ガス症状の過敏性腸症候群の鍼灸症例
過敏性腸症候群・不安障害の鍼灸
患者さま
30代 女性
初来院
2019年9月2日
お悩みの症状
・過敏性腸症候群(ガス症状)
・不安障害(人込みや密室への恐怖)
初来院までの経過
18年前(高校生の頃)よりガス症状に悩まされ始める。
生活が変わった為と推測される。
ガス症状のため、大人数が集まる場所や密室は精神的にも恐怖が大きい。
病院で診てもらい「過敏性腸症候群」と診断され、整腸剤を出される。
学生の頃は、人が多くいる同じ場所にじっとしていなければいけないので、とてもツラかった。
つらさのスケールで言えば「10」のうちの「10」がこの頃である。
その後、販売の仕事をするようになり、仕事が動くスタイルなので症状へのつらさは多少緩和される(「7~6」くらい)。
その後、鍼を試してみると少し良かったので、いくつかの鍼灸院を試しながら自分に合う鍼灸院を探したいと来院。
ガス症状は、リラックスできる時間帯は少しラク。
人が多く集まる場所や自由に動けない状況だと症状が悪化するし精神的にも不安が強まる。
冷える時期の季節の変わり目は悪いような気がする。
生理1週間前から生理中も悪い気がする。
ガス症状がひどくなると、のぼせも出る。
昔から「手汗足汗」がひどい。
治療方針
やせ型。
お腹の張り感は非常に強い。硬いより張っている。
現代学的に言えば「自律神経失調」ということだろう。
鍼灸では「気滞」である。
気血の虚があるので気を巡らせるエネルギーの不足からくる気滞とみる。
補いつつも、滞りをとっていく(巡らせる)ようにする。
臓腑では心・肝・腎を意識して施術することにする。
治療と経過
1回目。
「期門」「天枢」「曲池」「陽陵泉」「太衝」に浅めの鍼。「神闕」に棒温灸。「風池」「心兪」「膈兪」「肝兪」「志室」「大腸兪」に鍼と点灸。
2~7回目(7~10日間に1回ペース)。
お腹は棒温灸はやめ、期門や天枢などに鍼+点灸を行う。「内関」に台座灸追加。背部兪穴には反応点に円皮鍼を適宜貼る。
回を重ねるごとに少しずつ「ガスを気にする感じ」が減ってきた、とのこと。
ガスの量も減ったからのようだ。
施術期間の途中で、仕事で「数時間の会議(同じ場所にじっとしている状況)」が数回あり、それをとても事前には恐れていたが、思ったよりも不調にならずクリアできたことがうれしかったとのこと。
7回目終了時点で、初回からだと2ヶ月半ほどたっていたが、ツラさのスケールで言うと「3」程度になった。
現在も施術頻度を空けて(3週間程度)継続中。
同時に治療した症状
・疲れ
・のぼせ
まとめ
ガスが気になる過敏性腸症候群(IBS)の鍼灸症例だった。
15年以上続いているので完治は正直難しいと感じる。
ツラい程度を軽減し、普段の生活が楽になるお手伝いはしたいと思い取り組んだ。
結果的に2ヶ月ほどで、日常生活での負担が少なくなったので良かった。
…とは言え、これで終了、というよりは、今後は良い状態が続くよう間隔をあけつつ継続施術できるとなお良いと考える。
現在、その方向で来院頂けている。