抗がん剤の副作用(だるい・吐き気・むくみ)の鍼灸症例
乳がんの抗がん剤の副作用(だるい・吐き気・むくみ)
患者さま
30代 女性
初来院
2018年8月23日
お悩みの症状
乳がんの抗がん剤の副作用
・足がだるい、むくむ
・吐き気、便秘
・肩から背中~腰がこって痛む
初来院までの経過
7ヶ月前に健診のエコー検査で再検査になり、病院でしっかり検査をしたところ左乳房の乳がんと診断。
リンパ節転移ありのステージ3a。
術前抗がん剤治療をしてからの全摘を提案され了解する。
3ヵ月前から抗がん剤がスタートし、1種類目の抗がん剤が終わり、続けて次の抗がん剤治療に移る予定。
抗がん剤の副作用が出ているので鍼灸でも緩和したいと来院。
治療方針
抗がん剤の治療をしながらなので、身体へのダメージを最小限に抑える(=虚を補う)ことを土台に、コリやだるさは気血のめぐりの悪さに起因していると判断し、疲れない程度の刺激量で巡りを整えるようにする。
肝・脾・腎を補うことも意識する。
治療と経過
1回目。
「中脘」「天枢」に浅鍼+お灸。「三陰交」「太衝」「合谷」「内関」に鍼。「風池」「肩こりの部分」「心兪」「膈兪」「脾兪」「三焦兪」に鍼+お灸。
2~10回目(1~2週間に1回ペース)
むくみ、便秘や味覚障害などが強めに出てきたので、脾胃の働きの強化に努める。
「足三里」「陰稜泉」「曲池」「臍周辺の硬いところ」に鍼。足はパルスを追加。背中は「風池」「心兪」「脾兪」「志室」に鍼。「身柱」「神堂」「脊中」「命門」にはせんねん灸。
抗がん治療を行うと体調は落ちるが、その後回復する。
食事は何とかとれている。睡眠は問題なし。
鍼灸を10回終えたところで、抗がん剤治療が終了。
今後は手術を控え、ここで一旦鍼灸は終了とする。
まとめ
抗がん剤の副作用対策の鍼灸でした。
つらさがメキメキと良くなるものではありませんが、病気や薬の副作用と闘うチカラを支えたいと施術しました。
副作用悪化のために抗がん剤治療が中断することなく、「抗がん剤をする→体調が落ちる→回復する→抗がん剤をする…」というサイクルをこなしていくことができました。
手術に向けてや手術後の体力回復などにも鍼灸は有効である旨お伝えしましたが、それはご希望されなかったため抗がん剤対策にて終了となりました。
当院なりに最適な頻度や使い方をご提案しますが、患者さんなりにうまく鍼灸を使っていただければ結構だと考えています。
少しでもお役に立てたのなら幸いです。