黄斑変性(目のゆがみ)の症例

黄斑変性(目のゆがみ)

黄斑変性(目のゆがみ)

患者さま

40代 男性

初来院

2018年1月7日

お悩みの症状

左目で見た時に周辺がゆがむ

初来院までの経過

1ヵ月前からパソコンで表作成をしていると罫線がゆがんで見えることに気づく。
眼科を受診し検査を受けると「黄斑が変性している」とのこと。
しかし治療法はないので通院は不要とのこと。
仕事のパソコン作業は不便だが、それ以外の日常生活に支障はない。
加齢とストレスが原因だと自分では考えている。
老眼はある。
他には慢性の肩こりがある。
ぎっくり腰を何回か繰り返してきた。
健康診断ではメタボリックシンドロームを指摘。

治療方針

首肩の気血の巡りをよくすることで目によい環境を作るのが第一。
40代で黄斑変性するのは腎虚よりは脾虚の要素だと考える。
ポチャッとした肥満体であることからも、脾虚湿盛が予想される。
脾胃のエネルギーを高め、湿をとり、クリアに見えるようにすることを目指す。

治療と経過

1回目。
「合谷」「外関」「足三里」「陰陵泉」「側頭(胆経)のコリ部分」に鍼。「中カン」「上カン」に温灸。足先にホットパック。「肩こりの部分に単刺」「風池」「天柱」「心兪~脾兪辺りの反応穴」に鍼。「脾兪」に温灸。
2~4回目(1週に1回ペース)。
肩こりは少しずつ改善。目の歪みはある。
健康診断を受け、眼底検査で再検査になったので大学病院の眼科を受診。
「黄斑部に変性があるものの珍しい原因不明のもの」と言われる。
1ヶ月後に再度検査を予定される。
鍼灸施術は、基本的には1回目同様を継続(首肩のコリにパルスを追加)。
5~9回目(1週に1回ペース)。
鍼灸施術4回目以降、少し目の歪みが良いようだ、とのこと。
肩こりも引き続き改善傾向。
施術内容は継続。
10回目。
鍼灸開始から2ヶ月半。
前回検査より1ヶ月後の大学病院での再検査。
前回は眼底に出血が多くよく分からなかった状況が今回は分かってきた。
「毛細血管が新生しているのでそれを薬で処置しよう」ということになる。
1ヶ月後からスタートに。
「だいぶ歪みは良いんだけどね…」と患者さん。
病院での治療を受けて様子を見るからと一旦ここで鍼灸は終了とする。

同時に治療した症状

・首肩こり
・疲れ

まとめ

目の症状が脾虚からきていただろうケース。
自覚される脾胃の虚の症候はとくになかったが、体格や目の症候からそのように判断し施術し、改善が見られた。
くび肩こりの改善も、もちろん、目の状態へ良い影響をしていると考える。
臓腑と経絡の両方からうまく効果が出せたケースと言える。

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