鍼灸師の流派の実際

鍼灸師の流派|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

鍼灸師の流派の実際

少々古いですが『第5回鍼灸業態アンケート(医道の日本誌、2011年)』から。

これによると、治療方法として「東洋・西洋医学を折衷している派」が最多で43.3%います。
半数弱ですね。
「西洋医学派」は19.3%・「経絡治療派」は17.8%・「中医学派」は3.1%…などとなります。

自分が中医学を学んでいることもあり、「中医学を標榜している人が少ないな~」というのが第一印象。
ただこれは、「中医学」という名称が出てこないで中医理論が「標準的な東洋医学観」になっているのが原因かもと感じました(あくまで勝手な解釈ですが…)。

大きな数字に戻ると折衷派が最多というのは、実際の治療においてたとえば、基本的には経絡治療的な施術をしつつ、時々に応じて西洋医学的視点で施術したりもする…などの「ごちゃまぜ治療」をしている人が多いということでしょう。

すごく人間臭い結果ですね。
市井の人々は頭を柔らかく・いい加減に・うまく使っている様がうかがえます。
これは逃げや劣っていることの証ではないと思います。
治療効果においても間違ってはいないはずです。
自分なりに精一杯治そうと施術を追求するうちにオリジナルに至るということでしょうから、実戦派の鍼灸スタイルと言うべきかと。
キレイでなくていいのです。泥臭くでOK。

そして、
どの流派を標榜していても、結局実際の治療は似てくるから不思議で面白いことです。

経絡治療でも「全身を整える施術(本治)と局所施術(標治)」をするし、中医学でも「遠隔と近位の取穴」をします。
西洋医学的鍼灸だって「神経や血流の源を意識した場所と局所の取穴」をするでしょう。

そして弱々しい人には優しい治療で、急性の炎症があるような局所にはあまり触らないとか、施術ルールも結局似たようなものに落ち着いてきます。

だからこそ、流派の多様性が保たれているのだとも考えられます。
大きな法則には適合しつつ、詳細の部分ではそれぞれの強みや特徴を生かすよう進化しているのが、現状の鍼灸流派でしょう。

これは、生物種が多様性を維持しながら存続するのに似ています。
それぞれが間違っていないし、それぞれに一長一短ありつつ、生存という大きなルールには皆沿っているからこそ滅びることがない、という。

流派で悩む人がたまにいますが、あまり気にせず、自分なりに親和性がある考え方に身を寄せながら、治すために精一杯施術したらそれでいい、と言いたい。
自分にも言いたい(笑)