肩こりと円皮鍼

円皮鍼1

円皮鍼(えんぴしん)とは

●円皮鍼は個別包装で包まれています
円皮鍼2
●操作は簡単、はがして…
円皮鍼3
●ツボに貼るだけです
円皮鍼4

「鍼」は通常、鍼灸院の中だけで使って終わりますが、施術効果を持続させるために、貼ったままにできるタイプの鍼があります。
貼った状態で普段通りの生活を送れるように工夫された道具で、「円皮鍼」と呼ばれます。

「シール鍼」や「置き鍼」などと呼ばれることもあるようですが、当院では「貼っておく鍼(貼る鍼)」と呼んでいます。

鍼自体は極端に短く細いです(上記の写真参照)。
当院で使用している円皮鍼は0.3ミリ(~0.9ミリ)と短いもので、痛みを感じることはほぼありません。
また鍼がテープにしっかり固定されているので、勝手に鍼が身体の中に入っていってしまうこともありません。

ほぼ無感覚で日常生活を過ごせますし、実際に貼っていての日常生活上の注意事項などはほとんどありません。

肩こりに円皮鍼治療する研究

肩こりと円皮鍼

円皮鍼は、貼ることでツボが刺激され、鍼治療と同じような効果が期待できます。
ただし、ほとんど無感覚の刺激(=浅い刺激)で効果があるのか?と疑問に感じる方もいるかもしれません。

以下の研究で「肩こりに円皮鍼が有効」という結果が出ていますのでご紹介します。

『圧痛点に対する鍼刺激の肩こり症状の軽減効果の解析』(2002年)
http://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/pdf/h19.pdf

●参加者
肩こりがある53名。
●方法
コリの部分に円皮鍼を刺した群(28 名)。
コリの部分に鍼が出ていない同形状のニセ物を貼った群 (25 名)。
●主な結果
治療前と治療後で「円皮鍼をした群」は自覚的なコリが改善し、「ニセ円皮鍼をした群」は改善がなかった。
●結論
円皮鍼の留置は肩こりを改善させる。

また、同研究では『円皮鍼留置により副交感神経機能が高められる可能性』についても言及しています。

肩こりがラクになる仕組みとして、「円皮鍼を貼っておくことでツボ(コリの部分)はずっと弱い刺激を受け、そこから神経を通じて(筋肉の緊張をほぐす)副交感神経が活発になり、筋肉がゆるむ(=コリがほぐれる)のだ」と推察します。

この研究は「肩」でしたが、同じ理屈で色々なコリにも応用できることは経験上分かっています。
このように経験で分かっていることが、しっかり数字で表れているのは嬉しいことですね。
当院では、通常の鍼灸にプラスして円皮鍼も組み合わせて施術しております!