30代の不妊、PCOSの鍼灸症例

30代不妊(心身ともに過敏なタイプの体外受精)

PCOS

患者さま

30代 女性

初来院

2018年10月24日

お悩みの症状

一人目不妊

初来院までの経過

1年2ヶ月前に結婚を機に妊活も開始。
すぐに婦人科の病院で検査を受ける。
「多のう胞性卵巣症候群(PCOS)による排卵障害」と診断される。
年齢が若いこともあり、排卵誘発剤を使ってのタイミング療法から治療開始となる。
5回ほど行ってもうまくいかず、ご本人の希望で体外受精にステップアップすることとなる。
IVFができる病院へ転院し、先月採卵。
採卵で23個取れて、6個が胚盤胞になり凍結。
今後移植をするにあたり、鍼灸で体調を整えたいと来院。

婦人科系以外では「やせ」「疲れやすい」がある。

治療方針

肉体面での疲労感よりも、考え過ぎ・心配・イライラなどが強い。
心血虚からのストレス(気うつ)があると判断し、気滞(血虚)の解消をメインにすえる。
血虚気滞体質。
心・肝・脾の気血を補いめぐらせることとする。

治療と経過

1回目。
「天枢」「大巨」に浅く鍼。「曲池」「三陰交」「陽陵泉」「太衝」に鍼。足先にホットパック。「風池」「心兪」「隔兪」「肝兪」「次髎」に鍼+円皮鍼。
2回目~6回目(1週間に1回ペース)。
刺激に過敏で、棒灸などの温灸も「温かいでなく熱い」と感じやすい。
全般的にソフトな刺激で施術をする。
おそらく自律神経失調から手足の冷えが出やすいので、ホットパックを手足に使う。
その時その時の体調により若干の配穴を変えながら、基本は「内関」「三陰交」「曲泉」など、心・肝を意識したツボを多くとる。
弱いせんねん灸や0.3ミリの円皮鍼を加えることも多かった。
4回目の施術終了後に、移植をする。
6回目の施術前に判定日があり、陽性反応とのこと。
妊娠初期も、引き続き鍼灸を継続希望される。
肝・脾・腎の働きを補うような配穴に変更し、全体的にソフトな刺激に切り替える。
7~10回目(2週間に1回ペース)。
妊娠6週くらいからつわりの症状が出だす。
つわり対策に「内関」「足三里」「胃の六つ灸」あたりを鍼・灸・円皮鍼などで刺激する(・・・も刺激量はあくまでソフトに)。
妊娠初期の大変さも無事経過し、近所の産婦人科さんに転院した妊娠10週まで鍼灸にいらしていただき終了となった。

同時に治療した症状

・イライラ
・手足の冷え

まとめ

陽性反応が出るまで1ヶ月だった。
移植を控えた頃に初めていらして、1回目の移植でそのまま結果が出たケース。
鍼にもお灸にも過敏だったため、極力ソフトに行った。
刺激量とできることを見定めながら、鍼・円皮鍼・お灸・台座灸・棒灸などを駆使した。
体外受精の移植にはストレスがマイナスなので、なるべき穏やかになっていただく(少なくとも余計に抱え込まない)ように、話をきくときは聞き、アドバイスをする時はしながら、鍼灸以外の効果効能も出るよう心がけた。
結果的に最短の時間軸で成果になりうれしかった。