つわり(吐き気・ゲップ)の鍼灸症例

つわり(吐き気・ゲップ)

つわり

患者さま

30代 女性

初来院

2017年3月27日

お悩みの症状

つわり(妊娠悪阻)

初来院までの経過

現在妊娠13週目。
妊娠8週くらいからつわりが悪化する。吐き気とゲップがつらい。
2週間くらい前までが一番ひどかった(スケール10/10)。
現在はスケールで3~4/10になっている。
横になっていると少しラク。冷え・疲れ・ストレスで悪化する。
併せて「だるさ」「頭痛」「冷えのぼせ」などもあり、全身的にケアしたく鍼灸を希望し来院。

治療方針

元々素体として脾虚があり疲れやすさ(=体力のなさ)は感じていたので、妊娠してのつわり(胃腸)症状はそこからと推測される。
同時に肝うつ傾向もあり、木克土の関係もありそう。
中焦のつかえをとるようにすることで上下の巡りもよくして冷えのぼせにも備えたい。

治療と経過

1回目(簡易施術)。
「心兪」から「脾兪」のコリやへこみに浅く置鍼。「肝兪」にはお灸も追加。
2回目(3日後)。
つわりがスケールで1/10になる。方針はそのままで手足の鍼も追加。
「内関」「陰陵泉」「足三里」「太渓」に浅く置鍼。「三陰交」に温灸。坐位になり肩のコリ部分にローラー鍼。「隔兪」「肝兪」「脾兪」の胃の六つ灸。「胸椎4番辺りの圧痛部」に温灸。
3回目(2日後)。
良い状態が続く。
基本的には前回同様の施術。「督脈上の圧痛部(胸椎4~9番辺り)」に円皮鍼(0.3ミリ)を貼る。
状態が良いので今回で治療は終了とする。

同時に治療した症状

・ダルさ
・疲れ
・冷えのぼせ

まとめ

つわりの治療。都合3回でほぼ症状がなくなったケース。
ただし時期的にもつわりが終息する時期だったので、鍼灸の効果がどこまであったかは定かではない。

妊娠してつわりが出るか出ないかは肝・胃の関係性が大きいとは感じるが、妊娠前にはなかなか把握しづらい。
不妊治療から継続して通う人が多い当院では、症状が出ないように(もしくは少なくて済むように)してはいるが、それでもつわり症状が出る人は症状が重い人が多い印象である。
もともと軽度の人は鍼灸で緩和されて、症状が重い人は鍼灸での緩和も追いつかないのであろう。
逆に、今回は初診で「つわり」を主訴として来院されたが、このようにつわりになって初めて鍼灸を受ける人は意外と症状が重めでも効果が良い印象である。