子宮筋腫の手術後に妊活鍼灸を始めた症例

子宮筋腫の手術後に妊活鍼灸を始めた症例

患者さま

30代 女性

初来院

2021年6月5日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

8年前に検診で「子宮筋腫」を指摘される。
その際は、半年に1回のチェックを受けることで様子を見ることに。
3年半前に妊活開始。
基礎体温を参考に自分たちでタイミングを取る。

妊活開始して半年ほどして下腹部痛がひどく病院に行くと「子宮筋腫の状態が悪くなっている」とのこと。
手術を勧められ、2年8ヶ月前に腹腔鏡手術をうける。
2年半前から妊活再開(自分たちでのタイミングをとる)。

2年前から漢方薬局にて漢方薬を始める。

3ヶ月前に近所の婦人科に検査のために行く。
夫婦2人とも問題なし。
「排卵誘発剤を使ってのタイミング療法」を勧められ現在も通院中。

生理痛は強いほうで、必ず鎮痛剤は飲む。

他にある症状。
腰痛。
目の疲れ。
肩こり。
冷えよりものぼせる。
疲れ感はあり。

治療方針

血の巡りが悪い「瘀血」と婦人科のエネルギー不足である「腎虚」もある。
腎を補うツボや、血の巡りを促進するためにも気の巡りを整えるツボ・リラックスできるようなツボも多めにする。

治療と経過

1回目。
「関元」辺りに温灸。「曲池」「足三里」「陰陵泉」「太谿」に置鍼。「三陰交」にせんねん灸。「風池」「心兪」「肝兪」「志室」「次髎」に置鍼。「神道」「命門」に温灸。

2回目~4回目(1週間に1回ペース)。
内容はおおむね1回目同様。
下腹部にお灸をするようにする。
鍼灸開始後の最初の生理が来るが、生理痛がラクとのこと。

5回目~13回目(1~2週間に1回ペース)。
治療内容は1回目に準じて継続。
次の生理痛もラクだった。
その次の周期は病院でタイミングを見てもらいに行くと「排卵済みでは!?」と言われタイミング指導はなく自分たちでタイミングを取る。
数日後に微量の出血が始まり、数日続く。
不正出血は珍しいので病院に行くも「ホルモンバランスの乱れだろう」とのことで、生理周期がかわったらまた来てと言われる。
その後「出血は止まったが生理がこない」とのことで、検査をしたら妊娠していることが分かる。

14~29回目(1~3週間に1回ペース)
妊娠6週目(妊娠が分かったころ)からつわりが始まり、17週くらいまで続く。
おもにつわり対策の施術を行う。
「中脘」「関元」に温灸。「内関」「足三里」「太谿」に置鍼。「三陰交」にお灸。「膈兪」「肝兪」「脾兪」「腎兪」に置鍼。「至陽」「命門」に温灸。

その後は、その時々の体調で気になることやマイナートラブルに対処。
足がつる・お腹が張る・片頭痛・貧血を指摘される・腰痛…など。

妊娠35週まで鍼灸施術を行い終了とする。

同時に治療した症状

・腰痛
・目の疲れ
・肩こり
・のぼせ
・疲れ

まとめ

鍼灸開始から3ヶ月ほどで妊娠にいたったケース。
排卵済みでタイミング指導ができなく、なおかつ不正出血もあった周期(病院でもホルモンバランスの乱れを指摘される)に妊娠されていたので、ご本人も当院も驚きの方が大きかった。
その後も、妊娠期間を通じて鍼灸に通っていただき、その時々のツラさに対応することで無事出産まで至った。
肉体的なケアとしての鍼灸を頼っていただけたとも思うが、同時に精神的な安心感としても活用いただけたようで、街の鍼灸院冥利に尽きるケースだった。