唾液づわり(よだれつわり)の鍼灸症例

唾液つわりの鍼灸

唾液つわりの鍼灸症例

患者さま

30代 女性

初来院

2022年2月26日

お悩みの症状

唾液つわり(妊娠悪阻)

初来院までの経過

現在妊娠12週目。
自然妊娠で、妊娠が分かってから胃のムカムカが始まる。
妊娠7週頃、吐き気がつらくなる。
妊娠9週頃、つばと痰が増して吐き気も強まる。
唾液や痰は飲み込むと気持ち悪いので頻回に吐き出している。
現在(12週)に向け、吐き気は落ち着いてくるが唾液が多いのは残る。

一日中つらいので、寝ている時のみラク。
唾液を吐きだした瞬間は楽になるが、またすぐに溜まるのでキリがない。

今回は二人目の妊娠だが、一人目の時はつわりはあったが唾液づわりではなく、妊娠14週ほどで改善した。

そのほかの症状。
冷えのぼせ。
疲れ。
片頭痛と肩こり。

治療方針

元々素体として脾虚があり疲れやすさ(=体力のなさ)はある。
妊娠してのつわり(胃腸)症状はそこからと推測され、そこから「痰湿」が生じ悪さをしているとみる。
気血を補いながら、中焦の湿をとるようにしたい。

治療と経過

1回目。
「内関」「足三里」「三陰交」「太谿」に浅く置鍼。「内関」「太白」にお灸と円皮鍼追加。「中脘」「関元」に温灸。「心兪」「隔兪」「腎兪」に浅く置鍼。「脾兪」に温灸。

2回目(1週後)。
妊娠13週。
鍼灸治療後、少しダルさが出たが少しして軽快。
つわりは続いており、夜の方がつらい。
基本的には1回目同様の施術。
必要に応じて円皮鍼や点灸を随時追加。
背兪は「胃の6つ灸」にお灸。

3・4回目(1週間おきペース)
唾液つわりも少しずつ改善していく。
最初のツラさが10段階の10だとすると、3回目の時点で5、4回目の時点で2くらいに改善(0は全く症状がない状態)。
施術内容は1回目に準じる。

時間とともに軽快しているようなので、これで鍼灸も終了とする。

同時に治療した症状

・疲れ
・腰痛
・冷えのぼせ

まとめ

つわりの鍼灸を、3週間ほどかけて4回施術を行う。
最後は軽減となったが、時期的にもつわりが落ち着く時期でもあり、鍼灸の効果がどこまであったかは定かではない。

「唾液づわり」は「湿」の影響が大きい。
内臓の虚からくるのか湿邪が多いからなのかにあわせて施術をしていく。

つわりの鍼灸は、自然に軽快してもおかしくない時期に並行して行うことが多く、治っていくのが鍼灸の効果なのかは測りかねるところもある。
もちろん施術者は鍼灸が役立てていると信じているが…。
その場その場での何かできることはないかという希望や未来への不安には対処できると考える。

刺激量はあくまで過多にならないようにソフトに行いながら、要所要所でしっかり刺激を与える方法で行っているので、負担なく受けていただけている。