パーキンソン病の振戦に鍼治療が効くワケ

パーキンソン病の振戦に鍼治療が効くワケ

パーキンソン病の鍼灸|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

パーキンソン病では様々な症状が出ますが「体の動きに関する症状(運動症状)」がそのうちの大きなひとつです。
・振戦・動作緩慢・姿勢の不安定性
・表情が乏しくなる・しゃべりにくさ・よだれが出やすい
・歩行時の足の引きずり・椅子から立ち上がりにくい
・字が小さくなる・眼瞼けいれん
…などがあります。

鍼灸はパーキンソン病の治療に使用できる有望な方法です。
今までも、その適応性・より少ない副作用のために、広く使用されてきました。
しかし、どうして鍼灸が震えに効くのかのメカニズムは未知のままでした。
今回はその仕組みを解明しようと試みた研究を紹介します。
※概要では(難しい話だったので)仕組みに関してはほとんど触れていません。
パーキンソン病の振戦に鍼が効果を出すことを知っていただきたく紹介します。

『鍼治療は、振戦を伴うパーキンソン病患者の脳の働きを調整し振戦を緩和させる』
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnagi.2018.00206/full

【概要】
震えを有するパーキンソン病患者に対する鍼治療の効果を調べる。
震えのある41人のパーキンソン病患者を、『真の鍼治療グループ』と『偽の鍼治療グループ』および『無施術グループ』にランダムに割り当てる。
鍼治療は12週間行われた。
同時にすべての患者にレボドパ(パーキンソン病治療薬)を12週間投与した。
結果としては、真の鍼治療グループではパーキンソン病患者の日常生活動作や振戦を改善させた。
偽の鍼治療グループや施術なしグループではさほど変化は見られなかった。
結論。脳の「小脳」「視床」および「運動皮質」が鍼刺激により調整され、パーキンソン病の振戦を緩和した。
また、「認知を司る脳領域」の神経活動の調節も鍼治療により行われ、これは運動の増強および患者の日常生活活動の改善に寄与した。

「施術方法」
鍼治療で使用されたツボは、百会DU20と風池GB20と振戦抑制目的の頭皮帯を選択した。
真の鍼施術グループには、それらのツボに2~3cm刺鍼し、30分の置鍼中に10分おきに刺激を強めるための手技を施した。
偽の鍼施術グループには、同様のツボの隣に0.2cm刺鍼し、手技は行わなかった。

当院の考察

パーキンソン病の鍼灸

パーキンソン病の日常での運動や振戦が鍼によって改善しうる、という結果でした。
その仕組みは、鍼により脳の中の複数の部分が刺激され、脳の働きの活性化によって運動機能や震えが改善されることが推測されました。

パーキンソン病の鍼灸治療は、以前から効果があることは実践的には分かっていたことですが、どういう仕組みで効くのかが分からない状況でした。
その部分を少しでも解明しようという論文で、脳機能の変化が鍼治療で促される結果起こっている事が確かめられました。
それはそれで重要なことです。
…が、市井の鍼灸院にとっては「改善する事実」が大事ですので「やはり効くのね」ということで十分です(笑)

論文で使用したツボは首から頭のツボに限定されていました。
効かせたいのが脳だから「頭のツボ」という発想か、局所+反射区的な意味でしょうか。
ただしやはりその人の体質を考慮して、全身のツボも活用していく方が良いと(当院流には)考えます。

また研究は12週間の施術を設定していました。
やはり「1回鍼してすぐに効く」というものではなく、数ヶ月の時間軸は大事になってきます。
当院でも、慢性の症状の場合は「変化が出るのに3ヶ月」はみて欲しいと言っています。
研究の設定時間軸とまったく同じですね。

さらに研究では、薬の治療も併用しています。
鍼灸だけ・薬だけとどちらかに絞るのではなく、このように西洋医学と東洋医学の両方を併用することが重要だとも考えます。

「病院での治療以外に他にも何かできることがないとか」と探していらっしゃる方がいれば、鍼灸をぜひ試してみて下さい。
お待ちしております。

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