自律神経失調症(大量の唾液・吐き気・ダルさ)の鍼灸症例

自律神経失調症(大量の唾液・吐き気・ダルさ)

自律神経系症例1

患者さま

10代 女性

初来院

2016年10月15日

お悩みの症状

唾液が大量に出て吐き気・食欲不振、だるさが強い

初来院までの経過

3週間前から上記の症状が出る。
食べると気持ちと悪く食べられない。食べないのでだるい。
また唾液も大量に出て、のどに違和感があるので、余計にだるい。
症状が始まって1週間ほど経った時点で病院に行く。
血液検査・心電図・レントゲン・尿検査などをするも異常なし。
心療内科に回され、そこで抗うつ剤が処方される。
その後2週間ほどたつが症状に改善が見えないので、病院以外の治療を試してみようと当院に来院。
冷え症・疲れ感・不眠もある。

治療方針

脾虚+内湿が基本だろうと推測するも、お腹の硬さも目立つことから「肝」の気滞も強い。
肝胃のトラブルで治療することにする。
鍼灸に対して怖さもあるようなので、ソフトな治療を心がける。
3週間前から始まった症状なので、2週間程度の治療期間で変化が出るかどうかを見ていただくことにする。

治療と経過

1回目。
「不容」「内関」「太白」に浅く鍼(+円皮鍼)。「足三里」に台座灸。「心兪」~「脾兪」の反応穴に浅く鍼+お灸。
2回目(4日後)。
治療後、少しイイ感じとのこと。唾液が大量に出るのは変わらない。
1回目と同様の治療をする。
3回目(5日後)
2・3日は良かったが、2日前から悪化。理由としては不眠が考えられるとのこと。
腹部の散鍼をしてから季肋部に温灸。耳ツボ(神門・脾・胃・肝辺りにマグレイン)。「内関」「足三里」に台座灸。背中は1回目同様。
4回目(3日後)
少しは良いみたい。
3回目と同様の治療をする。
5回目(4日後)
症状は一進一退だが、最初の頃のつらさからすると半分程度には改善する日もあるとのこと。
3回目と同様の治療をする。

まとめ

最初にお伝えした「治療計画」である2週間治療をして、思ったようには改善しなかった例。
つらさの表現(唾液・ダルさ・不眠など)が激しいものの、なぜそうなったのかが患者自身もさっぱり分からないとのことで、問診からはあまり有益な情報が得られなかった。
脈・舌・お腹などから情報を得て治療を組み立てていったが、しっかりとした効果にはならなかった。
また10代半ばの女性でしかも肝うつのある患者さんであり、心を開いてもらえるようなコミュニケーションをこちらが取れなかったのも原因かもしれない。
あれこれと手は尽くしたが、正直「難しい」と感じた例だった。