【症例】妊娠9週の吐き気つわり|鍼灸治療で楽になった経過を紹介

【鍼灸症例】ツラい「吐き気つわり」は鍼灸で和らぐ?妊娠初期の改善ケース

吐き気・つわり鍼灸
※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。


妊娠初期のつわりによる吐き気でお悩みではありませんか?

今回ご紹介するのは、妊娠9週頃から強い吐き気に悩まされていた30代女性の症例です

一日中続く吐き気に加え、疲れやすさや肩こりもありましたが、週2回の鍼灸治療を継続する中で徐々に症状が軽減していきました

もちろん、つわりは妊娠週数の経過によって自然に落ち着くことも多いため、すべてが鍼灸による効果とは断定できません。
しかし、治療期間中は吐き気だけでなく、睡眠や肩こりなどの不調も改善がみられました。

この記事では、実際の施術内容や東洋医学的な考え方、経過について詳しくご紹介します。

患者さまの情報と経緯

年齢・性別:
30代の女性。

鍼灸院に来るまでの経緯:
現在妊娠9週目で、妊娠5週目頃からつわりが出始め、とくに吐き気に悩まされていました。

症状は徐々に悪化しており、「一日中つらいが、あえて言えば朝の方が良く、夕方・夜は特に辛い」とのことでした。
歯磨きをすると吐き気が悪化する傾向にありましたが、食事は少量ながらも摂れており、実際に嘔吐することはありませんでした。

今回は二人目の妊娠でしたが、一人目の時はつわりがほとんどなかった(もしくは軽かった)ため、今回のつわりのツラさに戸惑いを感じていました。

「疲れやすい」「肩こり」などの症状も併せて訴えられました。

この人を東洋医学ではどうみるか?

東洋医学では、つわりは「胎児を育むための母体の変化」と捉えます。
妊娠によって子宮に血が集まり、それが原因で胃腸の働きが乱れ、吐き気や嘔吐などの症状が現れると考えます。

また、気の巡りが滞ることで、吐き気や胸のつかえ、イライラなどの精神的な症状も引き起こされることがあります。

この患者さまの場合、以前から「疲れやすい」という訴えがあったことから、体力が低下している状態、すなわち「脾虚(ひきょ)」の状態にあると判断しました。
「脾」は消化吸収を司る臓腑であり、「脾虚」になると胃腸の機能が低下し、消化不良や食欲不振、倦怠感などの症状が現れやすくなります。

妊娠による体の変化に加え、もともとの「脾虚」が重なったことで、今回のつわりが強く現れていると考えました。

また、一人目の妊娠時にはつわりが軽かったことから、体質の変化や精神的な要因も考慮する必要があると考えました。

治療方針

まず「脾虚」を改善し、胃腸の働きを整えることを第一の目標としました。
具体的には、気血を補い、胃腸の気の巡りを改善するツボ(経穴)を選びました。

また、つわりの症状に合わせて、吐き気を抑えるツボや精神的な安定を促すツボも併用しました。

治療は、鍼とお灸を組み合わせて行い、体への負担を最小限に抑えながら、効果的に症状を緩和することを目指しました。

当院では、患者さま一人ひとりの体質や症状に合わせて、最適な治療方法を選択することを大切にしています。

治療内容と実際の経過

1回目:
仰向けで、「中脘(ちゅうかん)」に棒温灸。「内関(ないかん)」「曲池(きょくち)」「陰陵泉(いんりょうせん)」「太谿(たいけい)」に浅く鍼を刺し、「足三里(あしさんり)」には台座灸を行いました。
「内関」には円皮鍼を追加し、持続的な効果を期待しました。
うつ伏せで、「至陽(しよう)」に棒温灸。「心兪(しんゆ)」「隔兪(かくゆ)」「脾兪(ひゆ)」「腎兪(じんゆ)」に浅く鍼を刺した後、点灸を行いました。

2~6回目(週2回ペース):
計6回の治療を行いました。
治療を重ねるごとに、患者さまのつわりは徐々に軽減していきました
妊娠12週目に入り、つわりが自然に落ち着く時期でもあったため、鍼灸治療の効果と自然経過の両方が影響していると考えられます。
症状が落ち着きつつあることから、患者さまと相談の上、鍼灸治療は一旦終了としました。

この患者さまには、つわりの他に「眠りづらい」「疲れ」「肩こり」「頭痛」などの症状もありましたが、鍼灸治療を通してこれらの症状も同時に改善されました

鍼灸師としての感想とまとめ

今回ご紹介した患者さまは、妊娠9週頃から続く吐き気つわりに悩まされていました。
週2回の鍼灸治療を継続する中で症状は徐々に軽減し、吐き気だけでなく睡眠や肩こり、疲労感などの不調にも改善がみられました

つわりは妊娠経過に伴って自然に落ち着くことも多いため、症状の変化がすべて鍼灸治療によるものとは断定できません。
しかし、妊娠中でも身体への負担が少ない方法として、鍼灸が選択肢の一つになる可能性はあります。

当院では、単に吐き気だけを見るのではなく、その方の体質や生活状況も含めて丁寧にお話を伺いながら施術を行っています。
つわりによる吐き気や体調不良でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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つわり(妊娠悪阻)