不規則勤務の仕事で妊活ストレスが増す鍼灸症例

不規則勤務の仕事で妊活ストレスが増す鍼灸症例

妊活の鍼灸症例

患者さま

30代 女性

初来院

2021年2月4日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

4年前にクラミジア感染があり、その際に多のう胞性卵巣症候群(PCOS)と言われた。
1年前、結婚を控えブライダルチェックを受けた際には「PCOSではなく問題はない」と言われる。

入籍と同時に妊活開始。
自分たちで排卵時期を意識してのタイミングを試みるも、タイミングをとるストレスがあり上手くいかない。

3ヶ月後、婦人科に足を運ぶ。
検査結果は「問題なし」。タイミング療法を勧められるがタイミングが取れない(=性交渉が持てない)ので通院はしないことにする。
自分たちで無理のない範囲で排卵検査薬を使ってタイミングをとることで妊活とする。

排卵の頃はイライラしやすい。

仕事は不規則勤務で疲れがたまる。
仕事柄、腰痛もある。

治療方針

元々気の巡りが悪い体質であり妊活ストレスもあり「肝鬱気滞」が強い。
気の巡りを促進するツボ・リラックスできるようなツボも多めにする。

治療と経過

1回目。
「中脘」「関元」に温灸。「肓兪」「曲池」「足三里」「陰陵泉」「太衝」に置鍼。肩こりの局所に単刺。「風池」「心兪」「隔兪」「肝兪」「志室」「次髎」に鍼+円皮鍼。「神道」「命門」に温灸。
※足三里にせんねん灸をしたら「熱い」とのことで途中でとる(一番ぬるいタイプのもの)。

2回目~7回目(1週間に1回ペース)。
初回治療後に少しダルさが出たとのことで、刺激量(鍼の響き感など)をマイルドにするが、内容はおおむね1回目同様。
5回目以降は腹部にお灸を追加。
仕事が不規則勤務であることも疲労感や妊活ストレスに影響していると考え退職する。

8~12回目(1週間に1回ペース)
新しい職場での勤務開始。
婦人科にはいかずに自分たちでタイミングを取ることを続ける。
12回目の時点で生理周期は遅れており(D32)、翌日、妊娠検査薬で陽性。

13回目は1か月後。
産婦人科にかかり、この時点で妊娠8週。
つわりが気になるとのことで1回来院。
「裏内庭」「胃6つ灸」にお灸。「至陽」「筋縮」に温灸。「不容」「内関」に浅く鍼。「三陰交」に温灸。

以後はご予約なし。

同時に治療した症状

・ストレス
・腰痛
・疲れ

まとめ

鍼灸開始から4ヶ月ほどで妊娠にいたったケース。
不規則勤務の仕事のストレスと疲労、それが妊活(タイミングなど)にも影響していたと思われる。
まだ若い(30代前半)こともあり、そのままの環境でも妊娠したのかもしれないが、転職されたことも結果的にご懐妊に有益だったのではないかと考える。
鍼灸の刺激に過敏だったため、少し弱めの刺激で気滞を巡らせることに重きを置いた。
気血の巡りを整える(この場合は今風に言えば自律神経を整えると言える)ことが有効と思えたケースだった。