生理不順とPCOSがある方へ妊活鍼灸し妊娠に至った鍼灸症例

生理不順と多のう胞性卵巣症候群の方への鍼灸で妊娠

生理不順とPCOSのある方への鍼灸症例

患者さま

30代 女性

初来院

2021年10月9日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

元々、生理不順(周期40~90日)がある。
3年前に、6ヶ月間生理がこないことがあり病院に行く。
そこで多のう胞性卵巣症候群(PCOS)と指摘される。
治療としてピルと漢方薬を処方される。

8ヵ月前より妊活を始めるにあたり婦人科へ行く。
「ピルを3ヶ月飲んでから、排卵誘発剤を使ってのタイミング療法で始めよう」と言われる。
3ヶ月経ち、誘発剤を使ったタイミング療法を2ヶ月前と1ヶ月前に行うも妊娠せず。

次は不妊の専門病院へ転院しようと考えている。

そのほかの症状。
便秘。
疲労感少し。

治療方針

婦人科のエネルギー不足「腎虚」が目立つので、臓腑で言うと「腎」を中心に「肝」「脾」を補うようにする。
同時に気血の巡りが悪い体質でもあるため、巡りを促進するツボ・リラックスできるようなツボも多めにする。

治療と経過

1回目。
「中脘」「関元」に温灸。「肓兪」「曲池」「足三里」「太衝」「太谿」に置鍼。「三陰交」にせんねん灸。「風池」「心兪」「肝兪」「腎兪」「次髎」に置鍼。「神道」「命門」に温灸。

2回目(2週間後)。
便秘は改善傾向。
1回目の施術の1週間後に生理が来ている。
新しい婦人科クリニックに転院し検査開始。
施術は、1回目とおおむね同じ内容。
「脾兪」「腎兪」にお灸追加。

3~6回目(2週間に1回ペース)。
病院での検査結果は「PCOS」「AMH値低い」「ビタミンDを多くとるように」と指摘され、「排卵誘発剤で排卵を促しタイミング療法を次からやっていこう」と言われる。
施術はおおむね1回目同様で行う。

7回目(2週間後)。
「(生理不順があるので)生理周期が50日になっても生理がこなかったら病院を受診するよう」言われていた。
生理がこないまま、鍼灸6回目の翌日がその日に当たっていた。
しかし、自分で妊娠検査薬を使ったところ「陽性反応」が出た。
病院でも妊娠は確認できたが「まだはっきりはしない」とのことで、1週間後に病院に再度行く予定。
鍼灸7回目の日がその日で、施術後に病院に行くつもり。
「中脘」「関元」に温灸。「曲池」「足三里」「太谿」に浅く置鍼。「三陰交」にお灸。「肝兪」「脾兪」「腎兪」「次髎」に浅く置鍼。「脊中」「命門」に温灸。

妊娠希望だったため、いったんこれで鍼灸も終了とする。

まとめ

鍼灸開始から2ヶ月ほどで妊娠にいたったケース。
生理不順があり婦人科の病院で検査をし始めた周期でもあり、「この周期で妊娠するとは!」と驚いたケース。
病院での治療(排卵誘発やホルモン補充など)がなかった周期なので、鍼灸が体を整える一因になったとは考える。
その後の妊娠継続は不明だが、少なくとも自然妊娠できるチカラを実感いただけたと思う。