約4ヶ月で2回妊娠に至った鍼灸症例

30代、約4ヶ月で2回の妊娠の症例

2回妊娠に至った鍼灸症例

患者さま

30代 女性

初来院

2021年3月17日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

1年半前から妊活開始。
自分たちでタイミングを取ることを続けるも授からず。
8ヶ月ほどたって婦人科病院を受診し、夫婦2人とも検査は「問題なし」のため「タイミング療法のみ」を勧められ6回ほど継続。
結果はうまくいかず、人工授精にステップアップ。
その時点で初めて精子の運動率低下などの男性不妊を指摘される。
「排卵誘発剤を飲み、人工授精をし、ホルモン補充をする」方法で治療し始めた時点(1回目終了)で、他にもできることをしたいと鍼灸を希望されて来院。

その他の症状。
頻尿と尿漏れ。
疲労感。
肩コリ腰痛。

治療方針

気血の虚が強めにあるので、臓腑で言うと「肝」「脾」「腎」の虚を補うようにする。
同時に気血の巡りが悪い体質でもあるため、巡りを促進するツボ・リラックスできるようなツボも使用する。

治療と経過

1回目。
「中脘」「関元」に温灸。「曲池」「陰陵泉」「足三里」「太谿」に置鍼。「三陰交」にせんねん灸。足先にホットパック。「肩こりの局所」に単刺。「風池」「心兪」「肝兪」「腎兪」「次髎」に置鍼。「神道」「命門」に温灸。

2回目~8回目(1週間~2週間に1回ペース)。
内容はおおむね1回目同様。
疲れ感を訴えることが多いのでお灸を多めに使う。
鍼灸を開始して生理周期が3回目の時に、生理周期が遅れたので自分で妊娠検査薬を使ったところ陽性反応。
ただし、これはその後、病院で確定診断が出る前に出血して流産(化学流産)となる。

9回目~18回目(1週間に1回ペース)
婦人科で「化学流産後の経過は良い」とのことで、次の周期より再び人工授精を開始することにする。
次の生理が来るまでの間も、週1ペースで施術を継続。
施術内容はおおむね1回目同様。

鍼灸12回目の頃から生理周期が新たになったので、人工授精をする周期になる。
そのまま週1ペースで鍼灸施術は続け、化学流産後1回目の人工授精をしたその生理周期が延長し、妊娠。
病院でも妊娠が確認できる。

鍼灸は妊娠目的だったため、いったんこれで鍼灸施術は終了とする。

同時に治療した症状

・頻尿
・肩こり腰痛
・疲れ

まとめ

鍼灸開始から4ヶ月ほどで、2回の陽性反応にいたったケース。
人工授精にステップアップした時期とも一致しているので、排卵誘発剤やホルモン補充なども含めた西洋医学的な成果かもしれない。
しかし、自分たちでの妊活開始からは1年以上妊娠しなかったことを考えると、鍼灸も何かしらの良い影響を与えることができたと考えたい。

尿漏れもある頻尿は、東洋医学的には脾と腎の働きの低下が考えられる。
婦人科系(生殖機能)の働きにも脾と腎は重要だ。
少なくとも「気血の虚」であるので、鍼灸でエネルギーを補う治療をしっかり行った。

鍼灸開始して妊娠するまで3ヶ月ほどというのも、当院がよく言う「体質改善の一番短いスパンは3ヶ月間」という期間にも当たっており、体調(体質)の改善が妊娠につながったと考える(妊活がメインだったため、尿漏れ自体の変化は聞きそびれた)。