その他
乳がん術後のリンパ浮腫のむくみを鍼灸で減らせるという研究
乳がん術後のリンパ浮腫が鍼灸で改善
乳がんという大きな病気と闘いながら、しかもリンパ浮腫という不安にも対応しなければいけないことは大変な負担かと思います。
鍼灸がそこでお役に立てる…という話を書きます。
リンパ浮腫とは
乳がん治療のひとつに手術があります。
リンパ節転移が有ると、腫瘍だけでなくわきの下のリンパ節手術(腋窩リンパ節郭清)を受けることとなります。
腋窩リンパ節郭清の一般的な副作用のひとつは、腕のリンパ浮腫(腕の浮腫)です。
腋窩(わきの下)のリンパ節を切除すると、手術後に体の老廃物を運ぶリンパの流れが悪くなり、手術した側の腕に溜まり腫れることがあります。… 全文を読む
ガン患者の何に鍼灸は使われてるか?そして効果は?
緩和ケア現場での鍼灸の実践結果
ガン治療は病院が主役、つまり西洋医学が主役です。
その主軸となるのは、手術・抗がん剤・放射線の三大療法でしょう。
新薬の開発・副作用をやわらげる方法の多様化・検査機器の進化など複数の理由があいまって、ガン治療の成績も少しずつは改善されてきているようです。
そうは言ってもまだまだ多くの方が悩まれる病気ですし、先の三大療法は体への負担が大きい治療です。
現在、緩和ケアは病気が分かった段階から介入した方が効果があると言われています。
必要以上の痛みやストレスを緩和する方向性は、早期だろうが末期だろうが必要なことだと考えます。
建前通り治療部門と緩和ケア部門の連携が上手くいっているのかは分かりませんが、… 全文を読む
耳鳴りに鍼治療が有効との研究
耳鳴りに鍼治療が有効との研究
耳鳴りは「拍動性耳鳴り」と「非拍動性耳鳴り」に大別することができます。
拍動性耳鳴りとは心臓の鼓動のように一定のリズムで脈打つタイプの耳鳴りで、非拍動性耳鳴りとは一本調子な音色でリズムのない耳鳴りのことをいいます。
拍動性耳鳴りは、動脈硬化・高血圧・片頭痛・不整脈・薬の副作用などが原因で起こります。
非拍動性耳鳴りでもっとも多い原因は「難聴」です。
耳鳴りにかかわる難聴には、大きく2つの原因があります。
1つ目は加齢による難聴、2つ目はストレスによる難聴と言われています。
非脈動性耳鳴りはほとんど主観的なもので、程度も軽度から重度まで様々です。… 全文を読む
鍼灸のダイエット効果
肥満の鍼治療
そもそも私たちが生きていくためには「エネルギー」が必要です。
体の中では「脂肪」はたいへん優秀なエネルギー源です。
歴史的な背景から、人間のカラダは飢餓状態に備えて、脂肪をたくわえておく仕組みを備えるようになりました。
肥満とは、その体脂肪が過剰に蓄積された状態です。
ではどうして体脂肪が過剰に蓄積されてしまうのでしょう。
一般的に、毎日の食事からとったエネルギーが、その日一日の活動(呼吸をしたり、胃腸を動かしたり、仕事をしたり)するエネルギーとして使われます。
その摂取エネルギーと、消費エネルギーの収支が合っていれば、太ることもやせることもありません。… 全文を読む
じんましん(蕁麻疹)に鍼治療は効果的か
じんましん(蕁麻疹)に鍼治療は効果的か
最初に蕁麻疹症状が出始めてから1ヶ月以内を「急性蕁麻疹」、それ以上を「慢性蕁麻疹」と呼びます。
蕁麻疹の多くは痒みを伴います。
一過性であればまだしも繰り返し続く慢性蕁麻疹では、仕事や勉強など日常生活の問題となります。
蕁麻疹のことを思うとストレスがたまり、仕事に集中できない、眠りが悪くなる、など「生活の質」を大きく損ないます。
原因はアレルギー・ストレス・内臓からなど複雑多岐に及び、原因が分からないことも少なくありません。
治療としては、第1は、原因・悪化因子を取り除く、または避けることです。
第2は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などの薬の治療です。… 全文を読む
陽陵泉穴への鍼刺激はパーキンソン病に関する脳神経を活性化する
陽陵泉穴への鍼刺激はパーキンソン病に関する脳神経を活性化する
我々が活動すること(手足を動かす・食べたものを胃腸で消化するなど)は、すべて脳からの指令で行われています。
この脳からの指令は「神経伝達物質」という物質を介して体の各部分へ伝えられています。
パーキンソン病の患者さんは、脳の中で神経伝達物質のドパミンが不足することで、指令がうまく伝えられなくなっています。
このドパミンは脳(中脳)の「黒質」という部分の神経細胞で作られています。
パーキンソン病の患者さんの脳では、黒質細胞が減り、ドパミンの作られる量が少なくなっているのです。
なぜ黒質の神経細胞が減少するのかは、まだよくは分かっていません。
今回は、鍼灸で使うツボの「陽陵泉」穴を使い、パーキンソン病患者さんの脳神経がどう反応するかを調べた研究を紹介します。… 全文を読む
アルツハイマー病への鍼灸の効果
アルツハイマー病への鍼灸の効果
日本の認知症患者数は2012年で65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。
今後、高齢化がさらに進んでいくにつれ、認知症の患者数がさらに膨らんでいくことは確実です。
2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占めるとも見込まれています。
認知症の中で一番多いのが「アルツハイマー型認知症」です。
脳の神経細胞が減って脳が小さく委縮してしまうために、症状が現れます。
最近では生活習慣病との関係性が分かっていますが、原因はまだ不明の部分も多いです。
徐々に進行する病気で、急激に進行したりするものではありません。… 全文を読む
膠原病への鍼灸の効果
膠原病への鍼灸の効果
膠原病は、現在、西洋医学でもとても難しい病気です。
やはり東洋医学(鍼灸)でもそれは変わりません。
ただ、病院での治療を受けていて、他にもっとできることはないかと考えた時に鍼灸は選択肢になり得ます。
病院(西洋医学)とは全く違ったアプローチですので、試す価値があると考えます。
「鍼灸が膠原病に影響を与えられるのか」を調べた論文がありますので紹介します。
『血管病変に対する鍼灸治療の臨床的効果』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/53/1/53_1_43/_article/-char/ja… 全文を読む
鍼はプラセボか?
鍼はプラセボか?
『鍼はプラセボか?』
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-22390147/
【要約】
鍼治療の適応として最もよく知られる肩こりに対し、鍼治療は本当に効果があるのかを証明するために、治療者と患者に治療の真偽を知らせずに治療する「ダブルブラインド法(二重盲検法)」を用いた無作為化プラセボ対照臨床研究を実施した。
その結果、治療しない場合よりも、鍼治療を施した方が肩こり感は改善したが、鍼が刺さっても刺さらなくても一定の肩こり改善効果が認められた。
また肩こりの部位に鍼を刺して治療した場合にのみ、皮下血流に変化が認められた。
これらのことは、「鍼治療を受ける」ことによって肩こり感は和らぎ、特に鍼を刺す治療であれば血流改善の効果も期待できることを示唆する。… 全文を読む