緑内障患者の眼球血流に鍼治療が有効

緑内障患者の眼球血流に鍼治療が有効

緑内障患者の眼球血流に鍼|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

緑内障の原因は複数の要因が考えられています。
もっとも重要な危険因子は「眼圧」です。
西洋医学の緑内障治療では、クスリなどにより眼圧を低下させ、この疾患の進行を止めるため努力がなされます。
しかし、眼圧以外にも緑内障を進行させる要因があるようです。
いくつかの研究では、クスリで十分にコントロールされた眼圧にもかかわらず視野低下が進む可能性のある原因として、「眼球血流の障害」が確認されています。
鍼治療が緑内障の補完代替療法となる可能性を持つ、という研究もいくつかあります。
実際、いくつかの研究では「鍼治療の有益な効果」が報告されています。
眼圧改善や視力改善については報告されています。

今回は、鍼治療が緑内障患者さんの眼球血流に及ぼす影響の研究を紹介します。

緑内障患者の眼球血流に鍼|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

『原発性開放隅角緑内障患者における眼球血流に対する鍼治療の短期効果』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6055908/

【概要】
原発性開放隅角緑内障(POAG)患者の眼球血流への鍼治療の効果を調べる。
POAG患者を「眼に特化した鍼治療を受ける群」と「眼に特化しない鍼治療を受ける群」に無作為に割り付けた。
眼球血流の様子は、鍼施術の前と施術10分後に測定した。
結果として、「眼に特化した鍼治療を受ける群」の眼球血流は有意に増加した。
2つの群のいずれにおいても、乳頭下血流、網膜血管径、全身血圧、または眼圧に治療後の有意な変化はなかった。
結論。
緑内障患者の眼に特化した鍼治療の10分後に、脈絡膜血流の変化を示した。
この結果は、体表から自律神経系へ作用する鍼治療の効果を示唆する可能性がある。

「治療方法」
鍼治療は、経験豊富な鍼灸師が行った。
眼に特化したツボには、 攅竹、魚腰、糸竹空、瞳子髎、上星、光明を取穴。
眼に特化しないツボには、気海、内関、足三里、三陰交を取穴。

当院の考察

緑内障鍼灸

論文で示された「ツボの表記や図」が微妙にいい加減で「本当に分かっている人が研究したのか!?」という不信感にもつながるのですが、そこはご愛嬌として考えます(苦笑)

緑内障患者さんの眼球血流(脈絡膜の血流)を鍼治療で改善できる、という結果でした。
使ったツボは「眼の周辺のツボ」で、これらは基本的には局所効果を狙っていると思われます。
※中途半端に1ヶ所だけ足のツボを使っているので意図が読みづらいですが…(苦笑)
なんにせよ古来より眼に良いツボの代表例でもあります。

今回は「眼に効くとは言われていないツボ」を使った群との比較でした。
結果は「眼に効くツボは効く」という結果でして、この辺の比較をしてもらえるのは(鍼灸師として)興味深いですね。

眼球の血流を改善・維持するのは眼の働き全般にとって重要なことです。
とくに正常眼圧緑内障が多い日本ですので、眼圧だけでない眼全般のコンディション作りに鍼灸が関与できるという結果は頼もしいです。

今回は「眼周辺のツボが効く」という話でしたが、遠隔部のツボで眼の血流を良くできるという研究もあります。
眼に良いツボは全身にあります。
当院では「眼の周囲も含め、その人の体質全体を改善する全身治療」が重要と考えます。
ですので、眼周囲もあり、首肩もあり、腕足もあり、背中もあり、と全身のツボを駆使していきます。

緑内障で、病院での治療以外に「何か他にもできることはないか」と考えられているようでしたら、鍼灸を試してみてください。
お待ちしています。

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