整体院と鍼灸院はどちらを選ぶ?
整体と鍼灸の違いを徹底解説
最近では骨盤矯正などが流行し、「整体に行っています」という方も増えています。
一方で、「整体院と鍼灸院、どちらを選べばよいのか?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、体の悩みを改善したいのであれば、鍼灸院がおすすめです。
「鍼灸師の私が言うのだから、当然でしょ?」と思われるかもしれません。
もちろん、鍼灸の専門家として鍼灸の素晴らしさを知っていますが、この記事ではなるべく中立的な立場で、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
整体とは?
まず「整体とは何か」を定義するのは意外と難しいです。
なぜなら、整体には明確な定義がなく、施術内容が多岐にわたるからです。
整体院で行われている手技は、指圧やマッサージ、骨格矯正、カイロプラクティック、気功、ヒーリングなど多種多様で、施術者によって内容が大きく異なります。
共通点を挙げるとすれば、「カラダのズレ(歪み?)を整えることで症状を改善する手技を用いる」ということですが、中には治療よりもリラクゼーションを目的とした整体院もあります。
また、整体師には国家資格がなく、誰でも整体師を名乗ることができます。
そのため、施術者の技術や知識には大きな差があるのが現状です。
鍼灸とは?
鍼灸院は、「伝統的な中国医学(東洋医学)の理論に基づいて、鍼(はり)とお灸を使って症状を改善する(もしくは病気予防をする)場所」です。
※一部、現代医学的な考え方を取り入れている鍼灸院もあります。
鍼灸施術ができるのは「鍼灸師」という国家資格を持つ者だけです。
鍼灸師になるには、専門学校や大学で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。
そのため、一定の知識と技術が担保されているのが特徴です。
また、鍼灸は「治療系」であり、体の悩みを根本から改善することを目的としています。
美容鍼灸のようにエステ的な要素を持つ施術もありますが、基本的には「治す」ことが主目的です。
どちらを選ぶべき?
最終的には「誰(施術者)から受けるのか?次第」というのが答えになります。
正直、すごい整体師もいれば、イマイチな鍼灸師もいます。
そのため、何をするかよりも施術者の腕がどうかが一番重要です。
単純に「整体が良い」「鍼灸が良い」と一概には言えません。
「〇〇整体」「〇〇テクニック」「〇〇鍼」「〇〇流お灸」など、色々な施術法がありますが、結局は施術者の経験や知識、患者さんとの相性によって効果は大きく左右されます。
…とは言え、患者さんからすれば「どんな人がすごい施術者なのか?」を見分けるのは難しいですよね。
整体か鍼灸かの二択の場合、施術の安全性や効果の確かさを考えると、鍼灸院を選ぶ方が安心感があります。
その理由を詳しく見ていきましょう。
鍼灸の歴史と信頼性
鍼灸には2000年以上の歴史があり、その間に膨大な経験と知識が蓄積されてきました。
鍼灸は中国で生まれ、日本へは6世紀頃に伝わりました。
平安時代の貴族や戦国武将たちも鍼灸を受けており、江戸時代には庶民の医療として広く普及しました。
明治時代に西洋医学が導入されると、鍼灸は存続の危機に直面しましたが、民間療法として残り続け、戦後には科学的な研究が進められました。
アメリカのGHQは当初、鍼灸を「非科学的」として禁止しようとしましたが、日本の医師や鍼灸師が存続運動を行い、その有効性が認められました。
このように、鍼灸は長い歴史の中で受け継がれ、発展し続けている治療法なのです。
鍼灸の科学的研究
鍼灸は現在、世界的に研究が進められています。
MRIや超音波などの最新の医療機器を使った研究により、鍼灸の効果が科学的に証明されつつあります。
例えば、鍼を打つことで神経を介した生理的な反応が起こり、血流が改善し、ホルモンや伝達物質の分泌が促進されることが分かっています。
また、アメリカの国立衛生研究所(NIH)やイギリスの国立医療技術評価機構(NICE)などの公的機関も、鍼灸の有用性を認めています。
整体については、個々の技術が優れているものはありますが、科学的な研究があまり進んでいないため、鍼灸と比べるとエビデンスの面ではやや劣るのが現状です。
まとめ
整体と鍼灸の大きな違いは「層の厚さ」にあります。
整体は施術者によって内容が大きく異なり、技術のばらつきが大きいですが、鍼灸は歴史や科学的研究に裏付けられた確かな治療法として確立されています。
そのため、体の悩みを改善したいなら、まずは鍼灸院を選ぶのが良いでしょう。
ただし、鍼灸が怖いと感じる方は、無理せず整体を試すのも一つの方法です。
しかし、単なる食わず嫌いなら、一度鍼灸を受けてみることをおすすめします。
実際に施術を受けてみると、痛みや熱さはほとんどなく、想像よりもはるかに心地よいと感じる方が多いです。
まずは一度、鍼灸を試してみてはいかがでしょうか?
もし鍼灸が合わなかった場合、そのときに整体を検討するという流れでも遅くはありません!
大切なのは、自分の体の状態や悩みに合った施術法を選ぶことです。
この記事が、あなたの選択の参考になれば幸いです。
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