フワフワするめまいの鍼灸症例

自律神経失調症(めまいと吐き気)

めまい症例1:フワフワ回転性のめまい

患者さま

30代 女性

初来院

2016年6月2日

お悩みの症状

・めまいと吐き気
・自律神経失調症

初来院までの経過

3週間前から「めまい」と「吐き気」が始まる。
フワフワするような回転性のめまい。
小学5年生(11歳)の頃より自律神経失調症と診断されめまいも度々あったが、ここ10年程は割に良かったのに急に3週間前からめまいが出だす。
病院にいくと「自律神経失調症」との診断で、めまい止め・吐き気止めの薬と漢方薬を処方される。
めまいに連動するように首肩のコリも強くなっている。
冷えのぼせ・疲れ感・便秘もあり。
生理周期は25日から30日で安定せず。

治療方針

もともとのエネルギー不足(気血両虚)と寒熱のコントロールができない状態が、頭部に熱がこもってめまいを起こし食道から胃部の巡りが逆流して吐き気になるとみて、滋養作用と同時に気血の巡りの改善を並行して行うことにする。
刺激に敏感なタイプで、鍼灸ともにソフトな刺激を心がける。

治療と経過

1回目。
「不容」「関元」にお灸。足先にはホットパック。「内関(+円皮鍼)」「曲池」「陽陵泉」「太渓」「丘墟」「心兪」~「腎兪」のコリのある部位に浅めの軽い鍼。「身柱」から「筋縮」の圧痛点にお灸。
2回目(1週間後)。
変化なし。
「不容→中カン」「関元」のお灸。「三陰交」の鍼追加。それ以外の鍼は同様。
3回目(1週間後)。
少し変化の兆しがある、とのことで基本的には同様の治療を継続。
4~10回目(1週間に1回ペース)。
めまいや吐き気は多少の波はあるもののかなり改善。
今まで目立たなかった腰痛などが気になるとのこと。
本来はこの状態をより改善もしくは維持するために2~3週に1回の治療が勧められるが、ご本人の希望で一旦これで治療を終了とする。

同時に治療した症状

・肩から肩甲間部のコリ
・冷えのぼせ
・疲れ
・便秘
・不眠
・皮膚アレルギー
・生理不順

まとめ

年齢的にはまだ若いが、かなり少なくない不定愁訴があった例。
めまいを主に、その時その時の身体の状態に合わせ、毎回治療は少しずつ変えて対応した。
めまいと吐き気は割と早期に改善したが、その他の愁訴(肩こり・便秘・胃の不快感など)は一進一退であった。
症状を引き起こしている「体質」を改善するためにも、生活習慣改善や鍼灸などにもう少し長期的に取りくむとよくなる気がしたが、小学生の頃から持っている愁訴なので患者本人は意外と共存する意識ができているのかもしれない。