冬に眼圧が高くなる人に効くツボ
冬に眼圧を下げるツボ
冬になると、なぜか眼圧が上がりやすいと感じることはありませんか?
とくに緑内障を患っている方は、その影響がより大きく、不安に感じることもあるかもしれません。
眼圧の変動幅が大きいほど視野障害が悪化しやすいとも言われており、季節ごとの眼圧変動を少しでも抑えることは、視野障害の進行を防ぐ上で重要です。
冬に眼圧が上がる理由
西洋医学的には、冬の寒さによる血圧の上昇によって房水(眼球を満たす液体)の産生が増加したり、房水の流出が減少したりすることが原因と考えられています。
東洋医学的な考え方
東洋医学では、冬の寒さは「陰」の気が強まり、体内の「陽」の気が不足することで、気血の流れが停滞すると考えます。
これは、川の流れが冬になると水量が減り、流れが滞ったり、凍ったりする様子に例えられます。
具体的には、以下の3つの状態が引き起こされます。
冷える(寒):
末梢血管が収縮し、手足の先などが冷えます。
縮こまる(凝):
筋肉が緊張し、肩や首のこり、関節の痛みなどが現れます。
痛む(痛):
血行不良により、痛みが生じます。
とくに、冷えによって血流が阻害される状態(血瘀:けつお)は、目に必要な栄養や酸素を運ぶ血流も悪くします。
これが目の周辺の筋肉や神経、血管を収縮させ、眼圧上昇を引き起こすと考えられます。
冬の眼圧対策
冬の眼圧対策は、川の流れをスムーズにするように、体を温め、血行を促進することが重要です。
冷え対策
冷えは万病の元と言われますが、目の健康にも大きな影響を与えます。
以下の対策を日常生活に取り入れ、体を温め、血行を改善しましょう。
適度な運動:
20分程度のウォーキングやストレッチ、エアロビクスなどの有酸素運動は、血行を促進し、体を温めます。
腹式呼吸などの深呼吸も、内臓を温める効果があり、冷え対策に有効です。
服装:
体を締め付ける服や下着は、血流を阻害し、冷えにつながります。
仕事などでどうしても締め付ける服装をしなければならない場合は、オフの時間帯はゆったりとした服装を心がけましょう。
重ね着で保温することも大切です。
靴下の重ね履き、腹巻、レッグウォーマーなどを活用し、首、手首、足首といった「首」と名の付く部位を温めると効果的です。
入浴:
シャワーだけでなく、湯船に浸かることで体の芯から温まります。
半身浴や足湯もおすすめです。入浴後も湯冷めしないように、しっかりと体を拭いてから服を着ましょう。
食事:
冷たい飲み物や食べ物を避け、温かいものを摂るように心がけましょう。
温かいスープや鍋料理は、体の中から温めてくれます。
よく噛んで食べることで、内臓が温まり、消化吸収も良くなります。
生姜、ネギ、ニンニクなど、体を温める食材を積極的に摂り入れましょう。
冷えに効くツボ
ツボ刺激は、血行を促進し、体を温める効果があります。
ご自宅で簡単にできるツボをご紹介します。
爪もみ
手足の指の横(爪の生え際)になります。
基本は、親指と人差し指で爪の生え際をつまんで、押すようにもむだけ。
指1本につき10秒で1セット、1日3セットを目安に。
親指から順番に、両手の爪をもんでみましょう。
手が終わったら足の爪も行いましょう。
強さは「イタ気持ちよい」くらいです。
ギュッギュッとリズムをつけても、10秒間押し続けてもどちらでもよいです。
合谷(ごうこく)
手の甲にあります。
親指と人差し指の骨が交わる所です。
軽く手を開いた状態では、谷間のように凹んでいることが多いです。
湧泉(ゆうせん)
足でグーをした時、足裏でいちばんへこんでいるところが湧泉です。
足裏を3等分して約3分の1のところです。
お腹と腰
おへその下の下腹部と腰はホッカイロやホットパックで温めると冷え対策には効果的です。
とくにツボにこだわらず大きく下腹部、腰というエリアを温めてください。
ツボを自分で探す時のコツ
より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。
ツボの基本位置を確認
鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。
押して探す
だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。
体の反応をみる
ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。
ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。
せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点
ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。
「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。
せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。
せんねん灸の使い方
種類を選ぶ
「せんねん灸」には様々な種類があります。
「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。
ツボの場所を決める
どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。
準備
お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。
台座の裏紙を剥がす
「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。
もぐさに点火
巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。
皮膚に据える
火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。
取り外す
使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。
お灸をする上での注意事項
・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。
・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。
・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。
・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。
・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。
・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。
・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。
上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
セルフケアのツボ押しの方法と注意点
ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。
ツボ押しの方法
リラックスできる環境を整える
静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。
ツボの位置を確認
書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。
指の腹で押す
親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。
適度な力で押す
「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。
時間をかけて押す
1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。
呼吸を意識する
力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。
温めてから行うと効果的
入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。
ツボ押しをする上での注意事項
・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。
・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。
・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。
・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。
・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。
・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。
・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。
・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。
上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
鍼灸院での本格的な鍼灸のススメ
冬の眼圧対策は、冷え対策が基本となります。
上記でご紹介したセルフケアを日常生活に取り入れ、体を温め、血行を促進することで、眼圧の安定につながります。
しかし、冷えは長年の生活習慣によって蓄積されたものであり、セルフケアだけでは改善が難しい場合もあります。
当院では、鍼灸治療によって体の深部から温め、血行を促進し、体質改善を促すことで、根本的な冷えの改善を目指します。
鍼は痛くなく、お灸は熱くなく、心地よい刺激で効果を実感していただけます。
緑内障などでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
緑内障鍼灸の詳しくはこちら