緊張型頭痛
緊張型頭痛とは
首から肩の筋肉や頭の筋肉が張ったり凝ったりすることで起こると言われています。
筋肉の張りや凝りが強まると、筋肉内の血流が悪くなり老廃物がたまります。
それが周囲の神経を刺激し、締めつけられるような痛みを起こすのです。
一般的には、長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、ストレスなどが原因となります。
緊張型頭痛は、頭や首の筋肉が過度に緊張し続けることで発症します。
症状としては、頭部全体や頭皮、首の後ろなどに圧迫感や締めつけ感、鈍痛が現れることが多いです。
また、
神経の緊張が毎日のように続くと、脳に備わっている痛みのコントロール機能がきちんと働かなくなり、筋肉が緊張していなくても頭痛が起こるようになってしまいます。
痛みが毎日のように続く「慢性緊張型頭痛」もあります。
本来は鎮痛薬を使用してもあまり効果はありませんが、痛いからといって毎日のように鎮痛薬を飲むことにより「薬物乱用頭痛」を起こすことがあるので注意が必要です。
緊張型頭痛を放っておくと片頭痛を合わせた頭痛になりえます。
「混合型頭痛」と呼ばれたりします。
この状態になりますと症状は複雑になり、頭痛の薬が効かないということが起こります。
緊張型頭痛を放置するとダメな理由
筋緊張性頭痛を放置すると、いくつかの理由から問題が生じる可能性があります。
■症状の悪化
筋肉の緊張が続くことで、頭痛の症状が悪化することがあります。
放置すると頭痛が頻繁に起こるようになり、痛みの強さや持続時間が増すことがあります。
■生活の制約
頭痛が継続すると、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。
集中力の低下や仕事への影響、活動制限などが生じるため、生活の質が低下する可能性があります。
■心理的影響
長期間の頭痛やコリにより、ストレスや不安感が増大することがあります。
頭痛による不快感や制約が心理的な負担となり、うつ症状や不眠症のリスクが高まることがあります。
緊張型頭痛は、適切な治療や予防策によって管理することが重要です。
早期の対応や適切なケアを行うことで、症状の軽減や再発の予防が可能となり、生活の質の向上が期待できます。
西洋医学（病院）の鎮痛薬での対処療法だけでなく、薬を使わない東洋医学（鍼灸）を併用することで、頭痛の大元の筋肉のコリを緩和させることをお勧めします。
鎮痛作用やコリの緩和作用は、鍼灸の得意とするところです。
東洋医学の強み｜自然治癒力を引き出す施術
西洋医学は、「症状を抑えること」が得意です。
例えば、頭痛なら痛み止め、炎症なら抗生剤といった具合に対処します。
一方、東洋医学は「症状の原因となる体質」に着目し、体全体のバランスを整える「体質改善」を目指します。
頭痛ひとつとっても、血流の滞り・冷え・ストレスなど原因はさまざま。
鍼灸は、その人に合ったツボを刺激し、本来の治る力を引き出します。
不調の原因は目に見える症状だけではなく、体の内側のバランスの乱れにあります。
例えるなら、私たちの体は、大河を流れる水のようなもの。
血液や気（エネルギー）が滞りなく巡ることで、健康という豊かな流れが保たれます。
しかし、ストレスや不規則な生活習慣によって、川のどこかに泥や石が溜まり、水の流れが悪くなってしまうことがあります。
それが体の不調として現れるのです。
鍼灸は、川の流れを整える水路の管理人のようなもの。
滞った部分を取り除き、スムーズな流れを取り戻すことで、体全体が元気に機能するように導きます。
東洋医学は、2千年の経験値を持つ体質改善の医学です。
鍼灸では「脈・舌・お腹」を診て、気・血・水の流れを察し、ツボ（経穴）に刺激を与えることで、全身の調和を取り戻します。
緊張型頭痛と鍼灸
緊張型頭痛は、筋肉のコリや自律神経の乱れから起こるものと考えています。
鍼灸（東洋医学）ではこれを、体を巡る気血の流れが滞るか不足するかして、筋肉が緊張しがちになる状態とみます。
本来は全身をキレイに循環しているはずの「気・血・水」うちのおもに筋肉の「気滞」と「瘀血」が原因とします。
この気滞や血瘀がなぜ起こるのかはいくつかタイプがあります。
おもなものを3つ挙げます。
気滞血瘀
気の滞りが血の滞りを生み、筋肉のコリや痛みが起こるタイプです。
頭痛は締め付けられるような圧迫感や重さを伴い、痛みは鈍く広範囲に広がることがあります。
治療では、気血の流れを促進し、瘀血を解消することが重要です。
