機能性月経困難症と鍼灸

月経困難症と鍼灸|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

月経困難症とは

生理痛がひどくて起きていられず、学校や仕事に行けないなど日常生活に支障をきたすほどのつらさの場合を「月経困難症」といいます。
おもな症状は、生理中の下腹部痛、腰痛、背中の痛み、頭痛、吐き気などです。
便秘や下痢、寒気や発熱、貧血を伴うことや、憂うつなど様々な症状を感じる場合もあります。

生理痛に関して、痛みや不快感がある人は7~8割にものぼると言われています。
そのなかには子宮筋腫や子宮内膜症などの病気があって起こる「器質性月経困難症」と、はっきりした原因のない「機能性月経困難症」とに分けられます。
前者は30代以降の女性に多く、後者は年齢の若い女性に多いという特徴があります。

「月経困難症」には、「器質性」のようにつらさを引き起こす別の病気が原因の場合もあるので、生理痛などの症状がある人はまずは婦人科の病院に相談することをおすすめします。

また「機能性月経困難症」の痛みの原因はハッキリとは分からないと言え、子宮の強い収縮、骨盤内のうっ血、自律神経の乱れなどが挙げられています。
そのなかでも主たる原因と考えられているのが、子宮の収縮です。
月経になると、プロスタグランジンという物質が子宮内膜で作られます。
この物質が子宮の筋肉を強く収縮させることで、月経が起きます。
このときの収縮が過度だったり、収縮に対して過敏だったりすると、それが原因で痛みとして感じてしまうのです。
病院では、治療としてプロスタグランジンが作られるのを抑える「鎮痛剤(痛み止めの薬)」を対症的に使うことが多いです。
低用量ピルと呼ばれる薬剤を使う場合もあります。

機能性月経困難症と鍼灸

鍼灸は痛みに効果を発揮する施術です。
機能性月経困難症も、生理痛という「痛み」がメインであるため、鍼灸施術との相性は良いです。
効果のメカニズムとしては、簡単に書くと以下のようなメカニズムで、神経・血流・ホルモンを介して鎮痛効果を出します。
●鍼を刺したりお灸をすえたりした局所では鎮痛物質が盛んに放出される。
●脳に伝わった鍼灸の刺激が、脳内で鎮痛物質を出し、脳内での痛みの感知をやわらげる。
●脳から脊髄の方に鎮痛物質を出し、痛みが伝わるルート上で痛みを緩和させる。
●脳のホルモン中枢に働きかけ、過度なホルモン分泌があればそれを抑える。
●血流をよくすることで痛み物質を早期に除去する。

機能性月経困難症と鍼治療に関しては、以下の研究でも効果的だと考えられています。

機能性月経困難症の患者さんに「腰に鍼をする群」と「しない群」に分け、鍼をする群には生理周期1日目から3日目まで腰に鍼をしたところ、痛みの訴えの程度(VAS)が改善した、という報告が2011年に出ています。
『十七椎穴の機能性月経困難症に対する有効性評価』(『中医臨床』誌 2011年)
http://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/pdf/h85.pdf

もちろん、このような西洋医学的な知見だけに基づいて私どもは鍼灸をしているわけではありません。
歴史と経験から体系化された東洋医学という仕組みの中で、身体をみて、判断して、施術をしています。
ツボ(経穴)・経絡・臓腑・気血水などの考え方です。
それらを駆使して、どこに鍼をするか、お灸をするか、刺激量の程度はどのくらいかを決めています。
西洋医学的には未だ分かっていないような、人体のまだまだ未知の領域の能力を東洋医学は仕組化していると考えます。

東洋的・西洋的解釈にかかわらず鍼灸の良さを活用して、月経困難症の改善を目指します。
ひとりで悩まず、鍼灸も検討してみてください。

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