じんましん(蕁麻疹)に鍼治療は効果的か

じんましん(蕁麻疹)に鍼治療は効果的か

蕁麻疹の鍼灸|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

最初に蕁麻疹症状が出始めてから1ヶ月以内を「急性蕁麻疹」、それ以上を「慢性蕁麻疹」と呼びます。
蕁麻疹の多くは痒みを伴います。
一過性であればまだしも繰り返し続く慢性蕁麻疹では、仕事や勉強など日常生活の問題となります。
蕁麻疹のことを思うとストレスがたまり、仕事に集中できない、眠りが悪くなる、など「生活の質」を大きく損ないます。

原因はアレルギー・ストレス・内臓からなど複雑多岐に及び、原因が分からないことも少なくありません。

治療としては、第1は、原因・悪化因子を取り除く、または避けることです。
第2は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などの薬の治療です。

しかし原因が分からない蕁麻疹の場合は、原因を避けようがありません。
また、薬も一旦は良くなってもまたぶり返すなど、繰り返し長期にわたって使用を余儀なくされることも少なくありません。

そこで薬に代わる代替療法として鍼灸はどうだろうか、という内容の論文を紹介します。

『蕁麻疹の鍼治療』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9828874

【概要】
急性蕁麻疹は、鍼治療で簡単かつ効果的に治療することができます。
曲池Li11・血海Sp10・三陰交Sp6・足三里St36は、最も一般的に使われる4つのツボです。
慢性蕁麻疹は、現代医学でも治すのが難しい症状です。
慢性蕁麻疹のための鍼治療では、「通常の鍼+耳鍼の組合せ」が非常に効果的であることが観察されています。
しかしこれらは臨床上の話であり、対照群と比較しての研究結果ではないし、蕁麻疹をきちんと分類して体系的に研究されたものではありません。
将来的に(研究が進むことで)、鍼治療は蕁麻疹患者(特に投薬療法に難治性の患者)の治療のための有効な代替となり得るでしょう。

当院の考察

蕁麻疹の鍼灸

アトピー性皮膚炎などもありますが「皮膚の病気」に鍼灸は試す価値のある方法だと考えます。
たしかに、しっかりとした研究はまだまだ少ないかもしれませんが、実際の臨床上では改善の傾向はうかがえます。
この論文でも「しっかりした研究はないけど試す価値がある」ことを訴えています。

鍼灸では「皮膚の病は胃腸の働きと連動している」と考えます。
(※もちろんいつでも100%ではありません。)
ですので、論文でも紹介されていたツボは「胃腸に効くツボ」がメインです。
それに、ストレスが強ければリラックスのツボを追加したり、冷えが強ければ温めるツボを追加したり、逆に熱感が強ければクールダウンのツボを追加したり、などその人に合ったツボを組み合わせて使っていきます。
このようなその人の体質全体から治療を組み立てることが、(西洋医学にはない)東洋医学の最大の特徴です。

もちろん、病院での治療抜きに「鍼灸だけ」で取り組むことを勧める訳ではありません。
病院の治療・東洋医学(鍼灸・漢方)・日常生活の見直し、など総合的に取り組むことが大事だと考えます。
とくに慢性的な症状が続く場合はより総合的アプローチが重要と思います。
鍼灸はそのうちの一つの柱になれると考えます。

まずは3ヶ月を1タームとみて、鍼灸に取り組んでみてはいかがでしょうか?
お待ちしています。