20代の不妊、ホルモンバランスの乱れ鍼灸症例

20代の不妊、ホルモンバランスの乱れ

一人目不妊

患者さま

20代 女性

初来院

2017年9月30日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

大学生の頃からPMS(月経前症候群)の頭痛に悩んでいた。
2年半ほど前に(PMSで)病院に行くと「ホルモンバランスが乱れている、女性ホルモンが少ない」と指摘された。
3ヵ月前から妊活開始。
まずは自分たちでタイミングを取るも、生理の出血が2日間ほどで終わってしまうので心配になり病院に行く。
「排卵障害」があると言われ、他の検査で「黄体機能不全」「子宮筋腫」も指摘される。
ただし年齢が若いこともあり、「排卵誘発剤を使ってのタイミング療法からスタートで良い」と病院より提案される。
病院に行きたいとは考えているものの、仕事が忙しくなかなか通院が難しい。
鍼灸で体づくりをすることで自然妊娠できればそれが一番であると考え、当院に来院。

治療方針

年齢も若いので体力的なものは十分ある。
仕事が忙しく疲労やストレスもあるようで、そのために気血の巡りが滞っていることが予想される。
頭痛は気血の滞りが熱化したものだろうと推察し、熱を下半身に下げるよう巡りを整える治療を心がけることにする。
精神的なストレスなども肩から肩甲骨間のコリとして出ているのでゆるめるようにする。

治療と経過

1回目。
「肓兪」「水分」「太衝」「陽陵泉」「三陰交(+円皮鍼)」に鍼。「中カン」「関元」に温灸。「肩こりの部位に単刺」「膏肓」「脾兪」「腎兪」「次リョウ」に鍼+温灸。
2~13回目(1週~2週間に1回ペース)。
少しずつPMSの頭痛も以前より改善。
肩こり・腰痛など、その時その時のつらさを取るために配穴は多少アレンジしつつも1回目の施術を継続。
14回目。
鍼灸を開始してから4~5ヶ月経過したところ。
13回目の施術のころ生理予定日から日数がたっており自分で妊娠検査したところ陽性。
その後、病院でも確認できた。この時、妊娠8週目。
妊娠初期の施術に切り替え鍼灸を行う。
「太衝」「足三里」「三陰交」に浅鍼。「中カン」にお灸。「肩こりの部位に軽く単刺」「隔兪」「肝兪」「脾兪」「腎兪」に浅鍼+温灸。
15回目以降も2週間程度に1回ペースで継続中。

同時に治療した症状

・頭痛
・肩こり
・腰痛

まとめ

患者さん本人も驚かれたご懐妊だった。
年齢が若いこともあり気血量は充実していたので、あとは巡りを作れたら…と思い施術をしてきた。
仕事の忙しさもあり、治療頻度が3週程度あくこともあったが、結果にはつながって良かった。
妊活と仕事の両立という問題から、いかにストレスにさせないかを意識させられるケースであった。