不妊鍼灸コラム
【妊活】生理周期が短い人の生活改善
生理周期が24日より短い=頻発月経
生理周期(月経周期)は、通常25~38日と言われています。
生理周期が通常よりも短い24日以内の場合、「頻発月経」と呼ばれる月経不順の一つの可能性もあります。
原因は、女性ホルモンの乱れや卵巣機能の低下が考えられます。
たとえば、排卵後に分泌されるホルモン(黄体ホルモン)が不十分で、高温期(排卵から生理開始まで)が短くなる「黄体機能不全」があります。
黄体機能の働きが悪いと、妊娠しにくかったり、流産しやすくなったりもします。
生理周期が短くなる他の原因としては、卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群なども考えられますし、閉経期にもおきます。… 全文を読む
体外受精しない女性にも不妊鍼灸は価値あり
体外受精を受けない女性にも鍼灸は良い
妊活目的の患者さんが鍼灸を試そうと思った理由には、「知人が鍼灸を使って良かったから」というクチコミ的な理由の人もいれば、「何となく良さそう」という雰囲気的な理由から選択する人もいれば、「研究結果で有効性がある」という理由の人まで、多様です。
とくに「研究による証拠」に関しては、たしかにいくつか論文がでています。
(※妊娠に鍼灸が有効であったという論文が少なくないですが、中には無効であったという論文もあります。)
その多くの論文は「体外受精を受ける人に鍼灸が効くかどうか」で語られることが少なくありません。
たしかに、現代医学的な生殖医療の主役は「体外受精」ですし、結果を測定しやすいという意味でも、体外受精が使われるのは妥当でしょう。… 全文を読む
【当帰芍薬散】不妊治療のその漢方薬はあなたに合っている?【桂枝茯苓丸】
不妊治療でよく出る漢方薬
不妊治療では、鍼灸の他に東洋医学のもうひとつの柱である「漢方薬」もよく使われます。
鍼灸とは異なり、保険がきくので不妊の病院で処方されるケースもあります。
よく使われる漢方薬は「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」あたりです。
他にも「温経湯」だったりと違った漢方薬が出たという人もいるでしょうが、ここでは上記3つを代表例として挙げておきます。
鍼灸師は漢方薬の専門家ではありませんが、同じ東洋医学の土台を共有しています。
その目線で、それら漢方薬はこういう人に向いています、というハナシを書いていきます。… 全文を読む
流産を防ぐツボ(経穴)
流産しやすい人へのツボ
流産や不育に体質改善というアプローチがある、という話を書きました。
『習慣性流産と鍼灸』
その話の続きとして、実際の鍼灸治療ではどのようなことを重視して治療をするかを書きます。
まず振り返りですが、東洋医学的な体質改善により流産を防ぐ方法が古来より伝えられています。
その体質改善とは『冷えの改善』、『血流促進』、『ホルモンバランスを整える』という3つのポイントでした。
当院の鍼灸治療は『全身治療』と言いまして、身体中にあるツボの中から、その人の体質を改善する効果の高いツボをセレクトして鍼灸をする方法を取ります。
ですので、以下に書くような一般論的なツボを必ず選択するわけではありません(人による、ということです)が、比較的効果が出やすいツボをご紹介します。… 全文を読む
バセドウ病・橋本病と不妊
バセドウ病・橋本病
「甲状腺」は喉仏の部分にありホルモンを出しています。
「甲状腺ホルモン」です。
甲状腺ホルモンとは、成長や神経発達、エネルギー産生、糖タンパク・脂質代謝、循環器などへ作用し、生命を維持するのに欠かせないホルモンのことです。
生命活動全般に影響を及ぼすホルモンである、というのがポイントだと思います。
このホルモンが多く出過ぎてしまう病気が「バセドウ病」で、減ってしまう病気が「橋本病」と呼ばれます。
甲状腺異常の原因は、遺伝的なものとストレスなどの環境要因が関係して、甲状腺に悪影響を与えるからと考えられています(自己免疫疾患が考えられています)。
バセドウ病の症状
… 全文を読む不妊女性のメンタルに鍼治療
不妊女性の精神的ストレスに鍼治療が効く
仕事と治療の両立、薬の副作用、先の見えない不安など、不妊治療をしている女性は肉体的にも精神的にも強いストレスを受けています。
不妊治療を継続するうえでも、心身の状態を整えるケアが求められています。
そのひとつとして鍼灸治療があります。
鍼灸は、コリや痛みの緩和、抑うつの改善、妊娠率の向上のために用いられています。
鍼灸は不妊女性の精神的ストレスを緩和させるかを調べた論文を紹介します。
『不妊女性の精神的ストレスに対する鍼治療の有用性』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/20/3/20_KJ00010256793/_article/-char/ja… 全文を読む
鍼により体外受精の成功率2倍(英国の報告)
鍼で体外受精の成功率2倍
イギリスの『テレグラフ』、『デイリーメール』、『タイムズ』の各紙が、鍼治療によってIVF(体外受精)の成功率を向上させることを英国の研究チームが明らかにした、と報じました。
『テレグラフ』http://urx.blue/yddN
『デイリーメール』http://urx.blue/yde5
『タイムズ』http://urx.blue/ydef
【内容】
ロンドンのホマートン大学病院のグループによる研究です。
127組の体外受精(IVF治療)を受け始めたカップルを対象に、「鍼治療ありの群」と「鍼治療なしの群」に分けて経過を比較した。… 全文を読む
精子では運動率・奇形率・濃度よりも○○が大事
精子のデータで重要なのは?
