子宮内膜の厚さは妊娠には関係しない?
子宮内膜は薄くても良い
子宮内膜の厚さが、じつは、妊娠率には関係しないという研究があります。
『クロミフェンを使った人工授精の妊娠率に、子宮内膜の厚さは関係ない』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24074755
【内容】
クロミフェンを使った人工授精における子宮内膜の厚さと妊娠率の相関を調べた。
262人の患者さんが562回の人工授精を受けた。
合計91回の妊娠が起こり、16.2%の妊娠率だった。
《妊娠率》
内膜の厚さ6㎜以下・・・14.8%
内膜の厚さ6~9 mm・・・16.3%
内膜の厚さ9㎜以上・・・19.0%
【結論】
「内膜の厚さが薄くても厚くても、妊娠率とはハッキリと分かる関係はない」と判断できた。
内膜の厚さは重要じゃなかったのか?
この研究では「内膜は薄くても妊娠率は下がらない」という判断でした。
たしかに、子宮内膜が厚くても妊娠しない人がいます。
これなども、内膜の厚さイコール妊娠率ではないことの証しのひとつでしょう。
西洋医学的にも、内膜の厚さだけでなくホルモン値やそのほかの婦人科系の状態などからも妊娠しやすさは変わると考えるはずです。
ですので「内膜の厚さだけにフォーカスし過ぎる必要はない」というのがちょうどよい見方だと考えます。
東洋医学(鍼灸)では「子宮環境をよくする」ことが重要と考えます。
子宮内膜で言えばそれは「厚さ」と「柔らかさ」です。
妊娠しやすい子宮内膜はある程度の厚さと柔らかさがある、と考えます。
子宮環境を良くすることが最大目標です。
子宮内膜の値だけに一喜一憂するのではなく、生理周期や生理痛、出血量、月経血の質などからも婦人科系の状態が分かります。
生理痛がない、安定した生理周期、血液量や質が良い、などを目安にします。
それらが適う身体づくりを目指します。
ですので、子宮内膜の薄さにストレスを感じている人には良い話です。
それは気にしなくてよい、と。
内膜の厚さは十分だけどなかなか授からない人は、そこは合格点だよ。だけれどそれ以外に改善する要素がまだあるよ、とみれば良いわけです。
少しでも健康な体になることで、お子さんを授かる日が少しでも早く来るようにお手伝いしたいです。