【緑内障の鍼灸症例】40年以上の肩こりと不安を抱えていた60代男性のケース
眼圧や将来への不安…緑内障と40年来の首肩こりに悩む60代男性の鍼灸症例

※本記事は国家資格(はり師・きゅう師)を保有する院長が執筆しています。
※当院の実際の症例に基づきますが、患者様のプライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部情報を変更して記載しております。
※効果には個人差があります。
「緑内障と診断され、この先どうなるのだろう……。」
そのような不安を抱えて来院される方は少なくありません。
また、緑内障の方のなかには、長年の肩こりや首こり、疲れやすさ、精神的な緊張を抱えている方もいらっしゃいます。
今回ご紹介するのは、40年以上続く慢性的な肩こりと、緑内障と診断されたことへの不安を抱えていた60代男性の鍼灸症例です。
なお、本記事は緑内障そのものに対する治療効果を示すものではありません。
当院では、眼科での診断や治療を大切にしながら、肩こりや疲労感、不安などの心身の負担を整える補完的なケアとして鍼灸を行っています。
同じようなお悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
患者さまの情報と経緯
年齢性別・お住まい:
60代男性・船橋市在住
鍼灸院に来るまでの経緯:
40年以上もの間、首こり・肩こりに悩まされており、1か月前に飛蚊症と後頭部痛を感じたため眼科を受診したところ、「緑内障」と診断されました。
右目に視野欠損が見られるものの、日常生活に支障をきたすレベルではありませんでした。
しかし、眼圧は23と高く、将来失明するのではないかという強い不安を抱えて当院を受診されました。
初診時の問診では、もともと不安を感じやすい性格であること、血流が滞りやすい体質であることが分かりました。
長年の肩こりや首こりに加え、高血圧、疲れといった症状も抱えており、心身ともに疲弊している状態でした。
この人を東洋医学ではどうみるか?
東洋医学では、「肝は目に開竅(かいきょう)する」という考え方があります。
これは、肝の機能が目の状態に深く関わっていることを意味します。肝は血を貯蔵し、全身に血を巡らせる働きを担っており、ストレスの影響を受けやすい臓器でもあります。
今回の患者様は、長年の肩こりや首こりによって首肩周辺の血流が滞り、それが目に影響を及ぼしていると考えられます。
また、不安を感じやすい性格やストレスも肝の機能を低下させ、目の状態を悪化させる要因となっている可能性がありました。
さらに、東洋医学では「気血水(きけつすい)」という概念があります。
気は生命エネルギー、血は血液、水は体液を意味し、これらが体内をスムーズに巡ることで健康が維持されると考えます。
患者様は、気の不足である「気虚(ききょ)」の状態も見られ、それが気弱な性格や疲れやすさにつながっていると考えられました。
治療方針
上記の東洋医学的考察に基づき、以下の治療方針を立てました。
血流促進:
首肩周辺の血流を改善することで、目に十分な血液が供給されるように促します。
肝の機能調整:
ストレスや不安を和らげ、肝の機能を正常に保つことで、目の状態を改善します。
気虚の改善:
気を補うことで、心身の活力を高め、病気に対する抵抗力をつけます。
リラックス効果:
鍼灸治療によるリラックス効果で、心身の緊張を和らげます。
これらの治療方針に基づき、患者様の体質や症状に合わせたツボ(経穴)を選定し、鍼とお灸を組み合わせて治療を行いました。
治療内容と実際の経過
1回目:
仰向けで、「期門」「中脘」に棒温灸をしました。「合谷」「曲池」「太衝」「陽陵泉」に置鍼をしました。
うつ伏せで、「頭のブヨブヨする部位(百会辺り)」「心兪」「肝兪(+棒温灸)」「腎兪」「天柱」「風池」「肩コリの局所穴」に置鍼をしました。
初回の治療では、肩こりの局所や首の付け根、背中などのツボを中心に鍼とお灸を行いました。
治療後、患者様は少し疲れを感じたものの、翌日には身体が楽になったと報告されました。
その後、週に1回のペースで半年間治療を継続しました。
治療を重ねるごとに、肩こりは徐々に改善し、身体の疲れも軽減していきました。
定期的な眼科の検査でも、視野の悪化は見られず、眼圧も徐々に安定していきました。
何よりも大きかったのは、患者様の精神的な変化でした。治療を通して心身のリラックスを体感し、不安な気持ちが和らいでいったのです。
「この治療を続けていれば大丈夫」という安心感を持つようになり、前向きな気持ちで治療に取り組むようになりました。
もちろん眼科の定期検診や点眼治療をしっかりと継続してもらっています。
当院ではその効果をサポートするために首肩の血流改善や自律神経(不安感)の安定を図っています。
現在は、目の予防と肩こり対策のために、2~3週に1回のペースで継続して通院されています。
鍼灸師としての感想とまとめ
今回の患者さまは、緑内障と診断されたことによる将来への不安と、40年以上続く慢性的な肩こりを抱えて来院されました。
鍼灸施術では、肩こりや疲労感、精神的な緊張を含めた全身の状態を整えることを目的として施術を行いました。
その結果、患者さまご自身としては、肩こりの軽減や心身のリラックスを実感され、以前より前向きな気持ちで日常生活を送れるようになりました。
一方で、緑内障は継続的な検査と治療が必要な病気であり、眼科での定期的な受診が欠かせません。
当院では、医療機関での治療を大切にしながら、肩こりや疲労感、不安などの身体的・精神的な負担を整えるためのサポートを行っています。
緑内障と診断され不安を抱えている方、長年の肩こりや疲れが続いている方は、お気軽にご相談ください。
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