PMS(月経前症候群)と鍼灸
月経前症候群には鍼治療が重要
月経前症候群(PMS)とは、生理前3~10日間に起こる心身の症状で、生理が始まると軽快するものを言います。
PMSの原因ははっきりとはわかっていません。
生理周期の中での女性ホルモンの変動が関係していると考えられます。
症状としては以下のようなものがあります。
情緒不安定、イライラ、不安、眠気、のぼせ、倦怠感、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、など。
このような不快な症状に鍼灸がお役に立てるという研究をご紹介します。
『月経前症候群に対する鍼治療の重要性』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22905466
【概要】
月経前症候群(PMS)は複雑な症状群で、原因は完全には解明されていません。
PMSには感情的な症状と身体的症状が含まれる。
この研究は、PMSを有すると診断された11人の患者(23〜40歳の範囲)で実施された。
使用したツボは、曲骨Ren2、気海Ren6、中脘Ren12、合谷LI4、曲池LI11、内関P6、太衝Liv3、三陰交Sp6、足三里St36および百会Du20。
鍼治療は3回の月経に施行した。
結果。患者のツラさは完全消失または減少した。
最も顕著な変化は、コリ・胃痛・月経困難症の愁訴で観察された。
結論。月経前症候群を治療するための鍼治療は、有効な治療法と考えることができる。
当院の考察
月経前症候群(PMS)に鍼灸が有効である、という内容でした。
当院でも日常的に体験することと一致しています。
ただ、論文では「鍼はスゴイ効く!」ような書き方ですが、そこまで著効の人がたくさんいる訳ではありません。
以前より良くなった、という「症状軽減」が人数的には一番多い印象です。
(※念のため、もちろん無効の人もいらっしゃいます)
研究で使われたツボは、おおむね婦人科系に効きが良いと言われているツボです。
「健康増進させることで結果的にPMSも改善させる」ことを狙った配穴のような印象を受けます。
ツボのある場所としては、腕、足、腹です。
このように、婦人科系のお悩みにも全身からツボを選んでいく「全身的な施術」が効果的です。
(しかし、研究では背中のツボがなかったのは何故だろうか、背中にも婦人科に良いツボが多いが…?)
また、鍼灸がPMSに効果的とは言っても「1回ですっかり治る」というものではありません。
研究でも3ヶ月ほどの施術はしていました。
やはりある程度の継続的な施術が効果につながります。
当院ですと、まずは「週1回の施術を3ヶ月間」とお伝えすることが多いです。
月経前症候群でお悩みで、病院の治療だけでなく他にも何かしたいと思われる方には「鍼灸」をおススメします。
まずは試してみて欲しいです。
お待ちしています。
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