鍼灸の技術
足に鍼して頭痛が治る?|鍼灸の遠隔効果について
鍼灸の遠隔効果:遠いツボで症状改善のメカニズム

鍼灸治療において、ツラい場所からは遠い経穴(ツボ)への刺激で、ツラい症状を改善させることは、伝統的な東洋医学の特徴であり、強味の一つです。
例えば、頭痛に対して足の経穴を刺激する、腰痛に対して手の経穴を用いるなど、臨床現場で広く応用されています。
この現象は古くから経験的に知られていましたが、近年、そのメカニズムが科学的に解明されつつあります。
今回は、遠位経穴刺激による局所症状の改善メカニズムについて、東洋医学と西洋科学の視点から解説します。
遠隔効果とは何か?

遠隔効果とは、例えば足のツボへの鍼刺激が、肩こりや頭痛といった上半身の症状を和らげるなど、刺激部位と症状部位が離れているにも関わらず効果が現れる現象を指します… 全文を読む
日本と中国での鍼灸と漢方
日本と中国での鍼灸と漢方

同じ「東洋医学」というルーツを持ちながらも、国によってその発展の仕方が大きく異なることを実感しています。
今回は、日本と中国の鍼灸・漢方の違いについて、具体的な例を交えながら、ご紹介したいと思います。
※なお、広大な中国(日本も同様)をひとくくりにして「これだけが唯一の考え方」と言えるものは、じつはありません。
施術者によってもずいぶん考え方に違いがありますし…。今回は話を簡単にステレオタイプの説で書いていきます。
中国の東洋医学:病邪と闘う、力強い治療
鍼灸と漢方薬の起源である中国の東洋医学は、その広大な国土、多様な気候風土、そして悠久の歴史の中で育まれました。… 全文を読む
鍼灸のプラセボ効果の活かし方
鍼灸におけるプラセボ効果の活かし方

鍼灸治療は、千年単位の実践経験と東洋医学理論を持つ一方で、「どうして効くのか?」の一部には現代科学ではまだ解明されていない部分も存在します。
その中で「プラセボ効果の存在」も議論になってきました。
今回は、ときに鍼灸の効果を疑問視する根拠として挙げられることもあるプラセボ効果ですが、適切に理解し、意識的に活用することで、治療効果をさらに高めることを説明します。
プラセボ効果とは何か?

プラセボ効果とは、薬理作用のない偽薬や偽の治療法であっても、患者さんが「効く」と信じることで実際に症状が改善する現象を指します。
これは単なる気の持ちようや思い込みではなく、脳内で鎮痛物質が分泌されたり、免疫機能が活性化したりするなど、実際に身体に生理学的変化が起きることが科学的に証明されています。… 全文を読む
お灸をすえる回数(壮数)の決め方
すえるお灸の数の決め方

お灸は「どれくらいお灸をするのか?」「どこにお灸をするのか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お灸は、体を温めるだけでなく、体内の気血の巡りを整え、自然治癒力を引き出す東洋医学の知恵です。
しかし、お灸がどれくらい必要なのか、どのくらいの頻度で、何カ所に行えば良いのかは患者さんごとに異なります。
この記事では、施灸回数や何回すえるか(壮数)の考え方と、個人差をどのように評価し、治療に反映させているのかを解説します。
※「お灸」とは「点灸(据えるタイプのお灸)」について書いています。
皮膚(ツボ)に灸点紙を置き、その紙の上から艾(もぐさ)を燃やすため、最も刺激が強く、効果も出やすいタイプのお灸の方法。… 全文を読む
効果的な鍼灸施術の「間隔」「頻度」「継続期間」は?
鍼灸治療の効果的な通い方とは?

「鍼灸って何回くらい通えばいいんですか?」
これは、初診の際に多くの方からいただくご質問です。
答えから申し上げると、鍼灸治療は一度の施術で劇的に改善することもありますが、多くの場合、効果を引き出し定着させるには「適切な頻度・間隔・継続期間」が必要です。
鍼灸治療は、体の自然治癒力を高め、バランスを整えることを目的としています。
一度の施術で身体に良い変化が起きても、それが定着するまでには時間がかかります。
例えるなら、運動や食事改善と同じです。
一度だけトレーニングしても筋肉はつきませんし、一度だけ健康的な食事をしても体質は変わりません。… 全文を読む
お灸の種類(棒灸、台座灸、透熱灸)によっての使い分け
お灸の種類によっての使い分けとその理由

東洋医学の伝統的な治療法である「灸(きゅう)」は、原料である「もぐさ」の温熱刺激で私たちの体の自然治癒力を高めます。
しかし、一口に「灸」と言っても、その種類は様々。
当院では、「棒灸」「台座灸」「透熱灸」などの灸法を、患者さまの体質・病態・治療目標に応じて使い分けています。
今回は、それぞれのお灸の特徴と、その選択基準、東洋医学的および現代医学的な効果のメカニズムについて解説していきます。
棒灸(ぼうきゅう):広範囲の温熱刺激とリラックス効果

棒状に固められたもぐさに火をつけ、皮膚から数センチ離して温めます。… 全文を読む
虫刺されにお灸?|東洋医学で解消する方法
虫刺されにお灸

夏のレジャーや庭仕事で避けられないのが虫刺され。
かゆみや腫れに悩まされることも多いですよね。
夏のレジャー…云々と書きましたが、昨今は真夏より逆に涼しくなり始める秋の方が蚊が多いようですので、今回はこの時期に記事を書きました(苦笑)
虫刺されには、一般的には塗り薬や冷やすことで対処しますよね。
ただ、じつは東洋医学の知恵、特にお灸が虫刺されに効果的なことをご存知でしょうか?
東洋医学では古くから「お灸」を虫刺されのケアに使ってきました。
お灸は血流を改善し、気血の巡りを整える作用があり、腫れやかゆみを鎮めるサポートになると考えられています。… 全文を読む
東洋医学的な円皮鍼の使い方
東洋医学的な円皮鍼の使い方

