めまいに鍼灸が有効との研究
めまいとは
めまいは以下の4種類に分類できる。
【クルクル回るめまい】
クルクル回るような、回転しているかのような感覚。
激しい嘔気を感じることがあり、体のバランスを失って倒れることもある。
抹消神経系の問題であることが多く、大抵は耳の障害で生じる。
【フワフワするめまい】
フワフワするような、よろめくような、回る感じはないふらつき感。
回転性めまいの回復期や脳幹・小脳の異常、高血圧などで生じる。
【立ちくらみ】
血の気が引き、意識の遠くなる感覚。
実際に失神に至ることもある。
起立性低血圧の代表的な症状である。
【平衡機能の障害】
立ち上がったり起き上がったりした時に、身体が傾いてしまう感覚。
反射系と中枢系の連携障害、体平衡系の異常によって起こる。
以上のように、めまいの原因は耳や脳の病気などさまざまです。
このうちめまいの原因となる病気の60%以上は「良性発作性頭位めまい症」、「メニエール病」、「前庭神経炎」で占められるといわれています。
いずれも強いストレスや疲労、睡眠不足などからくる「自律神経のバランスの乱れ」がかかわっている考えられます。
めまいと鍼灸
めまいに鍼灸が効果を発揮するという研究をひとつ紹介します。
『めまいと鍼灸治療』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/35/2/35_2_117/_pdf/-char/en
【方法】
34症のめまい患者に鍼灸治療を行った。
検査は、他覚と自覚を行い、前者は眼振検査・平衡機能検査を、後者は主訴による回転感・浮動感・立ちくらみ等の出現頻度や軽重で重症度を判定した。
治療は、週1回の施術で10回を1クールとした。
治療方法を変えて3クール行った。
【成績】
1クール後に症状改善のあったもの(著効)が12例、
2クール後に症状改善のあったもの(有効)が12例、
3クール後に症状改善のあったもの(効果)が5例、
4クール以上施術を行ったもの(不変)が5例…であった。
【結果】
めまいに対し体鍼・耳鍼の併用・30回の施術で85%の症状改善がみられた。
当院の考察
めまいは日常生活に支障をきたす不快な症状です。
一日でも早く回復していただきたいと考えます。
そのために、まずはめまいの種類=原因を西洋医学的に見極めることが大事です。
※鍼灸院に来る患者さんは、すでに病院受診を終えていることが多いですが…。
そこで背後に大きな病気がないことが確認され、なおかつ投薬治療などの効きが悪い際に、鍼灸という「何か他にできること」を取り入れるのはとても有効です。
鍼灸とめまいはとても相性の良い組み合わせであることは、先ほどの研究からも明らかです。
実際に当院でも、めまいの方への鍼灸で「めまいの頻度や程度が軽くなる」ことはよく経験しております。
鍼灸がめまいに効くのは、鍼灸もめまいも「自律神経失調」に関係するからです。
めまいの大元は「自律神経系の乱れ」であり、鍼灸は「自律神経の乱れを整え」ます。
まさに原因と解決策、となります。
そのためには当然、めまい以外の体調(全身の体質)を知る必要があります。
冷えはないか、疲れはないか、睡眠は十分か、胃腸の調子はどうか…などなどを聞いていきます。
このような一見するとめまいと関係ないと思われる、でも体質を判断するうえでは非常に重要な問診などを経て、その人に相応しいツボを決めていきます。
その場所は、手・足・お腹・背中など全身に及びます。
全身的視点で行う鍼灸が、めまいには最適です。
めまいでお悩みなら、鍼灸を検討してみてください。
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