【症例】15年以上続く過敏性腸症候群(IBS)と不眠|20代男性の鍼灸治療経過
【千葉市】15年悩んだ過敏性腸症候群(ガス・腹部膨満)と不眠の鍼灸症例

※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。
「人前に出るとお腹が張る」「ガスが気になって緊張してしまう」「夜なかなか眠れない」
過敏性腸症候群(IBS)の患者さまから、このようなお悩みを伺うことは少なくありません。
今回ご紹介するのは、高校生の頃から15年以上にわたり、お腹の張りやガスの不快感、不眠に悩まされていた20代男性の症例です。
病院では過敏性腸症候群と診断され、薬による治療も経験されましたが、副作用のため継続が難しく、別の方法を探して当院へ来院されました。
当院では、症状だけを見るのではなく、ストレスの影響や身体の緊張状態、睡眠状況なども含めて総合的に評価し、東洋医学の視点から施術方針を組み立てています。
この記事では、初診時の状態から東洋医学的な考察、施術内容、そして現在までの経過について詳しくご紹介します。
同じようなお悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
患者さまの情報と経緯
年齢・性別・お住まい:
20代男性・千葉市在住
鍼灸院に来るまでの経緯:
高校1年生の頃から約15年間、緊張するとお腹が張り、ガスが出る(あるいはそう感じる)という症状に悩まされていました。
大人になり、ある程度やり過ごす方法を身につけたものの、症状自体はほとんど変わらず、日常生活を送る上では支障はないものの、人混みや人前に出ることを避け、常に周囲の目を気にしてしまう状態でした。
病院では「気のせい」「過敏性腸症候群」と診断され、10代の頃には心療内科で薬を処方されたものの、副作用が出たため以降は薬を服用していませんでした。
同時期から不眠にも悩んでおり、特に寝つきが悪く、夜なかなか眠りにつけない状態でした。
初診時の問診では、年齢的に体力はしっかりしており、寒熱のバランスは若干熱がこもる傾向にあるものの、日常生活に支障をきたすほどではありませんでした。
お腹の張りは客観的にも強く、首の凝りも顕著でした。
この人を東洋医学ではどうみるか?
東洋医学的な観点から心(しん)、肝(かん)、脾胃(ひい)の気滞(きたい)が認められました。
また、すぐに気鬱(きうつ)になる傾向も見受けられました。
東洋医学では、「心(しん)」は精神活動を司り、「肝(かん)」は自律神経や感情のコントロール、「脾胃(ひい)」は飲食物の消化吸収を担うと考えます。
この患者様の場合、緊張によって気の流れが滞り、とくに心、肝、脾胃の機能がうまく働かなくなっている状態でした。
気滞とは、気がスムーズに流れず滞っている状態を指し、様々な不調を引き起こします。
お腹の張りやガスの症状は、胃の気の流れが滞ることで引き起こされ、不眠は心の気の流れが滞ることで精神が不安定になることが原因と考えられます。
また、気鬱は気の流れが滞り、精神的な落ち込みや憂鬱感を引き起こす状態です。
この患者様は、これらの気の滞りが複合的に影響し、過敏性腸症候群と不眠という症状を引き起こしていると判断しました。
治療方針
治療にあたっては、まず気の流れをスムーズにし、心身のバランスを整えることを目標としました。
とくに、心、肝、脾胃の気の流れを改善し、気鬱の状態を緩和することに重点を置きました。
年齢的に体力はしっかりしているため、積極的に気の巡りを促す治療を行う方針としました。
治療内容と実際の経過
1回目:
仰向けで、「期門(きもん)」「天枢(てんすう)」「内関(ないかん)」「陽陵泉(ようりょうせん)」「太衝(たいしょう)」といったツボに浅めの鍼を施しました。
うつ伏せで、「風池(ふうち)」「肩井(けんせい)」「心兪(しんゆ)」「肝兪(かんゆ)」「脾兪(ひゆ)」には鍼と円皮鍼を使用しました。
2回目の施術(1週間後):
前回の施術では緊張によるお腹の張りなどの症状に大きな変化は見られませんでした。
そこで、1回目の施術に加えて、腹部への灸を追加しました。
3回目から20回目(週1回ペース):
仕事での緊張が強まるとどうしても症状が出現するものの、「少し楽な時もある」という変化が見られるようになりました。
不眠に関しては、寝つきは改善され、眠りの浅さを訴えるようになりました。
この期間は、1回目の施術に準じつつ、腹部への灸と耳ツボの施術を追加しました。
鍼灸治療を開始して5ヶ月が経過:
現在、お腹の症状は一進一退の状態ではありますが、不眠、とくに寝つきの悪さは明らかに改善されています。
鍼灸師としての感想とまとめ
今回ご紹介した患者さまは、高校生の頃から15年以上にわたり、緊張によるお腹の張りやガスの不快感、そして不眠に悩まされていました。
東洋医学的には、精神的な緊張やストレスによって気の巡りが滞り、心・肝・脾胃の働きが十分に発揮できない状態と考え、気の流れを整えることを中心に施術を行いました。
施術開始から5か月が経過した現在、お腹の症状には波があるものの、不眠、とくに寝つきの悪さについては改善がみられています。
また、定期的な施術によって心身の緊張が和らぎ、精神的な安心感にもつながっているとのお話をいただいています。
過敏性腸症候群(IBS)は、消化器だけの問題ではなく、ストレスや自律神経の影響が深く関わることも少なくありません。
そのため、身体だけでなく心の状態にも目を向けながら施術を進めていくことが大切だと考えています。
当院では、一人ひとり異なる症状の背景や生活環境を丁寧にお聞きしながら施術を行っています。
過敏性腸症候群によるお腹の不調や、不眠、自律神経の乱れでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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