慢性的な肩こりや腰痛、原因不明の疲労感、さらにはストレスからくる不眠やめまい…。
病院に行っても「異常なし」と言われたけれど、どうにかしたい。
そんな方にぜひ知っていただきたいのが「円皮鍼(えんぴしん)」です。
鍼と聞くと「痛そう」「怖い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、円皮鍼はごく短い鍼をテープで皮膚に貼るため、痛みはほとんどなく、貼っていることを忘れてしまうほどです。
円皮鍼とは、極めて短い鍼(0.3mm〜1.5mm程度)を皮膚に軽く刺した状態で、絆創膏状のテープで固定する医療用具です。
鍼の太さは髪の毛ほどで、貼っていてもほとんど違和感はなく、日常生活に支障はありません。… 全文を読む
血液サラサラの薬を服用中で鍼治療は問題ないか?
血液サラサラの薬(ワルファリンなど)と鍼治療

「血液サラサラの薬を飲んでいるけど、鍼治療を受けても大丈夫なの?」
血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を服用中の方にとっては、鍼施術による出血のリスクが気になるかもしれません。
そこで今回は、血液サラサラの薬を服用している方の鍼治療の安全性について、最新の研究データをもとにご説明します。
最初に結論を書きます。
血液サラサラの薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を服用している患者さんへの鍼治療の安全性については、普通の刺激量の手技であれば過度に恐れる必要はないことが示唆されています。
血液サラサラの薬とは
… 全文を読むお灸の最前線
『医道の日本』お灸特集

鍼灸師にはおなじみの業界誌『医道の日本』。
今月の特集は「お灸」ということで、同誌に時々出るスマッシュヒットだった気がします。
(※あくまで一個人の見解です)
雑誌の特集にありがちな「トピックを紹介するだけで深めることはできない」のは仕方ないことではあります。
…が、切り口がよくある「施術法としてのお灸」ネタだけでなく、「もぐさ(艾)」と「国際的な動き」と「お灸の効能(科学化)」を取り上げていて勉強になりました。
もぐさの製造方法

日中韓でもぐさの製造方法が異なるのは、あまり業界的には知られていない印象でしたので、その辺に軽くでも触れられていたのは良かったです。… 全文を読む
カッピング(吸い玉)療法とは

カッピング(吸い玉)は東洋医学のひとつの療法として、我々鍼灸師が鍼やお灸と併用する形で使っています。
ですので、基本的には健康増進や病気治療に使われます。
アスリートがメンテナンスに鍼灸と併用してカッピングをするのも見かけます。
また現在では治療目的ではなく、カッピングというとダイエットや美容として女性に人気があります。
日本だけでなく、中国や台湾などでも行われて流行っています。
そんなカッピングについてをご紹介します。
カッピング(吸い玉)について
カッピング(吸い玉)療法とは、透明のカップをツボ(=使用するのは背中やお腹のツボが多い)に吸着させ、カップの中を真空状態にし、血流促進をはかる施術方法です。… 全文を読む
鍼灸師の流派の実際

鍼灸師の流派の実際
少々古いですが『第5回鍼灸業態アンケート(医道の日本誌、2011年)』から。
これによると、治療方法として「東洋・西洋医学を折衷している派」が最多で43.3%います。
半数弱ですね。
「西洋医学派」は19.3%・「経絡治療派」は17.8%・「中医学派」は3.1%…などとなります。
自分が中医学を学んでいることもあり、「中医学を標榜している人が少ないな~」というのが第一印象。
ただこれは、「中医学」という名称が出てこないで中医理論が「標準的な東洋医学観」になっているのが原因かもと感じました(あくまで勝手な解釈ですが…)。
大きな数字に戻ると折衷派が最多というのは、実際の治療においてたとえば、基本的には経絡治療的な施術をしつつ、時々に応じて西洋医学的視点で施術したりもする…などの「ごちゃまぜ治療」をしている人が多いということでしょう。… 全文を読む
鍼のシリコン加工

ディスポ鍼とシリコン肉芽腫
私が鍼灸学校に通っていた頃(15~20年ほど前)多くの鍼灸院での使用鍼は、「滅菌しての再利用する鍼」を「使い捨て鍼(ディスポ鍼)」が駆逐目前という時代でした。
「鍼で肝炎やエイズにはなりませんよ、だって使い捨てだから」というポスターを張っているところも少なくありませんでした。
そのような時代を経て、今では感染に対する恐れはあまり聞きません。
それくらいディスポ鍼の使用が当たり前になってきたからでしょう。
そのディスポ鍼は、各社様々な特徴をうたう商品があります。
そのなかでも今回はシリコン加工について。
シリコンコーティング鍼のメリット・デメリット
… 全文を読む鍼灸事故について
鍼灸事故のなかでも鍼灸院内で解決したものではなく、賠償責任保険に関係したようなケースについての話をシェアします。
気胸
どのくらいの頻度で起きるか?
鍼灸師400人のうち1人くらいの確率で毎年起こるようです。
まず気胸は、軽度だとそのまま日常生活をしながら様子見ということになります。
もう少しひどいと入院して肺の空気を調節します。それに1週間くらいの入院期間が要るようです。
問題になるケースの基本は「入院での治療」になります。
これは表に出るのが賠償問題になるような程度の気胸だからからかもしれませんので、なんとなく解決してしまった気胸はもっと多く起こっているのかもしれませんね。… 全文を読む
































