【つわり鍼灸症例】吐き気とゲップがつらかった妊娠13週の妊婦さんのケース

【鍼灸症例】妊娠13週の重いつわりが3回の施術で劇的改善

つわり
※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。


今回は、妊娠13週頃に吐き気やゲップ、倦怠感などのつわり症状でお悩みだった30代女性の症例をご紹介します

患者さまは妊娠8週頃からつわりが始まり、来院前には「10段階で10」と表現されるほど強い吐き気に悩まされていました。来院時にはやや落ち着いていたものの、日常生活に支障が出る状態が続いていました。

東洋医学的な視点からお身体の状態を確認し、胃腸の働きや全身の気の巡りを整えることを目的に施術を行ったところ、症状は徐々に軽減し、3回の施術後には患者さまご自身の評価で「1/10」程度まで改善がみられました

本記事では、来院時の状態や東洋医学的な見立て、施術内容と経過について詳しくご紹介します。

患者さまの情報と経緯

年齢・性別:
30代女性。

鍼灸院に来るまでの経緯:
来院時は、妊娠13週目を迎えられた頃でした。

妊娠8週頃から「つわり」の症状が現れ始め、とくに吐き気とゲップがひどく、日常生活を送るのも困難なほどでした。
来院される2週間前が最も症状が重く、ご自身の言葉で「10段階で10」と表現されるほどのツラさだったそうです。

その後、多少症状は落ち着いてきたものの、来院時でも「3~4/10」程度のツラが続いており、横になっていると少し楽になるものの、冷えや疲れ、ストレスによって症状が悪化する傾向がありました。

また、「つわり」の症状に加えて、倦怠感、頭痛、冷えのぼせなども併発しており、全身的なケアを希望されていました。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、「つわり」は気の巡りの乱れや、胃腸の機能低下が原因と考えます。
とくに、妊娠中は胎児を育むために母体に多くの血液が集まるため、胃腸の働きが滞りやすくなります。

患者さまの場合、元々疲れやすい体質(脾虚)があり、妊娠によってさらに胃腸の機能が低下したことが、「つわり」の症状を悪化させた要因の一つと考えられました。

また、精神的なストレス(肝うつ)も気の巡りを悪くし、胃腸の不調につながっている可能性も考慮しました。

東洋医学の五行論でいう「木克土」の関係、すなわち肝(木)の機能失調が脾(土)の機能低下を招いている状態です。

そこで、中焦(胃腸)の気の巡りを改善することで、全身の気の流れを整え、冷えのぼせなどの症状にも対応する治療方針を立てました。

治療方針

まず弱っている胃腸の機能を高め、気の巡りを改善することを目標としました。

具体的には、以下の点を重視しました。

脾胃の機能回復:
弱った胃腸の働きを高め、消化吸収機能を改善することで、吐き気やゲップなどの症状を緩和します。

気の巡りの改善:
全身の気の流れをスムーズにし、特に中焦の滞りを解消することで、冷えのぼせや頭痛などの症状を改善します。

心身のリラックス:
鍼灸治療によるリラックス効果で、精神的なストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えます。

これらの点を考慮し、患者様の体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療を行いました。

治療内容と実際の経過

1回目:
初回は、身体の状態を把握するために簡易的な施術を行いました。
うつ伏せで、背部にある「心兪」「脾兪」「肝兪」といったツボに鍼を浅く刺し、「肝兪」にはお灸も行いました。
これらのツボは、心臓、脾臓、肝臓と密接な関係があり、それぞれの機能を調整する効果があります。

2回目(3日後):
前回の治療に加えて、手足のツボにも鍼を追加しました。
仰向けで、「内関」「陰陵泉」「足三里」「太谿」といったツボに鍼を浅く刺し、「三陰交」には棒温灸を行いました。うつ伏せで、肩こりの緩和を目的にローラー鍼を使用し、「隔兪」「肝兪」「脾兪」には胃の六つ灸、「胸椎4番辺りの圧痛部」には棒温灸を行いました。

2回目の治療後、「つわり」の症状は大幅に改善し、ご自身の評価で「1/10」まで軽減しました

3回目(2日後):
良い状態が持続していました。
基本的な施術内容は前回と同様とし、さらに「督脈上の圧痛部(胸椎4~9番辺り)」に円皮鍼(0.3ミリ)を貼りました。

症状が安定していたため、この日で鍼灸治療を終了としました

わずか3回の治療で「つわり」の症状がほぼ消失するという効果が現れました。

鍼灸師としての感想とまとめ

今回ご紹介したのは、妊娠13週頃に吐き気やゲップ、倦怠感などのつわり症状に悩まれていた30代女性の症例です。

患者さまは日常生活にも支障が出るほどのつらい状態でしたが、東洋医学的な視点から胃腸の働きや全身のバランスを整える施術を行い、3回の施術後には症状の大幅な軽減がみられました

つわりは妊娠初期によくみられる症状ですが、その程度には大きな個人差があります。
なかには仕事や家事が難しくなるほど強い症状に悩まれる方も少なくありません。

当院では、お身体の状態や妊娠週数を考慮しながら、無理のない範囲で施術を行っています。
つわりによる吐き気や倦怠感、食欲不振などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

※本症例は一個人の経過であり、同様の結果を保証するものではありません。症状が強い場合や水分摂取が難しい場合は、速やかに医療機関へご相談ください。

つわり鍼灸の詳しくはこちら

つわり(妊娠悪阻)