赤ちゃんを望む夫婦がなかなか授からずに悩み、奥さまのみが不妊治療を続けることも少なくありません。
そして数年後、夫の精子に異常があったことが検査によりようやく分かるというケースもあります。
最近ではこういった「男性不妊」の認知も進んできた印象ですが、やはり結婚から数年経過していたり、年齢では35歳を超えた男性が検査を受けることが多いといいます。
妊娠・出産は夫婦の共同作業です。
お子さんを望まれたら、まずは男性もきちんと病院で検査を受けることをおススメします。
今回は、精液検査の項目中で重要な要素が分かった、という研究結果について書きます。… 全文を読む
勃起不全(ED)とバイアグラと鍼灸
勃起不全(ED)とバイアグラ
勃起不全(ED)とは、「陰茎が勃起しないもしくは維持できないため満足に性交の行えないこと」です。
日本性機能学会では「通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態」とされています。
「バイアグラ」ができてからは積極的に治療できるようになりつつあります。
正常な性行為を行えないことから広義の「男性不妊症」とみられますが、人工授精などで治療可能です。
EDの治療薬の代名詞「バイアグラ」ですが、全身の血管拡張作用があります。
服用後30~40分後くらいで効果とともに、顔のほてりや目の充血がほ9割以上の方にでます。
お酒を飲んだ時のような「顔のほてり」「目の充血」の他に、「頭痛」「動悸」「鼻づまり」や「光過敏」などもあります。… 全文を読む
勃起するチカラを向上させる
仙骨部への鍼通電刺激が勃起機能を向上させる
勃起障害に対して仙骨部にある「中髎穴(BL33)」への鍼治療が有効であると言われているが、どうしてなのかは分かっていませんでした。
伝統的な東洋医学(鍼灸)では、仙骨辺りのツボには「生殖器系に効かすことができる」と言われています。
これは男女関係なく、女性の婦人科系の不調にも仙骨辺りのツボは必須です。
今回、麻酔下のラットの陰茎海綿体内圧を指標に、中髎穴への鍼通電刺激が勃起機能にどのように作用するのかの研究を紹介します。
『仙骨部への鍼通電刺激が麻酔下ラットの勃起機能に及ぼす影響』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/66/1/66_14/_article/-char/ja
【要約】… 全文を読む
男性不妊症~あなたの精子の増やし方
あなたの精子の増やし方
会社でのストレス・過労、家での家事など、現代は女性だけでなく男性も忙しくストレスフルな日々です。
また晩婚化も進み、以前よりも年齢が進んだ段階で結婚し、子供を望む人も増えてきました。
女性は生理(月経)というカタチで生殖器系のコンディションを知ることができますが、男性はそれが分かりません。
分からないから問題ないと思われがちですが、加齢や生活習慣からくる精子の劣化は少なからずある、と言うのが最近の研究結果です。
男性側に不妊の原因があるケースは、もはや珍しいことではありません。
「不妊」の原因は48パーセント男性にもあると言われています。
そう、半分です。… 全文を読む
男性不妊と精力減退の3タイプとは?
男性不妊と精力減退の3タイプ
男性不妊症に対しては、西洋医学的治療では有効な治療は確立されていなません。
その一方、東洋医学では男性不妊の源である「精(せい)」を補うツボや漢方薬など、男性不妊症に対して経験的にも有効な方法を持っています。
WHOの調査から不妊症の原因を男女別で見てゆくと「男性のみに原因」は約25%、「女性のみに原因」は約40%、「男女両方に原因」は約25%、そして残り10%は原因不明という内訳になっています。
このデータから男性が関係している不妊症は半数の約50%にのぼることがわかります。
つまり不妊は「女性だけの問題」として取り組むのではなく、「男性も問題」もしくは「夫婦が協力して解決すべき問題」といえるかと思います。
男性不妊の中でも、精力減退があります。
性生活の回数が非常に少ない夫婦が少なくありません。この大きな原因になっているのが精力減退です。… 全文を読む
妊活目的なのに便通が大事なワケ
妊活目的の人にお通じの話を聞く理由
妊活に限らずどのようなお悩みに対しても、鍼灸の「考えの土台は共通」です。
共通した土台とは、「体全体からみていく施術」もしくは「体質をみていく施術」です。
少なくとも、当院ではこのように「おつらいところだけを確認するのではなく、それも含んだ体全体から体を見ていくことが、実は改善の近道のなのだ」と考えています。
全身をみていく、とはどのようなことでしょう。
まずは全身の状態を知らなければいけない、と考えます。
それが、問診と体のチェックです。
お体についてお話をうかがうことと、お体をチェックすることの両面から全身状態みていきます。… 全文を読む
病院で原因がないと言われた不妊
カラダは元気ですが妊娠しません、鍼灸した方が良いですか?
病院でも原因不明(=不妊の原因がみつからない)と言われ、日常生活でも元気だと感じている人からの質問でした。
ただただ、妊娠しない、のが悩みだと。
病院では不妊の原因は不明と言われた
不妊については、他の方たちでも病院では原因がはっきりしないケースは少なくありません。
ですので、その点に関しては鍼灸するのは何ら悪い事ではありません。
鍼灸では、とくに気血水のめぐりが健康を決めると考えます。
体質的に血流が悪いとか、生殖器系のエネルギーが弱いとか、イライラしやすいことが体の円滑な活動を妨げているとか、そういうものが体質です。… 全文を読む