを活発にするツボとリラックス効果の高いツボを重点的に使用し、同時にエネルギーを補うツボも組み合わせて治療を行いました。

治療内容と実際の経過

1~2回目:
「膻中」「神門」「足三里」「太衝」などのツボに鍼を施し、「中脘」「関元」に棒温灸を行いました。

初回後、頭痛と倦怠感に若干の改善が見られました。

3~9回目:
週1回のペースで治療を継続。

当初の主訴であった頭痛は徐々に軽減し、会社を休むほどの痛みはなくなりました

代わりに、不眠、首肩こり、目の疲れなどが主な訴えとなりました。
治療では、上記のツボに加え、「太陽」「天柱」「風池」「心兪」「肝兪」などを追加し、症状に合わせて円皮鍼やせんねん灸も併用しました。

10~15回目:
頭痛が改善したため、治療間隔を2週間に1回に変更

不眠と首肩こりが主な症状として残存していましたが、著しい改善は見られませんでした。
患者さまと相談の上、一旦治療を終了することとなりました。

この経過からわかるように、当初の目的であった頭痛の改善には大きな効果が見られました。
しかし、不眠や首肩こりといった根本的な原因に対するアプローチは、十分な効果を発揮するに至りませんでした。

鍼灸師としての感想とまとめ

今回ご紹介した患者さまは、長年続く眼精疲労に加え、適応障害と診断され、鎮痛薬でも改善しない頭痛に悩まれていました

東洋医学的には、ストレスによる気の巡りの停滞と、慢性的な疲労による気の不足が重なった状態と考え、頭痛だけでなく全身のバランスを整えることを目的に施術を行いました。

施術を重ねる中で、当初もっとも困っていた頭痛は徐々に軽減し、仕事を休まなければならないほどの強い痛みはみられなくなりました。
一方で、不眠や首肩こりについては改善が限定的であり、患者さまと相談しながら一定の区切りをもって施術を終了しています。

この症例からも分かるように、慢性的な頭痛の背景には眼精疲労だけでなく、ストレスや睡眠、自律神経の状態など複数の要因が関わることがあります。
また、症状によって改善の経過は異なり、すべてが同じように変化するとは限りません。

当院では、一人ひとりの症状や生活背景を丁寧に確認し、その方に合わせた施術をご提案しています。
慢性的な頭痛や眼精疲労、ストレスによる体調不良でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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