体外受精の鍼灸は海外でも研究されている

体外受精の鍼灸は海外でも研究されている

体外受精の鍼灸|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

海外でも鍼灸は研究が進んでいます。
※最近では論文発表数は(中国がぶっちぎり1位ですが)日本なんかより欧米が多いです。

不妊にまつわる鍼灸の活用も大きく取り上げられています。
今回は「不妊に鍼灸が効果的です」という内容ではなく「海外でも広く鍼灸が使われている実際」をお伝えしたく、以下のような研究を紹介します。

『体外受精における鍼治療の方法(スイス・ドイツ・オーストリアにおいて)』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23636030

【概要】
ARTの効果を高めるため鍼治療が頻繁に行われている。
しかしながら、それぞれの場所でどのような鍼治療が行われているのかは整理されていない。
この研究では、体外受精施設における鍼治療の方法を比較する。
スイス、ドイツ、オーストリアの体外受精施設から180の施設を選び、ARTにおける鍼治療のアンケートを実施した。
結果。
・回答のあった施設のうち鍼治療は38.4%が行っていた。
・鍼治療が行われている施設のうち、39.4%の施設はツボの選択は標準化(または半標準化)されていた。27.3%は患者ごとに東洋医学的な診断に基づいたツボを選択していた。
・身体のツボへの鍼を行うスタイルが84.8%。一部の施設では、耳介鍼治療(24.2%)と灸(21.2%)の追加使用が報告された。
・施術の提供者は主に医師(鍼灸師)84.8%であった。
・今までの体外受精の鍼灸に関する諸論文と比較して、今回のアンケート結果はツボの選び方・施術の方法・治療提供者の専門性において大きな違いがあった。
結論。
スイス、ドイツ、オーストリアでは、40%程度の体外受精施設で標準化された鍼治療を行っている事が分かった。
今後の研究においては、(標準化ではなく)患者ごとにツボを選択する治療スタイルが少なからずあることに考慮する必要があり、非鍼灸師による治療は研究に含まないようにすべきである。

当院の考察

体外受精の鍼灸

スイス・ドイツ・オーストリアでは不妊関連のクリニック(病院)の4割で鍼灸が実践されているとのこと。
「西洋は西洋、東洋は東洋」と東西医学が隔絶気味の日本とは大きく異なる状況がみえてきます。

東洋的な不思議な療法に注目、といった流行り廃りはあるのかもしれません(その辺は不明です)。
でも、やはりある程度の効果が出ていなければここまで広まることは無いのかなと推測します。
施術しているのは西洋医学の医師ですので、鍼灸に意義(西洋医学には足りない何かを持っている)を見出しているのでしょう。
日本でも、病院治療だけでなく身体作りのようなケアを受けたいと鍼灸を選ばれる患者さんが多いですが、まさに同じことだと感じられます。

当院では、治療方法は(研究向きではありませんが)「個別に患者さんに合わせたツボに施術する方法」が最適と考えます。
悩みは同じでもカラダは100人100様ですから、100人100通りの治療方法になるのが普通です。
ワンパターン治療(=標準化治療)は効果的とは言い難いです。

世界的に鍼灸が研究されることで、鍼灸が西洋医学的にも理解が深まるのは良いことだし、それでも解明しきれない謎が残るのも楽しいです(笑)
今後も世界の動きをウォッチしていきます(^^)/

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