うつ病への電気鍼治療

うつ病への鍼灸治療

うつ病鍼灸|千葉県|松戸・船橋・鎌ヶ谷|鍼灸治療院

うつ病は「脳のエネルギー」が欠乏した状態であり、それによって眠れない・食欲がない・一日中気分が落ち込んでいる・何をしても楽しめないといった心身の症状を引き起こす病気です。
精神的・身体的ストレスが重なるなどの理由から脳のエネルギー欠乏になり、結果として脳がうまく働かない状態になっていると考えることもできます。
そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
治療はうつになった原因により様々ありますが、基本的には投薬治療です。
抗うつ薬などをメインにした薬の治療です。

一方、鍼灸もうつ病治療に役立てられないかということで、この薬の治療と鍼治療を比較した研究があるのでご紹介します。

『うつ病30例の電気鍼治療に関する臨床的研究』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15510791

【概要】
うつ病に対する電気鍼治療の臨床的効果を調査した。
うつ病患者を「鍼治療群」と「対照群(薬治療群)」に分けた。
鍼治療群では、百会(GV20)・印堂(EX-HN3)を使い30人のうつ病患者に電気鍼治療を行った。
別の31人の対照群ではマプロチリン(四環系抗うつ薬)を使用した。
結果、両群ともに処置前より後の方がうつの症状は改善した。
「鍼治療群」の有効率は96.7%・「対照群」の有効率は90.3%であり、群間の有意差は認められなかった。
また、鍼治療群の抗うつ薬の副作用を調べるAsbergスコアは、対照群のそれより明らかに低下していた。
結論。
電気鍼治療は、四環系薬剤のマプロチリンと同じ臨床的治療効果を生み出すことができ、副作用が少なくなり、症状が改善される。

当院の考察

うつ病鍼灸

うつ病に鍼灸が抗うつ薬と同様の効果を出す、という結論でした。

うつ病は短期間で簡単に治る病気ではなく、劇的に良くなるよりはゆっくりと時間をかけて改善するケースが少なくありません。
ですので「鍼灸で即効的に良くなる」訳ではありませんし、「鍼灸さえしておけば済む」ものでもありません。
鍼灸も含め、病院での治療や日常生活の見直しなど、総合的に心身を整えることで改善していくと考えた方がより本筋でしょう。

病院での治療は投薬治療が中心ですので、最終的には薬を減らしてやめるのが望ましいことです。
そのために鍼灸を行うことの有益性がみえる論文でした。
薬同様の効果を鍼灸で出しつつ減薬できればいいですよね。
薬の副作用(主に口渇、便秘、排尿困難など)も日常生活の質を落としますので、鍼灸が効果を発揮できるところかと思います。

論文で示された施術のツボは頭や顔などでしたが、当院ではそれらを含みつつ「全身からの治療が重要」と考えています。
眠りはどうか、食事はどうか、冷えのぼせはどうか、疲れ感はどうか、など全身状態からその人に相応しいツボを選んでいきます。
当院で言う「全身治療」が、最も鍼灸のチカラを発揮させる方法と考えます。

また、継続した施術期間が必要なこととは言うまでもありません。
1回2回で大きく劇的に変化する、と考えるよりも、1ヶ月2ヶ月と定期的に通うことでゆっくり改善していくイメージで取り組んで欲しいです。

薬だけでなく他にできることをしてみたい、と考えられたら鍼灸がおススメです。
お待ちしています。

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