【症例】排卵障害・黄体機能不全と診断された20代女性が自然妊娠|妊活鍼灸

黄体機能不全・排卵障害による不妊でお悩みだった20代女性の鍼灸症例

一人目不妊
※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。


今回は、排卵障害・黄体機能不全・PMS(月経前症候群)と診断され、妊活を続けていた20代女性の症例をご紹介します

病院ではタイミング療法を提案されていましたが、仕事が忙しく通院頻度を増やすことが難しかったため、体調を整えながら自然妊娠を目指したいとの希望で当院へ来院されました。

鍼灸治療を継続した結果、PMSによる頭痛や肩こりなどの不調が改善し、施術開始から約5か月後に妊娠が確認されました

本記事では、初診時の状態、東洋医学的な見立て、実際の施術内容と経過について詳しくご紹介します。

患者さまの情報と経緯

年齢・性別:
20代女性。

鍼灸院に来るまでの経緯:
大学生の頃からPMS(月経前症候群)による頭痛に悩まされていました。
PMSのツラさのために2年半ほど前に病院を受診したところ、「ホルモンバランスの乱れ」と「女性ホルモンの不足」を指摘されていました。

3ヶ月前から妊活を開始しました。
まずは自分たちでタイミングを試みるも、生理の出血が2日間ほどで終わってしまうことを心配し、再び病院を受診しました。

検査の結果、「排卵障害」に加え、「黄体機能不全」「子宮筋腫」も指摘されました。

病院からは20代という年齢から、「まずは排卵誘発剤を使ったタイミング療法」を提案されました。
しかし、仕事が忙しく頻繁な通院が難しいため、まずは鍼灸治療で体質改善を図り、自然妊娠を目指したいと考え、当院にご来院されました。

初診時の患者さまは、仕事による疲労とストレスが蓄積しており、それが気血の巡りの滞りにつながっている様子でした。
PMSによる頭痛は、気血の滞りが熱化したものと考えられました。
また、精神的なストレスは肩から肩甲骨にかけての凝りとして現れていました。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、妊娠は気・血・津液(体液)のバランスが整っていることが重要と考えます。

とくに、女性の生理や妊娠に深く関わるのが「血(けつ)」です。
「血」は全身に栄養を運び、子宮内膜を厚くし、胎児を育むための基盤となります。

この「血」の生成や巡りが滞ると、生理不順や排卵障害、着床しにくい状態など、不妊につながる様々な症状が現れます。

今回の患者さまの場合、PMSの頭痛、生理の出血量が少ないこと、排卵障害、黄体機能不全といった症状は、東洋医学的に「血虚(けっきょ)」や「気滞(きたい)」の状態と捉えることができます。

「血虚」は「血」の不足を意味し、子宮内膜が十分に厚くならない原因となります。
「気滞」は「気」の巡りが滞っている状態を意味し、血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こします。
また、ストレスは「気」の巡りを阻害する大きな要因となります。

さらに、子宮筋腫は東洋医学的に「瘀血(おけつ)」、つまり血の滞りによって生じた塊と考えられます。

これらの状態を総合的に判断し、患者さまの体質に合わせた治療を行うことが、東洋医学における不妊治療の重要なポイントとなります。

治療方針

今回の患者さまは、年齢的に体力は十分にあるものの、仕事の忙しさからくる疲労とストレスが気血の巡りを滞らせていると考えられました。

そのため、治療方針としては、まず気血の巡りを改善し、とくに下半身への血流を促進することを重視しました。

また、ストレスによって生じている肩甲骨周りの凝りを緩めることで、心身のリラックスを促し、自律神経のバランスを整えることも目的としました。

具体的には、以下の点を重視しました。

気血の巡りを改善する:
全身の気血の流れをスムーズにし、特に子宮や卵巣への血流を促進することで、ホルモンバランスを整え、卵子の質を高めることを目指します。

下半身を温める:
下半身を温めることで、骨盤内の血行を促進し、子宮や卵巣の機能を活性化します。

ストレスを緩和する:
肩や肩甲骨周りの凝りを緩め、心身のリラックスを促すことで、自律神経のバランスを整え、ホルモンバランスの乱れを改善します。

治療内容と実際の経過

1回目:
仰向けで、「肓兪(こうゆ)」「水分(すいぶん)」「太衝(たいしょう)」「陽陵泉(ようりょうせん)」「三陰交(さんいんこう)」に鍼を施しました。「中脘(ちゅうかん)」「関元(かんげん)」に棒温灸を行いました。
うつ伏せで、肩こりの部位に単刺、背部の「膏肓(こうこう)」「脾兪(ひゆ)」「腎兪(じんゆ)」「次髎(じりょう)」に鍼と棒温灸を行いました。

その後、1週間から2週間に1回のペースで治療を継続しました

治療を重ねるごとにPMSの頭痛は以前より改善し、肩こりや腰痛などの症状も軽減していきました
配穴は患者さまの状態に合わせて多少アレンジしましたが、基本的な施術内容は継続しました。

鍼灸治療開始から4~5ヶ月が経過した頃、患者さまから嬉しいご報告がありました。
鍼灸13回目の施術後、生理予定日を過ぎても生理が来なかったため、妊娠検査薬を使用したところ陽性反応が出たとのことでした
その後、病院でも妊娠8週目であることが確認されました。

妊娠が確認されてからは、妊娠初期の施術に切り替え鍼灸は継続されました。
「太衝」「足三里(あしさんり)」「三陰交」に浅鍼、「中脘」にお灸、肩こりの部位に軽く単刺、「隔兪(かくゆ)」「肝兪(かんゆ)」「脾兪」「腎兪」に浅鍼と温灸を行いました。

その後も2週間程度のペースで治療を継続しています。

鍼灸師としての感想とまとめ

今回ご紹介したのは、排卵障害・黄体機能不全・PMSに悩みながら妊活を続けていた20代女性の症例です。

仕事による疲労やストレスが強く、頭痛や肩こりなどの不調もみられましたが、鍼灸治療を継続するなかで体調が徐々に安定し、施術開始から約5か月後に妊娠が確認されました

妊活中は検査結果や治療方針だけでなく、睡眠・ストレス・冷え・疲労など全身の状態を整えることも大切です。
当院では、お身体の状態や生活環境を丁寧にうかがいながら、一人ひとりに合わせた施術を行っています。

排卵障害や黄体機能不全、PMSなどのお悩みを抱えながら妊活を続けている方は、お気軽にご相談ください。

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