肝気上逆
ストレスや情緒的な不安によって「肝(かん)」に異常が起き、スムーズにめぐるべき「気」がストレスや怒りなどの感情のせいでが上昇し、頭痛を引き起こすタイプです。
頭痛は、側頭や目の周りに現れ、痛みは鋭くピリピリとした感覚を伴うことがあります。
治療では、肝の機能を整え、気の上昇を抑えることが重要です。
脾胃虚
全身の気血量が足りないことで筋肉が栄養されずコリにつながるタイプです。
「気血両虚」とも呼びます。
気血は飲食物から作られるので、胃腸が弱い人がこのタイプになりやすいです。
頭痛は重くて鈍い痛みで、疲労や寝不足時に出やすいです。
緊張型頭痛に効果的なツボ
代表例を5つ挙げます。
■太陽（たいよう）
頭痛の緩和に効果的なツボで、頭部の側面にあります。
太陽穴への刺激は気の流れを促進し、頭部の緊張をほぐします。
■風池（ふうち）
首と頭の境目にあるツボで、首や後頭部の筋肉の緊張を緩和する効果があります。
頭痛やストレスによる緊張を緩めるために刺激されます。
■百会（ひゃくえ）
頭頂部にあるツボで、頭痛や片頭痛の緩和に効果があります。
不安や緊張などの精神的な緊張をほぐし、頭部の血流を改善します。
■攢竹（さんちく）
目頭の内側にあるツボで、目の疲れや頭痛の緩和に効果的です。
眼精疲労からくる頭痛や目の緊張をほぐすために刺激されます。
■太衝（たいしょう）
足の親指の付け根にあるツボで、頭痛や目の疲れに効果があります。
気の流れを調整し、結果的に頭部の緊張を緩めます。
これらのツボは一般的に『筋緊張型頭痛』の症状緩和に効果がありますが、先ほど書いた「タイプ」別に相応しいツボがあります。
個人の状態や症状によって適切なツボの選択が必要です。
鍼灸治療では、症状や体の状態を総合的に考慮し、適切なツボを組み合わせて治療を行います。
緊張型頭痛への鍼灸の論文・研究
海外の研究でも緊張型頭痛の鍼灸施術の有効性は確かめられています。
■緊張型頭痛に対する2009年の研究報告では、『鍼治療は2・4・6か月の頭痛の頻度と程度が偽鍼治療より効果が高い』とされています。
（『緊張型頭痛のための鍼治療』Acupuncture for tension-type headache.Cochrane Database of Syst Rev, 2009,issue1）
■日本の慢性頭痛ガイドライン(2013年)では『推奨グレードC：十分な科学的根拠はないが、行うことを考慮しても良い』と記載されています。
■英国国立医療技術評価機構（NICE）のガイドラインでは『緊張型頭痛の予防的治療には週2回～週1回のペースの鍼治療を10回受けること』を勧めています。
あなたの緊張型頭痛が少しでも良くなるように最大限の施術をさせていただきます。
緊張型頭痛鍼灸のよくある質問と回答
Q: 緊張型頭痛って本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療は頭痛の改善に効果があります。
鍼やお灸を用いて、自律神経の乱れを緩和し血流を整え、頭痛や不快感を軽減します。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
症状が改善されたら、徐々に間隔を開けていきます。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が筋緊張型頭痛にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、頭の不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 緊張型頭痛以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、肩こり、腰痛、不眠、婦人科疾患、冷え、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸の治療は妊娠中でも受けられますか？
A: はい。鍼灸治療は妊娠中でも受けられます。
妊娠中はホルモンのバランスや血液の量が変化するため、頭痛が出やすくなります。
鍼灸はこれらの症状を緩和するだけでなく、母体の健康にも良い影響を与えます。
ただし妊娠中に鍼灸を受ける場合は、必ず妊娠の有無や週数をお伝えください。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
