生理周期が40日以上への鍼灸治療
生理周期が40日以上の稀発月経と東洋医学でのアプローチ
生理周期が40日以上ある、または最近周期が長くなってきた…。
「もしかして、何か異常があるのかな?」と不安に思っていませんか?
生理周期は女性の健康状態を映す鏡です。
周期の乱れは、身体からの大切なサインです。
今回は、生理周期が通常よりも長い「稀発月経」について、その原因や東洋医学的な考え方、そして当鍼灸院でのアプローチを解説いたします。
生理周期の正常範囲と稀発月経
生理周期(月経周期)とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数のことを指します。
一般的には25~38日が正常範囲とされており、この範囲内であれば多少のずれがあっても問題ありません。
しかし、生理周期が40日以上と通常よりも長く、不規則な状態が続く場合は「稀発月経」と呼ばれる月経不順の可能性があります。
稀発月経は、排卵が正常に行われていない、または排卵までに時間がかかっている状態を示していることが多いです。
稀発月経の原因
稀発月経の原因は多岐に渡りますが、主な原因として以下のものが考えられます。
ホルモンバランスの乱れ:
卵巣の機能低下や、視床下部・下垂体といったホルモン分泌をコントロールする器官の機能異常により、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が乱れることで、排卵がスムーズに行われなくなります。
ストレス:
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスにも影響を与えます。
急激な体重の変化:
極端なダイエットや急激な体重増加は、ホルモンバランスを崩す要因となります。
生活習慣の乱れ:
不規則な生活、睡眠不足、偏った食生活などもホルモンバランスに影響を与えます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):
卵巣内で卵胞が多数発育するものの、排卵が起こりにくくなる疾患です。
甲状腺機能異常:
甲状腺ホルモンの分泌異常も生理周期に影響を与えることがあります。
稀発月経と妊娠の関係
生理周期が長くても排卵がきちんと行われていれば、妊娠は可能です。
しかし、稀発月経の場合、排卵が不規則であったり、無排卵周期であったりする可能性が高いため、妊娠を希望されている場合は注意が必要です。
排卵の有無は、基礎体温を測定することである程度把握することができます。
基礎体温は、起床後すぐに測る体温のことで、排卵後にはプロゲステロンの影響で体温が上昇する(高温期)ため、低温期と高温期の二相性を示す場合は排卵している可能性が高いと言えます。
しかし、基礎体温だけでは正確な排卵日を特定することは難しく、排卵検査薬や病院での検査(超音波検査やホルモン検査)を受けることをお勧めします。
東洋医学から見た稀発月経
東洋医学では、身体を「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」のバランスで捉え、これらのバランスが崩れることで様々な不調が現れると考えます。
稀発月経は、東洋医学では主に「腎虚(じんきょ)」や「血虚(けっきょ)」といった状態が関与していると考えます。
腎虚:
腎は成長・発育・生殖を司るとされ、腎のエネルギー不足は卵巣機能の低下に繋がると考えます。
腎虚のタイプは、冷え、腰痛、足腰のだるさ、頻尿、めまい、耳鳴りなどを伴うことが多いです。
血虚:
血は身体に栄養を運ぶ役割を持ち、血の不足は卵巣への栄養供給不足に繋がり、卵胞の発育や排卵に影響を与えます。
血虚のタイプは、顔色不良、めまい、立ちくらみ、動悸、不眠、爪や髪の乾燥などを伴うことが多いです。
これらの状態は、現代医学的に言うと、ホルモンバランスの乱れや卵巣機能の低下と関連付けられることが多いです。
当鍼灸院での稀発月経へのアプローチ
当鍼灸院では、患者様一人ひとりの体質や症状を丁寧に問診し、東洋医学的な診立てに基づいて鍼灸施術を行います。
丁寧な問診:
まずは時間をかけてじっくりとお話をお伺いします。
生理周期、経血の状態、体調の変化、生活習慣、ストレスなど、些細なことでもお聞かせください。
東洋医学的な検査:
脈診、舌診、腹診などを行い、身体の状態を把握します。
オーダーメイドの施術:
鍼灸施術では、全身のツボ(経穴)を使用し、気血の巡りを整え、身体全体のバランスを調整します。
とくに、腎の働きを高めるツボや、血を補うツボなどを中心に施術を行います。使用する鍼は極力痛みの少ないものを使用し、お灸も心地よい温かさで効果を感じていただけるよう配慮しております。
体質改善のアドバイス:
施術と併せて、日常生活での養生法(食事、睡眠、運動など)や、ご自宅でできるセルフケア(お灸、ツボ押しなど)についてもアドバイスさせていただきます。
生理周期のことでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
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