自律神経失調症(虚弱・ノドのつまり・肩こり)の鍼灸症例

自律神経失調症(虚弱・ノドのつまり・肩こり)

虚弱・肩こり

患者さま

40代 女性

初来院

2018年5月12日

お悩みの症状

チョコレートのう胞

初来院までの経過

今までも1年に1回婦人科検診は受けていた。
2年半前に「チョコレートのう胞」と指摘される。自覚症状はなし。
経過観察となり、半年に1回受診を続けるが、仕事も忙しく2018年3月に1年ぶりに検査したら3.8センチから5センチを超えるほど大きくなっていた。
病院の医師からは「手術を勧める程度の大きさ」と言われるが、自覚症状は相変わらずないし、手術で卵巣にダメージがあったらイヤだと感じ、まずは他にできることはないかと鍼灸を選択し来院。
チョコレートのう胞以外にも様々な愁訴があり、その対応も希望している。
主なものは、仕事が忙しいということもあるし、5年ほど前からバセドー病を患っており、そのせいか常に疲れている(グッタリしている)。
首や肩のコリもあり、ノドのつまり感や、胃がむかむかする、耳管解放症で声がこもるなどもある。

治療方針

疲れ感の自覚と併せて脈やお腹の状態も明らかに「虚」。
「脾腎両虚」が強くあり、併せて「肝気うつ」。
虚症状が強いことの二次作用で血が滞っている。
まずは虚を補う形で治療を開始しつつ、コリはほぐすようにしてみる。

治療と経過

1回目。
「肓兪」「太渓」「足三里」「三陰交」「合谷」に鍼。「関元」に温灸。
「風池」「心兪」「膈兪」「肝兪」「腎兪」に鍼。こる場所に円皮鍼。
2回目~8回目(1週間に1回ぺーう)。
1回目のあと「体が軽くなった」とのこと。その後も、仕事や気温の変動に合わせて体調が落ちることもあったが、おおむね改善傾向。
「鍼灸に来るのが楽しみです」と言っていただける。
おおむね1回目の施術と同様を継続。
ただし全体的に鍼よりお灸を増やす。もしくは鍼プラス台座灸。
9回目以降(1週間に1回ペース)。
自覚的な症状は改善し「体調は良い」と言っていただける。
元々はチョコレートのう胞の改善で来ていたので、そろそろ妊活をしようと考えている。
肩や腰のコリはあるが、仕事で負担をかけるからでる程度のツラさで済んでいる。
現在も週1回のペースで鍼灸を継続中。

同時に治療した症状

・常にグッタリしている
・肩こり
・バセドー病
・ノドのつまり

まとめ

「最終的には妊娠を希望しているものの、まずはチョコレートのう胞の改善を希望」というスタートだったが、チョコのう胞に関しては生理痛など自覚症状もないため、どちらかと言うと「虚弱や胃のムカムカ、肩こり」など体力面や自律神経失調面の対策をメインとする。
治療をする中で、表情などが生き生きとしてきて、疲れ感に関してはとても改善した。
虚ベースの身体に鍼灸はとても効果を発揮しうることを痛感する。
現在、暑さが厳しい季節だが、体調不良になることもなく継続していただけている。