妊活(不妊治療)に子宝占いを使いたいならこう使え
不妊の悩みと子宝占い
妊活(不妊治療)は、多くの女性にとって心身ともに大きな負担となる道のりです。
毎月生理が来るたびに感じる落胆、将来への不安、病院での治療に伴う身体的な痛みや副作用など、その悩みは深く、精神的にも不安定になりがちです。
このような状況の中で、「占い」に心の支えを求める方がいるのも無理はありません。
占いにハマった不妊で悩む30代女性
当院にも、かつて占いに活路を見出そうとした患者様がいらっしゃいました。
当初、施術中に占いのお話が出ることはありませんでしたが、何度か施術を重ねるうちに無事ご妊娠され、その後も経過観察のためしばらく通院されていました。
ある日、その方からお手紙をいただき、その中で「妊活の悩みが辛くて占いにハマってしまった時期があった」という告白がありました。
「でも、なかなか妊娠に至らず、藁にもすがる思いで鍼灸を試してみたところ、子供を授かることができた。もっと早く鍼灸を受けていれば良かった」と綴られていました。
占いに関心のない方からすれば、「当然の結果だ」と一笑に付されるかもしれません。
しかし、現代社会において占いが広く浸透している背景には、人々の心の隙間を埋める何かがあるはずです。
私自身、占いを否定する立場ではありません。
そこで今回は、東洋医学の視点も交えながら、「占いをどのように活用すれば良いのか」について考えてみたいと思います。
ちなみに、私自身も鍼灸学校時代に東洋思想の基礎となる気学と易経を少しかじった経験があります。
以下は、そんなあくまで占い素人の私個人の意見です(^^;)
東洋思想の根幹:五術とは
中国では古来より、人の運命や物事を多角的に捉えるための「五術(ごじゅつ)」という考え方があります。
これは「命(めい)・卜(ぼく)・相(そう)・医(い)・山(さん)」の五つの分野から成り立ち、それぞれが密接に関連し合っていると考えられています。
命(めい):
生年月日や出生時間などから、その人の生涯の運命や宿命を推し量る占術(占星術、四柱推命など)です。
卜(ぼく):
現在の状況から近い将来の運勢や吉凶を判断する占術(易占い、タロット占いなど)です。
相(そう):
人相、手相、家相など、目に見える形や状態から過去から現在までの状況や運勢を判断する占術です。
これら三つは一般的に「占い」として認識されている分野です。
しかし、五術では占いに加えて、「山(さん)」と「医(い)」という分野も重要視しています。
山(さん):
心身の鍛錬や修養、健康法などを指します。
具体的には、気功、瞑想、ヨガ、薬膳などが含まれます。心身を健康な状態に保つための知恵です。
医(い):
医療、特に東洋医学における鍼灸や漢方薬を指します。
心身に生じた不調を治療し、健康を回復させるための知恵です。
私が鍼灸学校で易経を学んだのは、創立者がこの五術を重視し、「東洋医学(鍼灸)を学ぶならば、他の四術の考え方も理解することが重要である」と考えていたからです。
東洋医学から見る心身の繋がり
東洋医学では、心と体は一体不可分なものと考えます。
心が不安定になると体の不調につながり、体の不調が心を蝕むこともあります。
妊活における悩みやストレスは、自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れを引き起こし、妊娠しにくい体質につながる可能性も否定できません。
占いをどのように捉えるべきか
私の基本的なスタンスは、「占いを妄信することなく、全否定もしない」というものです。
これは、占いと上手く付き合うための最良の方法だと考えています。
例えば、「命」の占いで「あなたの宿命はこうです」と言われたとしても、それは大まかな傾向を示すものであり、具体的な出来事を正確に言い当てることはまず不可能でしょう。
とくに、「結婚できるかどうか?」といった明確な答えを求める質問に対して、占いだけで断言することは難しいでしょう。
「努力すれば可能性はある」といった曖昧な表現にとどまることが多く、結局は「心の持ちよう」に帰結することがほとんどです。
しかし、占いを心の支えや前向きな気持ちを引き出すきっかけとして活用するのは良い方法です。
「将来どうなるかは分からないけれど、自分の内面を磨き、より良い自分になれるように努力しよう」と考えることで、前向きな気持ちを保ちやすくなります。
五術の組み合わせが示すもの
五術の組み合わせは、占いの活用方法について重要な示唆を与えてくれます。
例えば、「命」の占いで「病弱という運命を背負っている」と示されたとします。
しかし、「山」の分野で心身を鍛え、健康に気を遣うことで、病気になるリスクを減らすことができるでしょう。
万が一病気になったとしても、「医」の力(適切な医療)を借りれば回復を早めることができます。
また、「卜」や「相」を活用して、現状の自分にとってより良い選択をすることで、心身への負担を軽減し、失敗する確率を下げることができるでしょう。
つまり、占いだけに頼って健康に気を配らなければ、病気になってしまう可能性は高まります。
また、病んでいる状態でいくら占いをしても、病気が治るわけではありません。
まずは適切な治療を受けることが大切です。
しかし、どんなに健康に気を遣っていても、日々悩みや不安を抱えている状態では、心身のバランスを保つことは難しいでしょう。
そのような時に、道しるべとして占いを参考にすることは、方向性を定める上で役立ち、決断を後押ししてくれる力となるでしょう。
妊活に占いを取り入れるなら
以上の点を踏まえ、妊活においては「できることを総合的に行う」ことが大切です。
病院での治療、鍼灸、セルフケアなど、体作りのための努力は欠かせません。
しかし、それだけでは心の不安や迷いが解消されないのであれば、占いを活用することも一つの方法です。
占いを活用する際には、漠然とした長期的な質問(「子供ができますか?」など)は避け、より具体的で短期的な質問を占うようにしましょう。
例えば、「今月体外受精の採卵を行うか、来月に延期するか?」といった具体的な選択肢に対するアドバイスを求めるのは有効です。
ただし、占いによって何らかの方向性が示されたとしても、それを鵜呑みにしてはいけません。
あくまで参考として捉え、最終的にはご自身の意思で決断することが重要です。
当院の鍼灸施術:東洋医学に基づいた心身のトータルケア
当院では、東洋医学に基づき、お一人おひとりの体質や状態に合わせた丁寧な施術を行っています。
脈診、舌診、腹診など東洋医学独特の診察方法で体の状態を把握し、全身のツボ(経穴)を使って心身のバランスを整えていきます。
鍼はほとんど痛みを感じないものを使用し、お灸も心地よい温かさでリラックス効果を高めるものを使用していますので、鍼灸が初めての方でも安心して受けていただけます。
とくに、当院は不妊治療や婦人科系疾患、自律神経失調症、冷えやストレスの治療に力を入れており、30代から40代の女性の患者様が多くいらっしゃいます。
時間をかけて丁寧にお話をお伺いし、分かりやすく説明することを心掛けておりますので、どんな些細なことでもお気軽にご質問ください。
最後に。
妊活は、心と体のバランスが非常に重要です。
病院での治療、鍼灸、セルフケアといった体のケアはもちろんのこと、心のケアも大切にしてください。
もし、心の支えとして占いを利用するのであれば、その特性を理解した上で、上手に活用することをお勧めします。
当院では、皆様の心と体の健康をサポートするために、全力で施術に取り組んでおります。
妊活でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。