百会の円皮鍼とストレス緩和作用

百会の円皮鍼とストレス緩和作用

円皮鍼とストレス緩和|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

「ストレスは万病の元」と当院ではお伝えしています。
ストレスそのものが病気を生むとは言いませんが、過剰なストレスが慢性的にかかり続けるとき、ヒトは心身に不調をきたすと考えています。
鍼灸の作用のひとつには「リラックス作用」があります。

それは本当にあるのか?そしてどういう仕組みで起こるのか?
その辺に関しての研究がありますので紹介します。
ラットを使ったものですが、鍼治療がストレス緩和に効果を出していることと、ストレス反応の一部に「オレキシン」という脳内物質がかかわっているということが分かる研究です。

『円皮鍼はラット社会的孤立ストレスモデルにおけるオレキシンA分泌促進を抑制する』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/75/3/75_312/_article/-char/ja

【要約】
本研究では、ストレスをかけたラットを用い、ストレスに対する円皮鍼の効果を調べた。
「無治療群」「ニセ円皮鍼群(形状は円皮鍼だが鍼がない)」「円皮鍼群」の3群に分けた。
百会穴相当部への円皮鍼またはニセ円皮鍼(鍼がないタイプ)を貼付した。
結果、「ニセ円皮鍼群」に対し、「円皮鍼群」で有意にストレス行動が抑制された。
またストレスがかかると増える性質がある血漿コルチコステロン濃度も「円皮鍼群」では有意に減った。
同じくストレスで増える血漿オレキシンA濃度も、「円皮鍼群」ではその増加が有意に抑制された。
百会穴への円皮鍼治療は、ラットのストレス反応を抑制した。
ストレスによる交感神経系や内分泌系の興奮に視床下部オレキシン神経系が関与することが報告されている。
円皮鍼治療はオレキシン神経系を抑制することにより、ストレス反応を抑制したと考えられる。

当院の考察

円皮鍼とストレス緩和|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

ラットの研究を単純にヒトに敷衍させていいのか!?という疑問は常にありますが、同じことが言える可能性は示すことはできるかなと考えます。

実際に日頃から鍼灸施術をしていますと、施術後に表情が明るくなったり、コリや冷えが取れたりして気持ち良いと言っていただけることも少なくありません。
リラックス作用は本当によく体験するところです。
それがヒトならではの「気のせい」や「お世辞」なのではないかという疑念を、ラットが晴らしてくれています。

円皮鍼を百会に貼ることで、ストレス行動が減ったり、血中のストレス時に増える物質が減ったりするのは事実。
これは無治療群と比べてなので、鍼治療そのもののチカラと言えるでしょう。
施術後の患者さんが鍼灸院を出る時に見せていただける笑顔も、お世辞ではなく本当にカラダの変化から発した笑みなのです(^^)/

ちなみに「百会穴」の作用は、自律神経を整える作用が強くあります。
もう少し具体的に言えば、頭痛・頭重・不眠・目の疲れ・めまい・耳鳴りなどに良いです。

鍼灸の考え方では、鍼そのものの刺激を効果的なツボに当てる、つまり円皮鍼をどこに貼るかも重要だと考えます。
本来的にはその人の症状や状態(体質)に合わせたツボ選びが必要なので、体のお悩みがあれば鍼灸院を頼ってほしいです。