不妊で悩む人の食事はココに気をつけろ!

不妊治療中の食事で気をつけること

不妊と食事
不妊でお悩みの方には日常生活を気にする人も多いでしょう。
運動・睡眠・冷え対策などもそうですが、やはり食事の問題も大いに気になるところでしょう。

○○は妊娠したいなら取ったほうが良いのか?
□□は体に悪いからやめたほうがいいのか?
・・・などと大いに悩まれることでしょう。

そこで今回は、当院でお勧めする「食事に関する大原則」をお伝えします。

大原則は2つだけ

「妊活のお茶は必須だ」とか「カフェインは敵だ」とか、単品に関しての良し悪しが語られることも少なくないですが、こういったことは本来枝葉です。

もっと重要なことがあります。
その土台さえしっかりしていれば、枝葉は(言い方は雑ですが)どうとでもなります。

その原則は・・・、

●何を食べるか?
●どう食べるか?

この2つだけです。
ココさえ押さえていれば、間違うことはありません。

以下、詳しく解説します。

何を食べるか?

ここで言いたいのは、葉酸を取ったほうが良いとか、ビタミンDを取ったほうが良いとか、そういう「何を」ではありません。

もっと食事全般の基本です。
この基本は3つあります。

1-旬のものを食べる
春には春の、夏には夏の食材を食べましょう。
もちろん通年の食材は使うのですが、なるべく多く旬の食材を取って欲しいです。

野菜と果物で例を挙げると以下のような感じです。

■春■
・タケノコ
・キャベツ
・アスパラガス
・ソラマメ
・サヤエンドウ
・菜花
・ビワ
・サクランボ

■夏■
・ナス
・トマト
・キュウリ
・オクラ
・レタス
・ゴーヤ
・メロン
・スイカ
・あんず
・すもも
・ぶどう

■秋■
・シイタケ
・ジャガイモ
・かぼちゃ
・ニンジン
・里芋
・いちじく
・梨
・くり
・かき
・リンゴ

■冬■
・白菜
・大根
・タマネギ
・ほうれん草
・小松菜
・かぶ
・イチゴ
・みかん

2-コールドではなくホットを選ぶ
冷たい飲食より温かい飲食を選びましょう。
現代は「冷え」が大きな問題になっています。
やはり冷たい飲食は胃腸を冷やしますので、出来るだけ控えめに。
もちろん夏場にサラダや冷や奴などの冷たいメニューはおいしいですよね。
時期に合った美味しいって大事。
この辺はあまり神経質にならないで欲しいですが、基本的な方向性としてはホットを選択して欲しいです。

3-色々な食材を幅広く
自分が思わず手に取る食材ってありますよね。
逆に言えば、あまり手に取らない食材もあるはずです。
「高いものを選べ」とか「嫌いなものも選べ」と言いたいわけなく、我々は無意識的に決まりきった食材に偏りがちですので、あえて意識的にいろいろな食材にチャレンジして欲しいということです。

魚介でも野菜でも普段あまり手に取らない種類を選んでみると意外に新しい発見もあるかもしれません。
また、結果的に食材のレパートリーが広がり健康に寄与します。

どう食べるか?

これは油は控えめに、のような調理方法や、炭水化物の前に野菜を食べるとかの食べ順のような話ではありません。

ここでも基本は3つです。

1-時間を気にする
これはたとえば、食事の時間が遅いなどが挙げられます。
どんなに良い食材を使っていても、夜遅く食べてすぐ寝るような生活では食材の良さが活かされません。

次に挙げる「しっかり空腹になる」ためにも、時間を意識して食べて欲しいです。

これは生活リズムと関係しています。
毎日の生活が不規則だと食事時間も不規則になります。
ある程度の規則正しい生活をすることで、食事の時間も安定的なものになります。
規則正しい生活リズムは仕事柄難しい、などもあると思いますが、夜の食事を減らしたり抜いたりするなど工夫をしてみて欲しいです。

2-空腹を感じたら食べる
規則正しい生活が大事と書きましたが、毎日同じ時間に食べ「なければならない」わけではありません。

これは逆です。
お腹がすいたら食べて欲しい、です。
「お昼12時だからお腹がすいていなくとも昼食」というような時計で食べる食べ方は控えましょう。

空腹感こそが、胃腸が仕事をする準備ができた合図です。

もちろん、仕事でどうしても今食べないといけないなどがあると思います。
空腹にならないようなら、必ず量を減らしてください。

この観点からも、間食は「控えた方が良い」ことが分かるかと思います。
とくにお腹がすかないけど何となくデザートを毎日とっている、とかはかなりマズいです。
これも習慣ですので、新しい習慣(間食がない習慣)を頑張って作ってみて下さい。

3-楽しんで食べる
「妊娠しやすい食材選び」や「1口100回噛む!」や「カフェインは悪!」など、ガチガチにこだわり抜いて食べても美味しくないですよね。
(※美味しければ大丈夫です(笑))
絶対に楽しい気持ちで食べて欲しいです。
これはさほど説明は必要としないと思います。

胃腸を意識して食べる

以上「2つの大原則」だけで十分伝わればいいのですが、もう少し別の視点で補足説明します。
キーワードは「胃腸を大事にしてほしい」です。

胃腸を大事にするスタンスで食事を考えることが重要です。
なぜなら、食べた物は胃腸の働きによってエネルギーになり(消化吸収されるということ)、そのエネルギーが婦人科系の働きも養っています。
ですので、どんなに良い食材や調理方法で作った料理も、うまく消化吸収されれていないなら無意味になってしまいます。
胃腸づくりこそが健康の最重要テーマでもありますので、食事もそのベクトルで考えましょう。

元気な胃腸づくりの基本を書きます。
・空腹を感じさせてあげると、胃腸がしっかり働けます。
・腹八分でやめると、胃腸が過労に陥らず済みます。
・温かい飲食をとると、胃腸が元気でいられます(冷たい飲食は胃腸を弱らせます)。

美味しいを意識して食べる

もうひとつの補足説明のキーワードは「美味しいを大事にしてほしい」です。

情報社会ですので、妊活情報や健康情報に振り回されて食事もついつい悩んでしまいがちです。
でも本来、食べる行為は嬉しいこと・楽しいこと・幸せなことです。

美味しいを意識して食べましょう。
美味しく幸せに食べるなら、逆に(自律神経系が良い状態なので)胃腸も元気に動くので、食べてモノが上手く栄養になりやすいです。
食材や調理方法にこだわるよりも、美味しく食べる効能の方がよほど重要と言えます。

スイーツ・コーヒー・ジャンクフード。
これらは食養生の世界では「ワルモノ」です。
でも嗜む程度であれば、これらの食材は幸せを運んでもくれます。
幸せになれる食事の一環として、食べても大丈夫です。
(※もちろん、常飲食してはいけません!)

まとめ

お子さんがなかなか授からない人たちにとって、食事も大いに悩むひとつでしょう。
でも、以上挙げた大原則に沿って食べていれば、細かいことは気にしないで大丈夫です。

お腹がすいて、美味しく楽しく、食べましょう!

すると、お通じも良い状態になるだろうし、睡眠にも良い影響があるだろうし、体の元気もわいてきます。
快食、快眠、快便。
こんな人の婦人科系が悪い状態のはずはありません(もしくは悪くなっていくことはありません)。
健康なカラダの方が、お子さんが来てくれやすい、というのが当院のスタンスです。

ぜひ、身体づくりの一環として食事を良いものにしてみて下さい。
(※そして、あまり神経質にならずに…(^^;))