生理不順がある方へ妊活鍼灸し妊娠に至った鍼灸症例
生理不順の方への鍼灸で妊娠
患者さま
30代 女性
初来院
2021年12月10日
お悩みの症状
一人目不妊
初来院までの経過
元々、生理不順(周期30~90日)がある。
2年前に妊活開始し、ご自分たちでタイミングを取っていた。
1年ほどたち、先月、婦人科にかかりだす。
現在までの検査では、ご本人はとくに問題は指摘されず。
病院(婦人科)には「体外受精」を希望して来院している。
病院での治療に合わせて鍼灸も併用したいと来院。
そのほかの症状。
頭痛(週2~3回ほど鎮痛薬を飲むくらい)。
治療方針
40歳近い30代でもあるため、婦人科のエネルギー不足「腎虚」がある。
臓腑で言うと「腎」を中心に「肝」「脾」を補うようにする。
同時に気血の巡りが悪い体質(とくに瘀血)でもあるため、巡りを促進するツボ・リラックスできるようなツボも多めにする。
治療と経過
1回目。
「大巨」辺りに温灸。「下腹部の反応点」にお灸。「合谷」「陰陵泉」「三陰交」「太衝」「太谿」に置鍼。「天柱」「風池」「完骨」「心兪」「肝兪」「腎兪」に置鍼+円皮鍼。「脊中」「命門」に温灸。
2回目~6回目(1週間に1回ペース)。
婦人科では「排卵誘発剤を使っての人工授精」を行っている。
春から不妊治療の保険適応が始まるので、そこまでは人工授精を行うことにした。
施術は、1回目とおおむね同じ内容。
7回目(4ヶ月後)。
4カ月の間、婦人科で不妊治療(人工授精)を受けたが授からず、保険が始まりステップアップして体外受精をすることにしたので鍼灸も再開。
初回の採卵を終え、1個胚盤胞の凍結卵ができ、次の周期で移植をしたいと思っているという段階。
また、病院での検査で男性不妊があることが分かった。
体調に大きな変化はなかったので、施術はおおむね1回目同様で行う。
8~24回目(1週間に1回ペース)。
1回目の胚移植(鍼灸13回目頃)はうまくいかず、2回目の採卵とその凍結胚移植(鍼灸24回目頃)で無事に妊娠する。
頭痛が時折出るのでその時は頭痛に対応したツボを使いつつ、以下のような内容で施術を積み重ねる。
「中脘」「関元」に温灸。「下腹部の反応点」にお灸。「合谷」「陰陵泉」「三陰交(お灸の時もある)」「太衝」「太谿」に置鍼。「肝兪」「脾兪」「腎兪」「次髎」に浅く置鍼。「脊中」「命門」に温灸。
妊娠希望が叶い、つわりも出てきて静養したいとのことで、これで鍼灸も終了とする。
まとめ
鍼灸開始から9ヶ月ほどで妊娠にいたったケース(途中4ヶ月間の中断あり)。
頭痛が頻発する方で鎮痛薬を常用している(月10日くらい)のが気がかりだった。
鍼灸で少しは回数を減らせたかもしれないが、ハッキリとした軽快には至らなかった。
逆に言えば、頭痛以外の不調はない方だったので、脾腎の虚を補い、気血を巡らせる施術をメインにして行った。
4ヶ月のお休みを経て、週1ペースで鍼灸を再開して4ヶ月目の妊娠。
やはり「体質改善には3ヶ月くらいかかる」ことの典型例のひとつかと思えるケースだった。