不安障害
不安障害とは
不安障害は、単なる一時的な不安とは異なり、尽きることない強い不安と心配のために徐々に身体や精神的な症状が現れるようになります。
日常から過度の不安・心配がつきまとう状態が6カ月以上持続することが目安です。
たとえば全般性不安障害と呼ばれる不安だと、自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、そわそわと落ち着かない。
些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、物事に集中することができない。
しだいに、毎日の生活にも障害をきたし、不眠・頭重感・注意力散漫・記憶力低下などが現れ、日常生活をこなすことが困難になってしまう。
一例ですが、このような経過をたどります。
原因はまだはっきりとは分かっていません。
性格や遺伝、過労、過剰なストレスや自律神経の乱れなどが原因だと言われています。
治療を受けていない方も多く、病院に行っている場合でも自律神経失調症や更年期障害と診断されていることもあるようです。
病院（西洋医学）の治療では、抗うつ薬などの薬物治療や認知行動療法などの精神療法などがあります。
不安症の分類
不安障害は、日常の様々な事に不安を感じる前掲の「全般性不安障害」以外にも西洋医学的にいくつか分類されています。
■パニック障害
突然理由もなく強い不安や恐怖におそわれます（パニック発作）。
救急で病院に行き検査をしても特に異常は発見されません。
そのような発作を繰り返すうちに発作が起きそうになる不安や、発作が起こりそうな行動を避けるようになります。
■社交不安障害
人前で話すことや注目されることなどに対して過度な不安や恐怖を感じるものです。
心臓がドキドキしたり、汗をかいたりして、パニック発作を起こすこともあります。
■強迫性障害
繰り返し手を洗ったり、何度も物を整理し直したりすることです。
自分でも止めた方がよいとわかっていても、しないではいられない「強迫行為」をくりかえすことに時間がかかってしまって、日常生活に影響が出てくることもあります。
このように不安障害には種類がありますが、心の問題が体にも表れていることは共通です。
体の症状は、自律神経の乱れから出る症状が多いです。
心と体は表裏一体。
心の問題が体にも症状となることは、逆に言えば「体の方から心の問題へアプローチが可能」と言えます。
まさに鍼灸（東洋医学）は、体から心を整える治療です。
「病院（西洋医学）での治療以外にも何かできることがないか？」と考えた際には、鍼灸（東洋医学）も試してみてください。
東洋医学の強み｜自然治癒力を引き出す施術
西洋医学は、「症状を抑えること」が得意です。
例えば、頭痛なら痛み止め、炎症なら抗生剤といった具合に対処します。
一方、東洋医学は「症状の原因となる体質」に着目し、体全体のバランスを整える「体質改善」を目指します。
頭痛ひとつとっても、血流の滞り・冷え・ストレスなど原因はさまざま。
鍼灸は、その人に合ったツボを刺激し、本来の治る力を引き出します。
不調の原因は目に見える症状だけではなく、体の内側のバランスの乱れにあります。
例えるなら、私たちの体は、大河を流れる水のようなもの。
血液や気（エネルギー）が滞りなく巡ることで、健康という豊かな流れが保たれます。
しかし、ストレスや不規則な生活習慣によって、川のどこかに泥や石が溜まり、水の流れが悪くなってしまうことがあります。
それが体の不調として現れるのです。
鍼灸は、川の流れを整える水路の管理人のようなもの。
滞った部分を取り除き、スムーズな流れを取り戻すことで、体全体が元気に機能するように導きます。
東洋医学は、2千年の経験値を持つ体質改善の医学です。
鍼灸では「脈・舌・お腹」を診て、気・血・水の流れを察し、ツボ（経穴）に刺激を与えることで、全身の調和を取り戻します。
鍼灸と不安障害
鍼灸(東洋医学)では、体内の「気・血・水」という3つの働きが重要と考えます。
それぞれ「気」は生命エネルギー、「血」はカラダを巡り栄養するもの、「水」は潤し冷やすものという働きを持っています。
それらの量が適切で、順調に巡っているのが健康な状態と考えます。
不安障害の場合は、「気滞(気の滞り)」と「気血の不足」が大きいと考えます。
鍼灸では、うっ滞している気を巡らせ、不足している気血を補うことで、乱れた自律神経のバランスを調整していきます。
とくに『肝気が滞る』と自律神経失調症が出やすくなり、『心血が不足する』ことでメンタルの症状があらわれるやすくなります。
ですので、
『肝気を巡らせる』ことと 『心血を補う』ことが重要と考えます。
【代表的なツボ】
太衝撃・三陰交・足三里・合谷・心兪・膈兪・肝兪・脾兪など
また特定のツボは書きませんが、
頭痛のためのツボ、肩こりのためのツボ、下痢のためのツボ、記憶力低下のためのツボなど、その人の症状に合わせてツボを選択していきます。
パニック障害への鍼灸の論文・研究
国内外の研究でもパニック障害(不安障害)への鍼灸は有効性を確かめられています。
■薬物療法や認知行動療法で十分な効果がなかった不安障害のある患者を対象に、鍼治療を実施し、10週間の鍼治療により有意な不安軽減とさらに10週間後にも維持が認められたことを報告しています。
Randomised controlled trial on the use of acupuncture in adults with chronic, non-responding anxiety symptoms（Acupuncture Med, 2015）
■患者の不安を軽減することを目的とした鍼治療は、有益な効果があることを示唆しています。
Effectiveness of acupuncture on anxiety disorder: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
当鍼灸院でも、あなたの不安障害・パニック障害を改善するために最大限の施術をさせていただきます。
不安障害鍼灸のよくある質問と回答
Q: 不安障害って本当に鍼灸で治りますか？
A: はい、軽いものであればしっかり癒えます。
元々の性格傾向や過度なストレス・過労などがある状態ですと改善が難しいですが、症状の緩和や改善を目指すことができます。
「あなたの不安症状が“絶対”に治ります」と確定的なことは申し上げられませんが、鍼灸院では多くの患者さんの症状改善に成功しています。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の重さによりますが、通常は数週間から3ヶ月の継続的な治療が必要です。
Q: 鍼灸が不安改善にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的ですので、自律神経機能を整えてメンタル改善に役立ちます。
Q: 施術の頻度はどのくらいですか？
A: 施術の頻度は個別の状態によりますが、通常は週に1回が一般的です。
Q: 薬と鍼灸治療は併用できますか？
A: はい、薬と鍼灸治療は併用することができます。
ご不安な場合は医師の指示を仰いでください。鍼灸は西洋医学と互いに補完しあう療法として相乗効果が期待できます。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
安全性が高く、副作用の心配はほとんどありませんが、個人によっては軽度の赤みや内出血が現れることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
初回の施術後から体調の変化を感じる方もいらっしゃいますが、持続的な改善のためには継続的な治療が必要です。
Q: 不安障害以外の症状も同時に治療できますか？
A: はい、他の症状や不調も同時に治療できます。
肩こり・頭痛・便秘下痢・慢性疲労・ストレス・冷えなど、複数の不調に同時並行して治療します。
